2024年のApple Design Awardsから学ぶ広告・ウェブデザインのヒント

Appleは毎年、優れたデザインのアプリやゲームを表彰する「Apple Design Awards」を開催しています。
2024年も、多くのクリエイティブな作品が受賞しました。
今回は、これらの受賞作品から見たデザイントレンドを紹介し、広告やウェブデザイン制作に活かすためのヒントを学んでみたいと考えます。

参考サイト:Apple Design Awards 2024

https://www.apple.com/jp/newsroom/2024/06/apple-announces-winners-of-the-2024-apple-design-awards/より引用


Apple Design Awards 2024の概要

Apple Design Awards 2024では、優れたデザインを持つアプリやゲームが数多く受賞し、特にユーザー体験の向上革新性を強調していた作品が選ばれた傾向にあると思います。


選考基準には使いやすさ、美しさ、機能性等が重視されており、今年から受賞作品は次の7つのカテゴリーに分類され、「空間コンピューティング」が新しいカテゴリーとして追加されています。


7つのカテゴリー

  • 喜びと楽しさ:デザインのエンターテインメント性やユーザーを楽しませる要素
  • インクルージョン:アクセシビリティと多様性を考慮したデザイン
  • イノベーション:新しい技術や独創的なアイデアの採用
  • インタラクション:ユーザーとアプリの相互作用の質
  • ソーシャルインパクト:社会に対するポジティブな影響
  • ビジュアルとグラフィック:視覚的な美しさとグラフィックデザインの質
  • 空間コンピューティング(新設):ARやVR技術を活用したデザイン

受賞作品のデザインの特徴と共通点

Apple Design Awards 2024の受賞作品にはいくつかの共通する特徴が見られました。

特徴

ユーザー中心の設計

全ての受賞作品に共通しているのは、ユーザーエクスペリエンスの質の向上を目指している点で、直感的な操作性と使いやすさが強調されています。


シンプルさと美しさ

デザインはシンプルでありながら、美しさも兼ね備えており、過度な装飾を避け、必要な情報を効果的に伝えることが重視されています。


イノベーション

新しい技術やアイデアを取り入れた革新的なデザインが目立ち、特に、ARやVRを活用した空間コンピューティングのカテゴリーは注目されています。


共通点

受賞作品には、以下のような共通点が見られました。

アクセシビリティの考慮

全てのユーザーが利用できるように、多様な背景や能力をサポートする設計がされています。


社会的影響力

多くの作品が、社会に対するポジティブな影響を目指しており、例えば、健康促進や教育、環境保護に貢献するデザインが見られます。


具体的なデザイントレンド

Apple Design Awards 2024の受賞作品からは、以下のような最新のデザイントレンドが見られます。

ミニマリズム

多くの受賞作品がシンプルでクリーンなデザインを採用し、不要な要素を排除していますし、必要な情報にフォーカスすることで、ユーザーが直感的に操作できるようになっています。

NYT Games:New York Times Games の単語パズルと論理パズル「NYT Games」は、シンプルで魅力的なナビゲーションとクリーンなデザインが特徴です。

https://developer.apple.com/jp/design/awards/#delightより引用

https://apps.apple.com/jp/app/nyt-games-word-games-sudoku/id307569751より引用


ダークモード

多くのアプリがダークモードをサポートしており、ユーザーの視覚的負担を軽減しています。ダークモードは、特に夜間の使用時に効果的です。


マイクロインタラクション

小さなアニメーションや視覚的フィードバックが、ユーザーの操作を補助し、より直感的な体験を提供します。

Rytmos:迷路パズルを解いて音楽を作るパズルゲーム「Rytmos」は、シンプルなドラッグジェスチャーでパズルを解く際に、レベルをクリアするたびに新たな要素が加わり、ゲームの進行を視覚的にサポートします。

https://developer.apple.com/jp/design/awards/#delightより引用

https://apps.apple.com/jp/app/rytmos/id1673697954より引用


インクルーシブデザイン

多様なユーザーを考慮し、アクセシビリティを向上させるデザインが増えています。色覚異常に配慮したカラーパレットや、音声ガイドなどが例です。

Oko:「Oko」は、視覚障がいのある人に信号灯の状態を知らせるアプリで、多様なユーザーに対応するアクセシビリティを向上させています。

https://developer.apple.com/jp/design/awards/#delightより引用

https://apps.apple.com/jp/app/oko-accessible-navigation/id1583614988より引用

空間コンピューティング

ARやVRを活用した新しいインターフェースが注目されています。これにより、ユーザーは現実空間とデジタル空間を融合させた体験ができます。

djay pro – DJ App & AI Mixer:シンプルな操作性と高度な機能を兼ね備えたDJソフトウェア「djay pro – DJ App & AI Mixer」は、ARやVRを活用した新しいインターフェースを提供しています。

https://developer.apple.com/jp/design/awards/#delightより引用

https://x.gd/dOJBRより引用


自社の広告やウェブデザインに活かす方法

Apple Design Awards 2024の受賞作品から学べるデザイントレンドを、自社の広告やウェブデザインに取り入れる方法を考えてみます。

ユーザー中心のデザインを採用

直感的な操作性と使いやすさを重視します。
例えば、ユーザーの行動を分析し、最も頻繁に使用される機能を目立つ位置に配置します。

ミニマリズムを取り入れる

シンプルでクリーンなデザインにすることで、情報の伝達力を高めます。
例えば、不要な装飾や複雑な要素を排除し、重要な情報を強調します。

アクセシビリティに配慮する

多様なユーザーに対応するデザインを採用します。
例えば、色覚に違いがあるユーザー向けにカラーパレットを調整し、音声ガイドを追加します。

インクルーシブデザインを実践

全てのユーザーが利用しやすいデザインを目指し、多様な背景や能力をサポートする設計を心掛けます。
例えば、多言語対応や簡単なナビゲーションを提供します。


Apple Design Awards 2024から学べるデザインポイントは、アプリの制作はもちろんですが、自社の広告やWebデザインにも活かせると考えます。
ユーザー中心の設計、シンプルさ、美しさ、イノベーションを取り入れることで、より効果的なデザインが実現できると感じました。


参考記事
Apple、2024年Apple Design Awardsの受賞者を発表