最近「デザインスプリント」という言葉をよく耳にします。
デザインスプリントとは、わずか5日間で新しいアイデアを具現化し、ユーザーのフィードバックを確認するための手法だそうで、特にスタートアップ企業やテクノロジー業界から注目を集めています。
今回はこの「デザインスプリント」という手法について学びたいと思います。
デザインスプリントとは?
デザインスプリントは、わずか5日間で新しいアイデアを形にし、ユーザーの反応を確かめる方法です。
2015年にGoogleのベンチャーキャピタル部門である当時のGoogle Ventures(今はGV)が生み出しました。
デザインスプリントでは、デザイン思考やアジャイル開発、ハッカーウェイなど、さまざまな考え方を取り入れています。
そして、短期間でユーザーの生の声を聞くことを大切にしています。
※デザイン思考とは・・・ユーザーのニーズを深く理解し、その問題を解決するための創造的なプロセス。アイデアの発散と収束を繰り返しながら、プロトタイプを作成し、ユーザーのフィードバックを基に改良する。
※アジャイル開発・・・アジャイル開発は、短い開発サイクルで進行し、顧客のフィードバックを取り入れながら柔軟に対応するソフトウェア開発手法。迅速な市場投入と高品質な製品の提供が可能になる。
※ハッカーウェイとは・・・Facebookの開発文化から生まれた概念で、素早く試作し、失敗を恐れずに進化を続ける姿勢を意味する。試行錯誤を繰り返すことで迅速なイノベーションを促進する。
デザイン思考との違い
デザインスプリントは、デザイン思考の考え方を取り入れています。
デザイン思考では、ユーザーの気持ちに寄り添いながらアイデアを積み重ねていきます。
一方、デザインスプリントは、デザイン思考の流れを5日間に凝縮しているのが特徴で、アイデアをすぐに形にして、ユーザーの反応を素早く知ることを重視しています。
デザインスプリントのメリットは?
デザインスプリントには、次のようないくつかの魅力があります。
- 短期間でアイデアの良し悪しがわかる
- お金や時間を節約できる
- 競争に勝つための武器になる
スピード感が魅力のこの手法は、今ではSpotifyやFacebook、LEGOなどでも取り入れられています。
デザインスプリントのデメリットは?
一方で、デザインスプリントにはデメリットもあります。
- スプリントに集中するため、他の業務が滞る可能性がある
- 全員が集まって作業することが難しいと、効果が半減する
- 長期的な視点や改善の必要性を見落としてしまうこともある
スプリントを始める前には、何を解決するのかの問題を明確に設定することが大切だと言われています。
5日間で何をするの?
デザインスプリントでは、5日間のそれぞれに決まった作業を行います。
- 1日目は「理解」。みんなで課題を共有し、必要な情報を集めます。
- 2日目は「アイデア出し」。アイデアを出し合い、具体的な案を描きます。
- 3日目は「決定」。出たアイデアの中から、最も有望なものを選びます。
- 4日目は「プロトタイプ作成」。選んだアイデアを形にします。
- 5日目は「テスト」。ユーザーに試してもらい、感想を聞きます。
デザインスプリントを成功させるコツは?
デザインスプリントを成功させるコツについて、下記のことが言われています。
- 完璧を目指さず、仮説検証に集中する
- 5日間のスケジュールは絶対に守る
- すべての課題に適用できるわけではないことを理解する
- スプリント後もアイデアを具現化する体制を整える
- 失敗から学び、改善を続ける
特に重要なのは、プロセスを省略せずにきちんと進めることだそうで、
時間がないからと手順を飛ばすと、かえって非効率になってしまうとも言われています。
デザインスプリントの事例
デザインスプリントの事例や、過程を紹介されているサイトがいくつかありましたのでご紹介します。
「デザインスプリント」のプロセス全公開! 今までにない不動産×ITの新サービスを企画した5日間|ウルカモ|中古不動産のソーシャルマーケット
【事例付き】デザインスプリントとは?アジャイル開発会社が行う実際のやり方や手法・メリット|株式会社Enlyt
となりのデザインスプリント〜あの新規事業はこうして生まれた〜|エンジニアのための情報共有コミュニティZenn
デザインスプリントは、わずか5日間でアイデアを具体化し、ユーザーの声を聞くための画期的な方法です。
ビジネスの競争力を高める一方で、適切な場面で活用することが重要だと感じられます。
参考記事
https://www.intra-mart.jp/im-press/useful/design_sprint
https://data.wingarc.com/design-sprint-42031