自社の商品やサービスをアピールするとき、最も強力な武器になるのが「お客様の声」です。
実際に利用した方のリアルな意見は、読む人の信頼感を高め、購買意欲や問い合わせへの最後の一押しになります。
友人に「ここのピザ、おいしかったよ」と言われると行ってみたくなるように、第三者の体験談は想像以上に大きな影響力を持ちます。
しかし、ただ「お客様の声」を並べるだけでは魅力が十分に伝わらない場合もあり、今回は、お客様の声を自社のWebサイトに掲載するメリットや注意点、そして効果を上げるためのデザインや配置について、まとめてみたいと思います。
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「お客様の声」の力
まずは、「お客様の声」がどんな力を持っているのかを振り返ってみます。
企業側からのアピールはどれだけ言葉を尽くしても、受け手からすると「本当かな?」と疑いが残ってしまいがちですが、既に体験した人の“リアルな声”があると説得力が増し、「私も同じ結果が得られるかもしれない」と思ってもらいやすくなります。
特に個人起業家やフリーランスの方など、まだブランド認知度が高くない場合こそ、お客様の声がいわば“実績の証明”になり、信頼度の底上げに繋がると考えます。
そもそも「お客様の声」って何?
お客様の声とは、実際に商品やサービスを利用した人が感じたリアルな感想のことで、具体的には、購入前に抱えていた悩みや不安、利用してからの変化や成果などが含まれます。
これがあるだけで、新たに検討中のお客様が「自分も同じようなメリットを得られそう」と想像しやすくなります。
- 信頼の獲得
どんなに優れた商品でも、実際のユーザーの感想に勝る説得材料はありません。 - イメージの具体化
「具体的な数字」や「ビフォーアフター」を交えると、より分かりやすくなります。 - 専門性の証明
特に講師やコンサルタントなどの場合、満足度の高い声を集めることで、自身の専門度や教育力を証明できます。
お客様の声を掲載するメリットと注意点
お客様の声をサイトに掲載するメリットは大きいですが、注意点を守らないと逆効果になる可能性もあります。
ここではメリットと注意点をまとめます。
メリット
- 信憑性・信用信頼度の向上
実際に使った人の率直な感想は、企業側の宣伝よりも信頼感を与えます。 - 購買意欲・問い合わせの後押し
成功事例や成果を読んで、「自分も同じように変われそう」と思いやすくなります。 - 競合との差別化
特徴が似ている商品でも、お客様のリアルな体験談があれば他社と差別化できます。 - SEO効果の向上
充実したお客様の声は、コンテンツとしても評価されやすく、検索エンジンからの流入増が期待できます。
注意点
- 必ず掲載許可を取る
プライバシー保護や法的リスクを避けるためにも、本人の同意が必要です。 - “リアルな言葉”を大切に
企業側の都合で書き換えたり“自作”したりすると、信頼を失うことに繋がります。 - 具体性を出す
数字や期間、ビフォーアフターなどを盛り込むとより説得力が増します。 - 古い声や匿名だらけはNG
更新が止まったままだと「今も同じ品質か?」と疑われ、完全匿名ばかりだと実在を疑われる可能性があります。
ダメなお客様の声VS良いお客様の声
お客様の声の中でも、読み手から「本当かな?」と思われるものと「なるほど、信頼できそう!」と思ってもらえるものがあります。
ダメな声の例
- 曖昧で内容が見えない
「とても良かったです」「最高でした!」だけ。 - 完璧すぎて作為感が強い
「人生が180度変わりました!」と過度な絶賛ばかり。 - 古すぎる時期
「3年前に買ったときは良かったのですが…」と現在の品質が不明。 - 匿名性が高すぎる
A.Kさん(30代)」など実在を疑われやすい表記ばかり。
良い声の例
- 具体的な数字や変化がある
「導入後1か月で問い合わせが2倍に」「3週間で-3kgを達成」。 - ビフォーアフターがはっきりしている
「〇〇に悩んでいたが、このサービスで△△になった」。 - ある程度の属性や背景がわかる
「東京都在住・30代 主婦 T様」「IT企業勤務・40代男性 H様」。 - リアルな言葉を大切にしている
企業側が脚色しすぎないため、読んでいて“嘘っぽさ”を感じにくい。
お客様の声の書き方のコツ
効果的なお客様の声を集めるには、インタビューの仕方やまとめ方に工夫が必要です。
- ビフォーアフターを明確に
利用前の悩み・導入後の変化を対比させると説得力アップ。 - ヒーローズジャーニーの構造
悩み→転機→苦労→克服→成果の流れを意識すると読み応えが出ます。 - リアルな声をできるだけそのまま
語尾や言い回しを整えすぎると宣伝色が強くなります。 - 数字や期間を入れる
「3ヶ月で-5kg」「1週間で10件増えた」など、数値があると一気に信頼度が上がります。
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Webデザインでの見せ方のポイント
せっかくの良い声も、デザインや配置が悪いと読んでもらえません。ここでは効果を高めるためのコツをご紹介します。
レイアウトをシンプルに
- 見出しやボックス、段落を分かりやすく配置して、読み手がストレスなく情報を追えるようにします。
- 声の文章量が多い場合は、折りたたみ(アコーディオン)なども検討し、読みやすさを優先します。
写真やアイコンで視覚的効果UP
- お客様本人の写真(許可必須)があれば、説得力は段違い上がります。
- 星評価などのビジュアル要素を加えるのも効果的です。
強調表示・カラーの使い方に注意
- 重要な数字やキーワードは太字や色変更で目立たせると印象に残ります。
- 過度に使いすぎると逆効果になるので、強調箇所は絞って設定します。
ネガティブな声への対応
- ネガティブなフィードバックやクレームも、素早い対応と改善策の公開で企業努力をアピールできます。
- 問題解決の経緯をオープンにすることで、むしろ信頼度が高まるケースもあります。
お客様の声は「Voice of Customer (VOC)」とも言われ、ビジネスを支える強力な武器です。
「集める集客」から「集まる集客」へと転換を図ることで、自社のWebサイトやランディングページが高い信頼性を持った“成果が出る”ツールへと育っていくと考えます。
参考記事
https://www.active-note.jp/nagase-hint/voce/