周年記念の活用:顧客や社員との関係を強化するアイデア

阪神甲子園球場の100周年を記念した、こちらの周年記念に関する記事を読みました。
阪神大阪梅田駅の改札内にも掲示されているそうです。

https://www.advertimes.com/20240322/article452983/ より引用


周年記念は単なる節目ではなく、企業の個性を再確認し、顧客や社員との絆を深める絶好の機会だと言われています。

この節目を活用することで、企業は自らの成長を祝いつつ、大切な関係者とのつながりを強めることができます。


今回はこの「周年記念」に着目して掘り下げてみようと思います。



周年記念のメリット

周年記念のメリットについては、下記のようなことが言われています。

顧客との絆を深める

周年記念は、これまでの道のりを顧客に伝え、感謝の意を示す最適なタイミングです。
プロモーションやイベントを通じて感謝を表すことで、企業やブランドへの愛着心が高まります。
企業の歴史や理念を共有することで、より深い関係を築くことができます。

社員との一体感を育む

周年記念は、社員が企業の一員としての誇りを感じ、チームとしての一体感を高める機会でもあります。
企業の過去を振り返り、未来に向けてのビジョンを共有することで、組織全体のモチベーションアップが向上し、社員間の連帯感が生まれます。

企業ブランドの強化

周年記念を通じて、企業は自社のブランドを再確認し、外部に向けても積極的に発信することができます。
企業がどのように成長してきたかを共有することで、ブランドの魅力が増し、新規顧客獲得につながる可能性があります。


顧客へ向けた周年記念アイデア

顧客に向けた周年記念を活用したイベントやキャンペーンのアイデアを紹介します。

顧客を巻き込む周年記念イベントやキャンペーン

  • 記念イベントの開催
    周年記念パーティーやイベントを開催し、顧客を招待します。イベントでは、企業の歴史や成果を紹介し、顧客と直接対話の場を持つことができます。
  • 記念セールやプロモーション
    周年記念を記念して、特別なセールやプロモーションを実施します。感謝の意を示すとともに、新たな商品やサービスを紹介するチャンスにもなります。
  • 限定商品の販売
    周年記念限定の商品やサービスを提供し、特別感を提供します。

顧客の声を取り入れ、感謝を表現する方法

  • 顧客からのメッセージやストーリーの募集
    顧客からのメッセージや、企業との関わりについてのストーリーを募集し、ウェブサイトやイベントで紹介します。
    これにより、顧客との間に個々のつながりを作り出すことができます。
  • 「感謝の日」の設定
    周年記念を顧客に感謝を伝える日と位置づけ、特別な感謝のメッセージを送ることで、顧客との関係をより深めることができます。

顧客向けイベントの事例

顧客向けの周年記念イベントの事例について紹介します。

大阪中之島美術館「開館1周年記念イベント」
Instagram投稿や来場者アンケートによるプレゼントキャンペーン、お着物での来場特典、ショップ・レストラン利用者向けのオファー、デザイナーインタビュー上映、特別展示などが行われました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000107941.html より引用


・JR九州
西九州新幹線の開業1周年を記念して「GO WEST」プロジェクトのスペシャルムービーを公開しました。
このムービーでは、ファンが「かもめ」の車両を洗う「GO MARU-ARAI」、5駅でのお祭り「GO OMATSURI」、真っ赤なオリジナルTシャツを切符として販売し、Tシャツ購入者は1日限定で西九州新幹線各駅乗り放題となる「GO NORI-HODAI」などさまざまなイベントが開催されました。


・株式会社ヤマチク
熊本県で竹の箸を製造しているヤマチクは、2023年の創業60周年を記念して「ヤマチク還暦祭」を開催しました。
このイベントでは、全国から選ばれた24のものづくりブランドが集結しました。
ブランド間の新たなつながりが生まれ、地域のファンとの絆を深めるとともに、新たな顧客へのアピールもできる、相互にメリットのある記念イベントとして成功しました。

https://yamachiku.stores.jp/news/651395ca3a6cff002b1fd03e より引用


社員へ向けた周年記念アイデア

社員のモチベーションを高め、より良いチームを作るための周年記念イベントや取り組みのアイデアについて紹介します。

社員のモチベーション向上とチームワーク促進のイベント

  • 記念式典・パーティー
    周年記念の式典やパーティーを開催し、企業の節目を社員全員で祝います。社員に企業の歴史を振り返り、将来へのビジョンを共有する機会を提供します。
  • アワード授与式
    社員の業績や取り組みを表彰するアワード授与式を実施し、各部門や個人の成果を表彰し、社員一人ひとりが企業の成功に貢献していることを感じられるようにします。
  • チームビルディングアクティビティ
    チームワークを強化するためのワークショップやアウトドア活動を計画します。共通の目標に向かって協力する体験は、社員間の結束を高めるのに役立ちます。

社員が企業の歴史や成長に誇りを持てる取り組み

  • 企業の歴史の展示や発表
    会社の歴史の中での出来事や大きな節目を展示することで、社員に企業の歩んできた道を共有します。
    社員が自社の歴史に誇りを持ち、今後の成長に向けたモチベーションを高めることができます。
  • 社員インタビューの公開
    長年勤める社員のインタビューを収録し、企業文化や重要な出来事についてのエピソードを共有します。
    これは、社員が企業とのつながりを感じるのに役立ちます。

社員へ向けた周年記念の事例

・株式会社 福助
足袋、靴下などの製造販売を手掛ける福助は、2012年12月に創業130周年を迎えました。
「事務局の中のみでなく、社員全員で盛り上がることを第一の目的に」を目標とした周年企画は、周年ロゴを社内デザイナーから募集し社員で投票したり、企画のアイデアを公募し、スペシャルサイトのコンテンツに採用するなどの取り組みが行われ、義務的になりがちな周年記念を、社員も一緒に楽しめる企画にしています。

社内公募で260企画を集めた福助の130周年事業|広報会議

https://www.fukuske.co.jp/ より引用


周年記念を成功させるためのポイント

周年記念の成功は、事前の計画にかかっています。ポイントをいくつか紹介します。

  • 明確な目標の設定
    何を達成したいのかを明確にしましょう。顧客関係の強化、社員のモチベーション向上、ブランド価値の向上など、目標は企業によって異なります。
  • 徹底した準備
    イベントの企画、招待状の送付、プロモーション活動などの準備が必要です。余裕をもったスケジュールで計画しましょう。
  • 関係者の協力を得る
    社員、顧客、パートナー企業など、関係者を巻き込むことで、イベントの成功率が高まります。みんなが参加し、貢献できるような環境を作りましょう。
  • コミュニケーションの強化
    透明性を持って情報を共有し、関係者とのコミュニケーションを密にすることが重要です。
    期待や要望を理解し、適切なフィードバックを提供しましょう。
  • 振り返りとフィードバック
    イベント後は、何がうまくいったか、どこが改善点かを評価します。
    このフィードバックは、次回の周年記念や他のイベントに活かすことができます。

周年記念は会社の歴史や物語を伝え、顧客や関係者とのコミュニケーションの場を作ることができる良い機会です。
それぞれの企業やブランドの特徴に合ったアイデアが、良い周年記念の企画となると感じました。