AREAの法則とは?営業・マーケティングで成果を上げる4ステップ

ビジネスを進めるうえで、「商品やサービスの魅力をもっとわかりやすく伝えたい」「商談でのプレゼンにいまひとつ説得力が足りない気がする」と感じたことはありませんか?
たとえば商談相手やチームに向けてアイデアを発表しても、「なんとなく伝わったようで、まだしっくり来ていない…」と手応えが薄かったり、相手から納得のいく反応をもらえずに悩むこともあるかもしれません。

そんなときに役立つのが、わかりやすく、説得力のある説明を行うためのフレームワーク「AREAの法則」です。
今回は、このAREAの法則を使ってどのように情報を整理し、相手に明確に伝えるかについてまとめます。


AREAの法則とは?

AREAの法則は、以下4つのステップで構成されます。

  • Assertion(主張)
  • Reasoning(理由)
  • Evidence(証拠・具体例)
  • Assertion(再主張)

AREAの法則は、頭文字を取って「AREA」と呼ばれるフレームワークで、「E」を“Evidence”ではなく“Example”と捉える場合もあります。
最初に主張を伝え、なぜそう考えるのか理由を示し、証拠や具体例を提示してからもう一度主張を繰り返すという流れを踏むことで、話のゴールが明確になり、聞き手の思考プロセスに沿うため、誰でも理解しやすく説得力が高まると言われています。


AREAの法則が「わかりやすさ」を生む理由

AREAの法則がわかりやすい理由は、「主張→理由→証拠(具体例)→主張」という流れが、聞き手の思考プロセスに沿っているためです。

最初の「A(Assertion)」でゴールを提示する

説明の最初に「主張」があると、聞き手は最初の段階で「これは何についての説明なのか」を理解できるため、その後の説明を聞きやすくなります。
先に説明のゴールを提示すれば、聞き手が迷子にならずに済みます


「R(Reasoning)」で根拠を示す

主張の次に理由を述べる流れも、聞き手の思考プロセスに沿っています。
たとえば、上司が「新たなプロジェクトを立ち上げようと思う」と主張したとしたならば、聞き手は「なぜそのように主張するのか?」と疑問を抱きます。


「E(Evidence)」で裏付けを与える

理由の正しさを裏付ける「証拠・具体例」があってこそ、より「主張」が際立ちます。
理由を裏付ける事実やデータがあることで、聞き手は納得感を得やすくなります。


最後の「A(Assertion)」で再度主張をまとめる

長々と説明を聞いている聞き手は、「結局、なんの話だったっけ?」とテーマを見失ってしまうことがあります。
説明の最後にもう一度主張することで、改めてこの説明が何についての説明だったのかを、聞き手に再確認してもらえます。


AREAの法則を使わないとどうなる?
ありがちな失敗例

AREAの法則を用いなかったわかりにくい説明の例を紹介します。

理由や証拠・具体例がない説明

1つめは「理由」「証拠・具体例」がなく、説得力に欠ける説明です。
主張があれば「話し手の言いたいこと」は伝わります。
しかし、「理由」と「証拠・具体例」がなければ、聞き手を説得することはできません。

証拠・具体例から始めてしまう説明

2つめは、「主張」ではなく、「証拠・具体例」から始めてしまう例です。
「まずはこちらのデータをご覧ください」という言葉で始まるプレゼンテーションを聞いたことがあるのではないでしょうか。
データはあらゆる解釈が可能なため、そこから導き出される主張は1つとは限りません。
いきなりデータを示す説明では、「話し手はどんな主張がしたいのか」がわかりにくくなってしまいます。


AREAの法則を営業トークに応用する

この章では、AREAの法則を活用した営業トーク例を紹介します。

Assertion(主張)

まずは「主張」をします。
始めに主張をすることで、「この説明は何についての説明なのか」を商談相手に伝えます。
聞き手がテーマを把握しやすくなり、以降の説明にスムーズにつながります。

Reasoning(理由)

営業担当の「主張」を聞いた商談相手は、「なぜこのように主張するのだろう?」と疑問を抱きます。
そこで理由を述べることで、主張に説得力を持たせます。

Evidence・Example(証拠・具体例)

次に「理由」に対する「証拠・具体例」を述べます。
「理由」を「証拠・具体例」で論理的に支えることで、より主張の正しさが際立ちます。

Assertion(再主張)

最後に、もう一度主張をします。
再度主張することで、「これまでの説明がなんの説明だったのか」を改めて商談相手に伝えます。


AREAの法則をマーケティング戦略で
活用する方法

AREAの法則は、営業トークだけでなくマーケティング戦略全般にも活用できます。たとえば、以下のような場面が考えられます。

  • 広告クリエイティブやランディングページの構成
  • SNS投稿やブログ記事での情報発信
  • 社内プレゼン・レポート

特にSNSなど、短時間でユーザーの興味を引く必要がある媒体では、「Assertion→Reasoning→Evidence→Assertion」を意識すると、結論と根拠が明確になり、伝えたい内容を短くまとめても説得力を保てます。


小規模ビジネスこそ
AREAの法則を使うメリット

少人数・短期間で施策を考える際に便利
小規模ビジネスでは、限られた人材・予算で短いプレゼンや提案を行うことも少なくありません。
AREAの法則は余計な情報を削ぎ落とし、納得感を高めるフレームワークとして役立ちます。

社内外問わず「わかりにくい説明」を改善できる
社員研修、取引先へのプレゼン、顧客への説明など、多様なシーンで簡単に応用できます。
小さい組織ほど、一人ひとりが複数の業務を兼任することが多いため、誰にでもわかりやすいコミュニケーション手法が重宝されると考えます。


AREAの法則は、「Assertion(主張)→Reasoning(理由)→Evidence(証拠・具体例)→Assertion(再主張)」というシンプルな4ステップで説明を組み立てるフレームワークです。
営業やマーケティングの現場はもちろん、社内プレゼンや研修、日常業務のやりとりでも活用できる汎用性の高さが魅力です。

主張を明確に示し、理由や証拠で根拠を固め、最後にもう一度主張を繰り返すという基本を守ることで、わかりやすく説得力の高いプレゼンテーションや説明が可能になります。


参考記事
【AREAの法則】わかりやすく、説得力のある説明をするためのフレームワークを徹底解説