広告を制作する会社で、明確な料金表を持ち合わせているところは少ないと思います。理由は様々ですが、料金表を作成しても機能しにくいという業界特有の問題がありそうです。
依頼先から予算の提示が先にあったり、企画構成やデザインの作成、形や答えの無いもの、修正対応の頻度や内容等、クライアントによってかかる工数も費用も、バラつきがでやすい理由があったりするので、費用についてお話します。
適正な費用の求め方
上記で伝えた内容は制作会社側からの意見ですが、実際に依頼側からは、制作会社毎に費目が異なったり、企画やデザインの費用についても制作会社毎に考えが違うため、定まった目安の費用がわからないといったケースになりがちです。
このような状況でまず、ひとつの指標として参考になるのは、「宣伝会議」という会社から出版されている「広告制作料金基準表」というものがあります。
2年に一回程度発行されているのですが、都道府県別に制作会社の料金が掲載され、また平均単価も媒体別に紹介されています。
東京と地方の費用の差があったり、同じ地域でも費用に違いがでてたりするので、基準を定めるのが難しいかもしれませんが、こちらの書籍をひとつの参考にするのはひとつの方法かもしれません。
※大きな書店や、ネット等で注文することが可能です。
新規のお客さまで費用のお話になる場合、費用感の認識が異なる時があります。
そのときは、広告制作料金基準表を訪問後にメールでお送りして、相場感を知っていただくようにすることがあります。
興味を持たれたお客さまは、実際に購入して確認されています。
相見積でわかること
次に、複数の制作会社に依頼内容を相談し、制作会社との相性も見定めながら、相見積もりをおこなって検討することが望ましいと思います。
このやりとりの中で、いろいろと見えてくることがあります。
・担当者の対応
・打合せのやりやすさやりにくさ
・制作会社のやり方、進め方、話し方
・費用の考え方
・トラブルが起こった時の対処
こんな感じです。
少し手間かもしれませんがおすすめです。
(相見積の依頼を断る会社もあります)
注意点としては、安すぎたり、リース契約等は気をつけた方がしれません。
後から追加で費用が発生したり、クオリティが低すぎたり、できるできないの部分が、作業途中で発生したりと、問題が引き起こされる可能性があるので、そのあたりの確認もしっかりおこなったうえでの判断が必要です。
複数の制作会社と会う
あと、お会いする前に目星をつけた制作会社がある場合は、一番後にするのがおすすめです。
理由は、最初の制作会社との打合せでは、料金や進め方等わかっていなかったことや、原稿や資料等、事前に確認や判断しておかないといけなかったことがわかったりしますので、中途半端な形でお見積が仕上がってしまうことがよくあります。
また、上記でお伝えした見えてくる内容が、最初にお会いした制作会社では聞き忘れや、確認が怠りがちになってしまいます。
間違いない制作会社を選択しやすく
まずは、最初の制作会社では、打合せで慣らしておく感じにして、最後の制作会社で聞きたいことや確認したいとこ等をまとめ上げて進められるようにします。
こうしておくと、意外に最初の制作会社のほうがちゃんとしっかりやってくれてたなと考えが変わったりします。
また、目星をつけていた制作会社でやってもらいたいことが、さらに明確になって、今後の見積もりや、進め方がスムーズになったりします。
このようなやりとりをおこなうと、制作会社の選定基準や、中身までがはっきりしやすくなり、間違いない制作会社を選べると思います。
相談実績に大手企業が入っている場合
各制作会社には、よく実績を掲載しているので、そこから依頼をかける基準が生まれると思いますが、やはり大企業の実績が掲載されている広告代理店や制作会社は、ケタが変わるぐらい高いと思います。
案件規模が大きいので、全ての費目について、相対的に高くなるのは当たり前ですし、それだけお金や時間、人数がかかっています。
さらに企画力、提案力も持ち合わせていますので、大手企業からすると、納得のいく価値のある費用感に落ちついていると考えます。
一番メリットが大きい制作会社の選び方
小規模の広告代理店や制作会社に大手の実績が掲載されている場合だと、直接取引されているところもあると思いますが、上記のような大手の取引先を持つ会社から、孫請けという形で再依頼されていることもあります。
大手の広告を行っている小規模の制作会社と、提案やデザインの振り幅や、進行にあたっての柔軟な対応が、基本的に身についていることが多いように思います。
そのため、クオリティやコスト面等トータルで考えると、最も有利で、一番メリットが大きいケースになりやすいです。
具体的な作業工数の費用
作業する内容が明確なオペレーター的な工数は、ボリュームもあり、企画面の負担が少ないため、比較的安価な傾向になります。
※データ納品での対応になる場合は、ソフトの種類やバージョンの確認は事前におこなっておいたほうがベストです。
企画立案型は、オペレーター型に比べて、企画のアイデア面や、一案件に掛かる時間等から高めな傾向にあると言えます。
制作会社によって、ピンキリですが、費用の違いが顕著にでてくるところは、制作会社のクライアント先の規模によって違いがあることが大きいように感じます。
同じ制作内容でも、大手の会社と取引しているところは費用が高めで、個人経営している飲食店等を主に取引しているところは費用が抑えめな気がします。
あとは、ディレクターやデザイナーの経験、クオリティによって違いがあると思います。
業界的に明確な費用が無いところが多く、高い安いの判断がつきにくいというのが実情だと思います。
イメージバナーの費用体系
上記でお伝えした「広告制作料金基準表」をベースにしながらも、お客さまのご要望に応じて、柔軟に対応しています。
費用が確定していない場合は、まず最初にヒアリングをしっかりと行います。
どんなことをイメージしているのか、考えているのか、したいのかを明確にしていくことで、工数が見えてきますので、その後にお見積もりをします。
また、お話の中で判断に迷うことがあれば、松竹梅的に制作工数を算出して、できる範囲と費用が、照らし合わせてわかるようにすることもあります。
お客さまでどういう風にお伝えしたら良いのかわからないということもありますが、こちらから細かいことをお答えしやすい形でヒアリングを進めますし、その中で課題がでてきたら、何度でもヒアリングをおこないます。
一回で終わるところがほとんどですが、何度かヒアリングを行う場合は、当初想定していたことから、違う方向性やアプローチに変化して、まとまりがよりよくなることも良くあります。
ご予算が決まっている場合
ご予算が決まっている場合は、その中で何がどこまでできるのかをある程度の工数を想定しながら、わかりやすくお伝えします。
グラフィックのデザインを行う場合は、デザインのレベル感や印刷で部数や仕様がどこまでできるのか、また折り込みチラシやポスティング、交通広告を実施する場合は媒体費用も含めて、お伝えしています。
Webサイトだとページ数や機能の選定等細かなところまでお話します。
Webサイトの構築は目に見えにくい工数がかなりでてきますし、また作業の内容が多岐に渡るため、できる限り費目も、かみ砕いてご理解をいただけるようにしています。
Webデザインの場合、動きを伴う見せ方を表現する場合は、費用があがりやすいので、特に気をつけているポイントです。
あとは更新システムで世界的に使われている「WordPress(ワードプレス)」の使用範囲です。
更新内容を凝った形であまりにもカスタマイズした形で組み込んでしまうと、カスタマイズ費用がかさんでくるのと、後々のメンテナンスや、バージョンアップ時のエラー等によるトラブル等も工数負担がかかり、相対的に費用があがってくることになるので、ほどほどに組み込むことが良い場合があります。
コストを抑えたいという場合
お客さまの立場を考えて、クオリティを落とさずに、コストを抑制する取り組みは設立当初より、あらゆる面で考えています。
他社で発生する、ドメインやサーバ等の管理料や、営業費用、二次使用料等、こちらで作業の工数がかかっていない不要な費用はそぎ落とし、必要なものだけに限って算出しています。
具体的な内容でお伝えすると、いろいろでてくるのですが、例えば、下記のような対応をおこなっています。
Webサイトで更新システムを取り入れて、自社で更新 | Webサイトで更新システムを取り入れて、自社で更新 |
自社サイトのサーバやドメイン等 | 制作会社でおこなうと管理費等が発生するので、少しでも抑えるために、自社でご契約していただいてコストを抑えます。(契約方法は実際に画面を見ながらレクチャーします) |
デザインデータの二次利用 | 広告の制作会社では、デザインの制作物について、他の媒体や転用する際、二次使用料が発生しますが、イメージバナーではいただくことはありません。 |
Webプログラムを作成 | いちから作成することもできますが、高額になるので、ヒアリングの際に調整できる事柄をまとめて、簡易な機能で対応できるようにカスタマイズしながら設計を考え、圧倒的に費用を安く済ませることもあります。 |
印刷費用の軽減 | 印刷のクオリティをどこまで追求するかによって、サンプル等を交えながら、印刷会社の選定をおこないます。 パッケージが得意な印刷会社、色の再現性が得意な印刷会社、封筒の仕様が多い印刷会社等ご要望によっていろいろと展開するのですが、とにかく安価に印刷を仕上げたいという場合は、通販印刷を使って安価で提供できるように対応します。 |
イメージバナーのコストの抑えどころ
イメージバナーでご依頼いただく際のメリットとして、コスト削減の部分でもう少しお話すると、グラフィックとWebを両方こなせるところが大きいと思います。
撮影を行うにしても、別々の会社に依頼する場合だと、工数も費用も負担がかかってきますが、イメージバナーで行う場合は、両方受け持つことができるので、撮影カット、原稿、デザイン等、うまく共有しながら展開したため、かなりお安く対応できると思います。
上記の対応はまだ一部で、その他、コストを軽減できる対応や進め方等、方法はいくらでも展開が考えられます。
業界ではあたり前のことを、できるだけ俯瞰して見つめ直し、お客さまに合わせたサポートを心がけて、ご提案できるように努めています。