スマートフォンのアプリ画面

アプリから紐解くデザインの時流

スマートフォンのアプリ画面

OSがプラットフォームとして機能しているため、アプリについて支配力が大きく伴ってくるのですが、そのアプリの中にアプリを展開する「スーパーアプリ」が脅威になってきているようです。

日本ではLINEが2020年7月から拡充をしてきており、企業等からの開設を募集している状況ですが、アプリの存在感が一層強まってきている中、ここ数年でアプリのテイストを組み込んだ表現が、グラフィックやWebサイトのデザインに活かされてきているようです。


スーパーアプリとは?

普段の生活の中でよく利用するサービス(例えばショッピングや飲食店や、店舗等の予約等)を、アプリの中だけで展開して、ひとまとめに提供できる機能を持ち合わせているアプリです。

スーパーアプリと言われる中では、さらに「ミニアプリ」を設けることができ、ユーザーの情報等がアプリを提供している会社に集約されて、OSを経由せずに囲い込みができる仕組みになっています。


アプリがデザインのトレンドに移り変わる理由

通常、アプリからの売上30%は手数料が発生しますが、このミニアプリは基本的に無料で展開でき、ユーザーの情報や分析がしやすく、さらに収益をもたらせやすくなっているため、GoogleやAppleが警戒を強めてはいますが、今後新しいアプリの形態として展開されていくことが予想されます。

プラットフォームとなる親アプリと、その配下に置かれる子アプリの関係は、グラフィックの分野でも、Webサイトの分野でも、置き換えて考えられ、今後のトレンドとして発展していくことも予想されます。


全体のデザインバランスを考える

アプリのデザインバランス

親となるメインのデザインから派生して、展開されるため、グラフィック面やUI(ユーザーインタフェース)の部分で共通認識を伴わせながら、独自の世界観も訴求をおこなう形となるため、デザインとUIの表現バランスがカギになります。

このバランスが変わると、イメージが共有されないため、ユーザーに戸惑いが生じて、結果的に集客につながらなくなるおそれがあります。

WebサイトのUIになると、見た目のデザインだけではなく、リンク等の遷移するページや構成も統一感がありながら、それぞれの役割を考えて展開しなければなりません。


重要なデザインの統一感

例えば、LINEは基本メッセージのやりとりですが、その他多くの機能やサービスが展開されています。

他のサービスを見ると、キーカラーのグリーンを使いつつ、極力シンプルにまとめており、どこのサービスページを見てもLINEらしさが残る構成になっています。

Facebookも同様で、親サイト、親アプリに入った段階で、子サイト、子アプリへ世界観をブレさせずに、またそこからつなぎ止められるように、全体の構成からデザインまで考えておく必要があります。


共有するためのデザイン

作成しているうちにどうしても、世界観がブレてきやすいのですが、普段からグラフィックやWebサイトの展開にはルール付けを設けて、常にバージョンアップしておくことが必要になります。

いつなにがあっても(担当者等が変わっても)、ルールや表現等を共有事項をアプリのように管理しておくことで、デザインやUIが安定した形で、展開が可能になると思います。


アプリから派生するデザインの転換期

普段の生活の中で、利用している時間が大幅に増えている、あらゆるアプリのデザインやUIは、グラフィックやWebからアプリへのデザインの流れでは無くなりつつあり、アプリのデザイン感からグラフィックデザインやWebサイトデザインに落とし込んで行く流れに変わってきつつあります。

アプリのデザイン主体で考えることに比重を置きながら考えていく必要があるものについては、主体となるデザインと、展開されるデザインのアプリデザインの世界観との親和性が求められる時代にもなっています。

過去のデザイン制作のセオリーだけでは無くなってきているデザインの制作環境は、アプリデザインのテイストをいかに活かして共存できるかを考え、展開できるのかが、今後のデザインプロセスに影響を及ぼしていくことになると考えています。