デザインで社会課題を可視化: 中小企業の社会貢献活動

歴史のある広告デザインの国際賞「第103回 NY ADC賞」において、
環境配慮型ヘルメット「HOTAMET / ホタメット」がプロダクトデザイン部門で最高賞となる「THE BEST OF DISCIPLINE」および2つの部門での金賞を含め、5つの賞を受賞しました。


このヘルメットは、廃棄されたホタテ貝殻を99%以上使用し、石油由来の原料を一切使用していないため環境に優しく、洗練されたデザインも評価されています。
このことからも、環境問題への関心は高く、注目されているかがわかります。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000149.000034082.htmlより引用


近年、社会課題の解決に向けた取り組みが一層求められていますが、これらの課題は複雑で、多くの人々にとってすぐには理解しづらいという側面があると思います。
デザインは単に美しいビジュアルを作り出すだけでなく、情報を効果的に伝え、社会課題をわかりやすく可視化するツールであり、デザインの力をうまく活用することで、社会課題の解決に向けた取り組みが行いやすくなり、また周囲にも伝わりやすくなると考えます。


今回は、デザインの力で社会課題を可視化し、社会貢献活動を成功させるポイントについて考えてみたいと思います。


デザインの力で社会課題を可視化するメリット

デザインの力を活用して社会課題を可視化することは、企業にとっても多くのメリットをもたらします。

  • ブランドイメージの強化と信頼獲得
    環境問題への取り組みを視覚的にアピールすることで、エコ意識の高い消費者層に訴求でき、また持続可能性を重視したデザインは、市場での差別化を図るための武器となり、社会的意義のある取り組みを示すことで、競争優位性を保つことができます。
  • 従業員のモチベーション向上と生産性向上
    社会貢献する取り組みは、従業員のモチベーション向上につながり、企業全体の生産性を高める効果も期待できます。
  • 新たなビジネスチャンスの創出
    デザインを通じて社会課題を可視化することで、新しいビジネスチャンスも生まれると考えられ、社会的課題への意識が高まる中で、これらの課題に取り組むことは、新しい市場や顧客層を開拓する機会ともなります。
  • デザインの力と社会課題
    デザインは、多くの情報を視覚的に伝える強力な手段であり、特に社会課題を可視化する際にその重要性が際立ちます。
    デザインの力を利用することで、複雑な問題をシンプルかつ効果的に伝えることができます。

デザインで社会課題を可視化する方法

  1. インフォグラフィック
    データや統計情報を視覚的に表現することで理解しやすくなり、環境問題や社会的不平等の現状を示す際に特に有効です。
    例えば、二酸化炭素排出量やリサイクル率のデータをインフォグラフィックとして提示することで、視覚的にインパクトを与え、問題の深刻さを直感的に理解させることができます。
  2. ビジュアルストーリーテリング
    物語の力を借りて感情に訴えるアプローチで、具体的な人々のストーリーや経験をビジュアル化することで、問題への共感を呼び起こします。
    例えば、プラスチックごみの問題を描いた短編アニメーションやドキュメンタリーは、視聴者に強い印象を与え、行動を促すきっかけとなります。
  3. エクスペリエンスデザイン
    ユーザーが体験を通じて問題を理解する手法で、インタラクティブなウェブサイトや展示会での体験型アートがこれに該当します。
    例えば、バーチャルリアリティ(VR)を使用して、気候変動の影響を体験させるプロジェクトは、ユーザーに強いインパクトを与え、問題への関心を高めます。


中小企業の取り組みの実践例

地域社会の支援

地元の環境保護活動を支援するためのデザインプロジェクトを実施します。
例えば、地域の清掃活動を支援するために、デザインされたポスターやフライヤーを配布し、住民の参加を促すことが可能になります。


教育プロジェクト

教育格差を解消するために、視覚的に魅力的な教育素材を作成します。
例えば、子供向けの教育アプリをデザインし、楽しく学べるコンテンツを提供することができます。


持続可能な製品デザイン

環境に配慮した製品をデザインし、持続可能なビジネスプラクティスを推進します。
例えば、再生可能素材を使用したパッケージデザインを導入することが考えられます。


今回は、デザインの力で社会課題を可視化し、社会貢献活動を成功させるポイントについて考えてみました。
中小企業がデザインの力を活用することで、社会貢献活動の成果をより効果的に伝えると同時に、企業のブランド価値も高めることが出来ると思うので、積極的な導入も考えていきたいところです。