最近、ホームページやSNSを頑張って更新しているのに、なかなか問い合わせや購入に結びつかない…、広告費をかけているのに、成果がイマイチ見えない…。
小規模ビジネスを経営している方やディレクターとしてプロジェクトを牽引している方には、こうした悩みは意外に多いのではないでしょうか。
限られた予算やスタッフで、売上アップやリード獲得を実現するのは簡単ではありません。
そういった状況の中でまず取り組みやすく、効果を実感しやすい施策のひとつが「コールトゥアクション(CTA)の最適化」です。
CTAは、商品購入やお問い合わせ、資料請求などのアクションを促す“ボタン”や“メッセージ”のことで、うまく設計するとコンバージョン率が飛躍的に高まる可能性があります。
今回は、CTAとは何かという基本から、すぐに実践できる具体的な改善ポイントについてまとめてみます。

CTA(コール・トゥ・アクション)とは?
CTA(コール・トゥ・アクション)とは、WebサイトやLP(ランディングページ)上で訪問者に特定の行動を促すメッセージやボタン・リンクのことを指し、
「無料で試す」「資料をダウンロードする」「お問い合わせはこちら」など、ユーザーが一歩踏み出しやすい具体的なアクションを明示する役割を担っています。
Call To Actionは日本語で「行動喚起」という意味を持ち、商品購入や会員登録、資料請求、お問い合わせ、イベント申し込みなど、幅広い行動が対象です。
昨今のWebマーケティングでは、CTAの設計がコンバージョン(成果)に直結するといっても過言ではなく、売上アップや問い合わせ数の増加、人材獲得などの目標を効率的に達成するには、まずCTAの見直しと最適化に着手するのが有効だと言われています。
CTAが重要な理由
CTAが企業のWebサイトにおいて欠かせない理由は、大きく以下の3つにまとめられます。
- コンバージョンを直接的に生み出す
資料請求やお問い合わせ、商品購入など“成果”と呼ばれる行動は、CTAボタンを経由することがほとんどで、CTAを適切に設置・最適化することで、コンバージョン率が高まります。 - ユーザーが行動を起こしやすくなる
どんなに良い商品・サービスを紹介していても、具体的な行動喚起がなければユーザーは離脱してしまう可能性が高く、「このボタンを押せば自分の悩みや疑問が解決する」とわかることで、アクションのハードルが下がります。 - 訪問者との接点を増やせる
CTAは“購入”や“お問い合わせ”だけでなく、メルマガ登録やSNSフォローを促すことでも活用でき、複数のCTAを用意しておくことで、潜在顧客を段階的にファン化することも可能です。

代表的なCTAの形式:
ボタン形式とテキストリンク形式
CTAには大きく分けて2つの代表的な形式があります。
ボタン形式
「資料請求」「無料相談」「お問い合わせ」などのバナー(ボタン)を設置するタイプで、デザイン的に目立ちやすく、ユーザーが“クリックできる”と直感しやすいのが特徴で、ヘッダーのグローバルメニューやファーストビューなどへ配置すると高い効果が期待できます。
テキストリンク形式
「〇〇の詳細を見る」「リフォームの資料ダウンロードはこちら」など、テキスト自体にリンクを設定するタイプで、ボタン形式と比較すると押し付けがましさがなく、コンテンツの流れに自然に溶け込むメリットがあり、他の文章に埋没しないように文字色やフォントサイズを工夫して視認性を高めることが重要です。
ポップアップやバナーを固定表示するなど、CTAの表現方法はさまざまで、
目的やターゲット、ページのデザインにあわせて、複数のCTAを組み合わせて利用すると効果的だと言われています。
CTAを効果的にするための
10のポイント
ここからは、CTAを設置する際に押さえておきたいコツを具体的に紹介します。
クリック後に起こることを明確に示す
「こちらをクリック」ではなく、「〇〇の資料をダウンロード」「詳細を確認する」のように、クリック後に何が得られるのかを明確に示すことで、ユーザーが行動を起こしやすくなります。
CTAボタン付近にマイクロコピーを添える
CTAだけを置くよりも、その周辺に「クリックするメリット」や「不安を解消する一言」などを入れると効果が上がります。
例:「今ならオンライン相談は無料です。お気軽にご利用ください!」
訪問者のお悩み・課題を言語化する
ユーザーが抱える課題や疑問を具体的に示すことで、“自分ごと化”が促されます。
たとえば、工務店のサイトなら「雨漏りが気になる」「リフォーム費用を抑えたい」といった悩みに触れたうえで、「まずは無料でご相談ください」とCTAにつなげると効果的です。
信頼性を示す情報を盛り込む
「実績数○○件」「有資格者○名」「表彰実績」などの情報をCTA周辺に記載しておくと、根拠が明確になり安心感を与えられます。
行動を起こす言葉(動詞)を盛り込む
「無料で見積もりを依頼する」「今すぐダウンロードする」「詳細を見る」のような、ユーザーが“これから起こすアクション”をイメージできる動詞をCTAテキストに入れるとクリック率が高まります。
アクションのハードルを下げる
「お問い合わせ」より「無料相談」「お試し体験」など、ユーザーにリスクが少ない表現を使うことで、行動を起こしやすくなります。
また、「1分で登録完了」「いつでもキャンセル可」など、手軽さを強調するのも有効です。
簡単・迅速にできることをアピール
フォーム入力を最低限に抑えたり、「1分で完了」「最短30秒で申し込みOK」といった文言を訴求したりすることで、ユーザーが抱きがちな“面倒そう”という印象を払拭できます。
目立つ色やデザインで差別化する
CTAボタンはサイトのメインカラーと異なる色にして、視覚的に認識しやすくし、シャドウや立体感を加えて“ボタンらしさ”を演出するのも効果的です。
例:メインカラーが青なら、CTAボタンはオレンジや赤を使うなど。
電話番号も近くに記載する
すぐにでも相談したいユーザー向けに、CTAボタンの付近へ電話番号を表示しておくのがおすすめで、スマホの場合はタップ1つで発信できるようリンク設定すると、離脱を防ぐことができます。
A/Bテストを繰り返し、データで改善する
CTAの文言や配置、デザインなどは、実際にA/Bテストを行わなければどれがベストかはわかりません。
定期的にアクセス解析を実施し、結果を踏まえて調整と検証を繰り返します。
CTAを設置するおすすめの場所
CTAはどこに配置するかが重要で、ユーザーが行動を起こしたくなるタイミングで、すぐに見つけられる配置を心がけます。
ファーストビュー
ページを開いた瞬間に目に入る範囲(ファーストビュー)にCTAを置くと、直帰率を下げやすく早い段階で行動喚起を促せます。
ヘッダー・グローバルメニュー
全ページ共通で表示できるため、サイトのどこを閲覧していてもCTAにアクセスしやすくなり、特にPC表示では高い効果が期待できます。
サイドバーやフッターの固定バナー
ページをスクロールしてもCTAが常に表示されるように固定バナーを設置するのも有効で、スマートフォンの場合は画面下部に固定表示しておくと、離脱率を抑えられます。
ページの下部(メインコンテンツ直下)
記事や商品説明を読み終わった後、そのまま行動につなげられる配置です。
読んで納得したタイミングでクリックしてもらいやすくなります。
関連する文章の直下
文章の中でユーザーの関心が高まった箇所があれば、その直下にCTAを配置します。
たとえばリフォームのメリットを説明している段落の直下に「リフォームお役立ち資料ダウンロード」のCTAを設置するなど、文脈に合わせて挿入すると自然です。

CTAは、オンラインビジネスにおける成果(コンバージョン)を左右する非常に重要な要素で、どんなに良いコンテンツや商品を用意していても、ユーザーに「行動を起こすきっかけ」を与えなければ、思うように成果が出ない場合があります。
CTAの最適化はサイト全体のリニューアルと比べて、少ない労力やコストで実施しやすい施策であり、その割にクリック率や問い合わせ数の改善など目に見える成果につながりやすいため、まずはCTAから着手してみるのが効果的だと考えています。
もし、「どのような文言やデザインが最適か悩んでいる」「サイト全体の構成から見直したいがリソースが不足している」などのお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
参考記事
・https://ds-b.jp/dsmagazine/what-is-cta/