最近よく耳にする「D2C」という言葉、これは「Direct-to-Consumer」の略で、企業や個人が、店舗や流通業者、代理店を通さずに、商品やサービスを直接お客様の手元に届けるビジネスモデルのことです。
この方法により、売る過程がスムーズになり、お客様との直接的なつながりを作れます。 このモデルのメリットは、商品を作る側が、お客様の好みやニーズを直接知ることができる点です。さらにマーケティングや販売の計画を自分たちの手で行えるので、柔軟なに対応が可能になります。
インターネットショッピング普及の影響もあって、D2Cは注目を集めており、新しい会社や既存のブランドでも取り入れられています。
今回は大手食品メーカーのカルビー株式会社が始めた「OMA MESI」を取り上げ、D2Cがどのような仕組みか、そしてカルビーがどのようにこの新しいビジネスモデルに取り組んでいるのかを見ていきます。また、新しい事業を始める時のポイントについても考えてみます。
「OMA MESI」の事業背景とコンセプト
「OMA MESI」は、ユーザー一人ひとりの食生活に最適化された、常温レトルト食品を届けるサービスです。2030年の長期ビジョンの一環として立ち上げられたこのプロジェクトは、特に一人暮らしの方の栄養バランスに焦点を当て、個別化された食事提供を目指しています。
小規模チームでの迅速なプロジェクト運営
「OMA MESI」プロジェクトは、小さなチームで効率的に運営されています。この手法を採用することで、大企業によく見られる時間がかかる意思決定のプロセスを回避でき、より柔軟かつスピーディーな決断を実現しています。
ユーザー中心のプロダクト開発
「OMA MESI」は、お客様一人ひとりの声に耳を傾けることで、それぞれの方に最適な食事を提案するサービスです。この方法は、お客様の具体的な要望を深く理解し、そのニーズに合わせたサービスを作り上げることが重要だという認識から生まれています。
ブランドイメージを反映したD2Cサイトの開発
「OMA MESI」のウェブサイトは、カルビーのブランドイメージを反映するように特別にデザインされました。食品を扱うサービスですから、美味しそうに見えるビジュアルが重要であり、フードコーディネーターの参加や細部にわたる配色の工夫がなされています。
ユーザー体験の重視とPDCAサイクルの適用
「PDCAサイクル」は、計画(Plan)、実行(Do)、チェック(Check)、行動(Act)の4つのステップから成り立つ、継続的な改善プロセスです
開発チームは、ユーザー体験を中心に構築されたサイトをリリースし、その後も定期的に分析を行い、必要に応じて改善を加えました。このPDCAアプローチは、デジタルサービスが常に進化し続ける必要があることを示していると思います。
D2C事業成功のポイント
「OMA MESI」から学ぶことができるD2C成功のポイントを挙げてみます。
- 小規模チームでの迅速なプロジェクト運営
- ユーザー中心のプロダクト開発
- ブランドイメージを反映したD2Cサイトの開発
- リリース後の継続的なサービス改善
これらはどんな規模の企業であっても、役立つ視点だと思います。
事業成功へ役立つ視点
ユーザーのニーズをしっかり理解し、それに合った製品を開発し、柔軟なプロジェクト管理を行い、ブランドのイメージをデジタルで表現することは、今後のビジネスにおいてますます重要になると考えています。
今回はカルビー株式会社の「OMA MESI」事業の例から、新規事業立ち上げのポイントについて考えてみました。