近年、ウェブデザインで注目を集めているのが「クレイモーフィズム」です。
粘土(クレイ)のようなマットな質感と丸みを帯びた3D表現を特徴とするこのデザインスタイルは、従来のフラットデザインやニューモーフィズムに新たな要素を加え、視覚的に魅力的でユーザーの興味を引くデザインとして注目を集めているそうです。
今回は、クレイモーフィズムの特徴やメリット、作成のコツ、そして実際の事例についてまとめます。
クレイモーフィズムの特徴
クレイモーフィズムには、以下のような特徴があります。
- 立体感
ボタンやカードなどのUI要素が、三次元的な印象を与えます。
影やハイライトを巧みに使用することで、要素が浮き上がって見えるような効果を生み出します。 - 柔らかい色調
パステルカラーや落ち着いた色合いが多用され、視覚的に心地よいデザインが特徴です。
これにより、柔らかく触れやすい印象を与えます。 - 丸み
UI要素には丸みを帯びたデザインが多く使われ、柔らかい印象を強調します。
角が取れたデザインは、親しみやすさや安全性を感じさせる効果があります。 - 背景との関係
背景から独立して浮かんでいるように見えるのが特徴で、背景とUI要素の間に明確な境界線があることで、立体感がより強調されます。 - 触りたくなる質感
「もこっ」「ぷくっ」とした感覚を視覚的に表現し、ユーザーが触りたくなるような印象を与えます。
この触感の視覚化がユーザー体験の向上につながります。
クレイモーフィズムのメリット
クレイモーフィズムには、以下のようなメリットがあります。
- 視覚的魅力とユーザーエンゲージメント
クレイモーフィズムの立体感や柔らかい質感は、ユーザーの興味を引き、サイトへのエンゲージメントを高める効果があります。
視覚的に魅力的なデザインは、ユーザーがサイトを訪れた際に強い印象を与え、滞在時間の増加やコンバージョン率の向上につながる可能性があります。 - 他のデザインスタイルとの差別化
フラットデザインやニューモーフィズムと比較して、クレイモーフィズムはより立体的で触感的なデザインを提供します。
この独自性が、サイトを他と差別化するポイントとなり、ブランドの記憶性を高める効果も期待できます。 - メタバースやNFTとの親和性
メタバースやNFTの人気が高まる中で、クレイモーフィズムのデザインはこれらの新しい技術と親和性が高いと言えます。
デジタル空間での立体的な表現は、これらの分野での利用にも適しており、今後さらなる発展が期待されます。
クレイモーフィズムの作成のコツ
クレイモーフィズムを効果的に作成するためには、以下のようなコツがあります。
- 使用するツール
- CLAY.CSS: クレイモーフィズムのスタイルを簡単に適用できるCSSフレームワークです。
基本的なデザイン要素を簡単に作成できるため、初心者にもおすすめです。 - Figma: デザインツールとして、複数のエフェクトを組み合わせてクレイモーフィズム風のデザインを作成できます。
Figmaの強力なエフェクト機能を活用することで、より詳細で洗練されたデザインが可能になります。
- CLAY.CSS: クレイモーフィズムのスタイルを簡単に適用できるCSSフレームワークです。
- 実装時のポイントと注意点
- シャドウとハイライト: 立体感を出すためには、シャドウとハイライトを適切に配置することが重要です。
これにより、要素が浮かび上がって見える効果が得られます。 - 色の選択: 柔らかい色調を使用し、視覚的に心地よいデザインを目指します。
パステルカラーや落ち着いた色合いを選ぶことで、クレイモーフィズムの特徴を強調できます。 - レスポンシブデザイン: クレイモーフィズムは、デスクトップだけでなくモバイルデバイスでも美しく見えるように設計する必要があります。
レスポンシブデザインを取り入れ、全てのデバイスで一貫した体験を提供することが重要です。
- シャドウとハイライト: 立体感を出すためには、シャドウとハイライトを適切に配置することが重要です。
クレイモーフィズムを取り入れたWebサイト
実際にクレイモーフィズムを取り入れて成功しているウェブサイトの事例を紹介します。
AX Inc.
AX Inc.のウェブサイト(https://axinc.jp/)は、クレイモーフィズムを巧みに取り入れています。
ボタンやカードのデザインに立体感があり、柔らかい色調と丸みを帯びたデザインが特徴です。
背景から独立して浮かんで見える要素が多く、視覚的に魅力的なサイトになっています。
Sony Music Entertainment 新卒採用サイト
Sony Music Entertainmentの新卒採用サイト(https://saiyo.sme.co.jp/graduate/23/)も、クレイモーフィズムを採用しています。
特に、インタラクティブな要素において立体感と触感が強調されており、ユーザーが直感的に操作できるデザインが特徴です。
柔らかい色調と丸みを帯びたデザインが、訪問者に親しみやすさを提供しています。
クレイモーフィズムは、ウェブデザインに新たな可能性をもたらす魅力的なスタイルです。
その立体感や柔らかい質感は、視覚的に魅力的でユーザーエンゲージメントを高める効果があり、今後のウェブデザインにおいて重要な役割を果たすことが期待されます。
クレイモーフィズムを導入する際は、自社のブランドイメージやターゲットユーザーとの親和性を十分に考慮することが重要だと考え、上手に取り入れていきたいと感じています。
参考記事
https://t-r-a-m.jp/garage/web/claymorphism/