横浜ベイスターズが26年ぶりに日本シリーズを制し、大きな話題となっています。
また阪神タイガースも2023年にリーグ優勝を果たし、全国的に盛り上がりを見せました。
こうしたプロ野球の盛り上がりは、単にファンを喜ばせるだけでなく、企業にとっても大きな宣伝効果をもたらします。
今回は、企業がプロ野球球団を保有することで得られる宣伝効果や、ビジネス上のメリットについて考えてみたいと思います。
プロ野球球団保有によるブランド価値向上
まず、企業がプロ野球球団を保有する大きなメリットの一つは、ブランド価値の向上です。
プロ野球チームは、試合ごとに数万人が観戦し、メディアを通じて何百万人もの人々がその試合を視聴しています。
企業は、球団のオーナーシップを通じて自社の知名度を大幅に向上させることができます。
例えば、チーム名に企業名が含まれていれば、試合のたびに企業名が連呼され、自然とブランド認知が高まります。
さらに、ユニフォームや球場内の看板、広告として自社のロゴや商品を掲示することで、試合を見に来た観客やテレビで観戦している人々にアピールできます。
企業が球団を保有することにより、ファン層に直接アプローチすることができる点も魅力です。
熱心なファンはチームに愛着を持ち、そのチームと結びついている企業にも自然とポジティブな印象を抱きます。
このため、商品やサービスの広告に対しても好意的に受け入れられることが多いと言われています。
メディア露出と企業イメージへの影響
プロ野球のもう一つの魅力は、メディアでの露出の多さです。
野球の試合結果やニュースは、スポーツ紙やニュース番組、ウェブメディアなどで頻繁に報道されます。
このような報道によって、企業は球団を所有しているだけで、自然にメディアで取り上げられる機会が増えます。
例えば、試合に勝利すればニュースとして広く報じられ、その際に企業名も合わせて報道されることが多いです。
球団が成功すればするほど、企業のイメージも向上しやすくなります。
逆に、チームが不調だと企業イメージに影響が出ることもありますが、それでもファンとのつながりを深めていくことが重要です。
また、球団の活動や選手の活躍を通じて、企業の社会的なイメージが向上することもあります。
特に、地域社会に根ざした活動や、CSR(企業の社会的責任)としての取り組みが報道されると、企業は「地域貢献」「社会貢献」を果たしていると認識されるようになります。
企業の経営多角化と新規ビジネス展開
球団を保有することは、企業にとって単なる広告以上の効果を持っています。
それは、新しいビジネスチャンスや経営の多角化を可能にするからです。
球団を持つことで、関連する商品やサービスの展開がしやすくなります。
例えば、球団グッズの販売や試合チケットの販売などは、ファンにとって必需品となり、大きな収益源になります。
さらに、スタジアムでのイベントや飲食サービスの提供も新しい収入源となります。
インターネット企業にとっては、デジタル技術を活用したシナジー効果も期待されます。
例えば、楽天は「楽天イーグルス」を保有し、自社のサービスを活用したチケット販売やグッズ販売、オンラインストリーミングサービスを展開しています。
また、ソフトバンクは「福岡ソフトバンクホークス」を通じて、デジタル技術やITサービスを駆使したファンサービスを提供しています。
これらの事例は、球団運営が単なる広告ではなく、企業の新しいビジネスチャンスを生み出すことを示しています。
地域貢献と社会的責任
企業がプロ野球球団を保有することは、地域社会への貢献という観点からも大きな意味があります。
プロ野球球団は、その地域に密着した存在であり、試合が行われるたびに地域経済が活性化します。
スタジアムへの観客動員は、周辺の飲食店や宿泊施設にとっても大きな利益をもたらし、地域の経済効果に貢献します。
また、企業は球団を通じて社会的責任(CSR)活動を実施することができます。例えば、球団を通じて地域のスポーツ振興活動や青少年育成プログラムを実施したり、地域イベントを開催することで、社会に対する貢献度が評価されます。
これにより、企業のイメージアップとともに、地域からの信頼も得ることができます。
企業がプロ野球球団を保有することは、ブランド価値の向上やメディア露出、経営の多角化、地域貢献など、さまざまなメリットをもたらします。
プロ野球の人気は根強く、その影響力を活用したビジネス戦略は、今後も多くの企業にとって重要な位置を占め続けると思われます。
特に、IT技術やデジタルコンテンツを活用した新しい形の球団運営は、さらに広がりを見せる可能性があります。
球団が持つブランド力やファン層との強いつながりは、効果的な広告戦略を生み出すための強力な資源となります。
特に、中小企業が大企業のような広告予算を持たない場合、こうしたスポーツとのタイアップは、短期間で高いリターンを得られる手法となり得ると考えます。限られた広告予算の中でも、プロスポーツの影響力を活用することで、ターゲット層に強く訴求でき、ブランド認知度を飛躍的に高めることができると考えます。