マーケティング戦略の一環として、クーポンの活用が広く行われています。
ついつい、クーポンが使えるからという理由で、商品を購入してしまうことも多いのではないでしょうか（私も先日、クーポン割引に釣られて枕を買ってしまいました・・・・。）
クーポンは、顧客の購買意欲を高め、リピート利用を促進する強力なツールですが、マーケティングに活用するには正しい知識と戦略が必要不可欠だと考えます。
今回は、マーケティングの視点で、クーポンの効果的な活用法について考えてみます。
クーポンの基本知識
クーポンの定義と歴史
クーポンとは、購入時に割引や特典を提供するためのチケットやコードを指します。
歴史的には、19世紀後半にコカ・コーラが初めてクーポンを使用し、無料で製品を試してもらうことで顧客を獲得しました。
これが現在のクーポンの原型だと言われてるそうです（諸説あります）。
紙のクーポンと電子クーポンの違い
紙のクーポンは、印刷物として配布されるものであり、チラシや雑誌に掲載されることが多いです。
これに対し、電子クーポンはデジタル技術の進化により、スマートフォンやタブレットで表示され、利用者は画面を見せたり、クーポンコードを入力するだけで利用できるものを指します。
スマートフォンやネット販売が普及した現代では、電子クーポンに利用が主流ですが、高齢の方やリアルな店舗ではまだ神のクーポンが活躍している場面がありそうです。
クーポンの種類と活用法
割引クーポン
割引クーポンは、購入時に特定の金額やパーセンテージを割引するものです。
「5,000円以上の購入で10％OFF」や「100円引き」といった、顧客にとって分かりやすい特典を提供します。
お試しクーポン
新規顧客をターゲットにしたお試しクーポンは、初回利用時の価格を下げたり、無料サンプルを提供するものです。
例えば、初めての来店で1,000円引きや、無料体験クーポンなどがあります。
グレードアップクーポン
利用回数や購入金額に応じて特典がグレードアップするクーポンです。
例えば、「3回目の来店で20％OFF」や「会員ランクアップで特別クーポン」などがあります。
会員限定クーポン
会員登録を促進するためのクーポンです。
例えば、「会員登録で500円引き」や「誕生日クーポン」などの特別感を演出することで顧客ロイヤリティを高めます。
選べるクーポン
顧客が特典を選べるクーポンです。
「お好きなデザート無料」や「トッピング無料」など、顧客のニーズに合わせた特典を提供します。
クーポン活用のメリット
新規顧客の獲得
クーポンは新規顧客の獲得に効果的と考えられ、特に初回限定の割引や特典は、顧客が新しい店舗を試すハードルを下げるため有効です。
リピーターの増加
次回利用できるクーポンを配布することでリピーターの増加を促します。
飲食店では「次回使えるドリンク無料券」などが有効です。
購入単価のアップ
「5,000円以上の購入で10％OFF」などのクーポンは、顧客に追加購入を促す効果があり、結果として購入単価がアップすると言われています。
顧客データの収集と分析
電子クーポンを利用することで顧客の属性や行動履歴を収集し、分析することが可能です。
これにより、さらに効果的なクーポン戦略を立てることができます。
クーポン活用のデメリットと注意点
特典目当ての顧客
クーポンを利用するだけの顧客はリピーターになる可能性が低いです。
そのため、クーポンの利用条件や特典内容を工夫することが重要です。
顧客離れのリスク
新規顧客ばかりに焦点を当てると、既存のリピーターが離れるリスクがあります。
バランスの取れたクーポン戦略が求められます。
店舗業務の増加
クーポンの発行や管理、利用時の対応などで業務が増加します。
特に紙のクーポンの場合、管理コストが高くなります。
効果的なクーポン運用
ターゲットと目的の明確化
クーポンを発行する前に、ターゲットと目的を明確にすることが重要です。
新規顧客をターゲットにするのか、リピーターを増やすのか、目的に応じてクーポン内容を決定します。
クーポン内容のターゲット別設定
対象者を全員にするかターゲット別に設定するかを考えます。
新規顧客には試しやすい価格や特典、リピーターには次回利用時の特典など、ターゲットに合わせたクーポンを設定します。
ABテストの実施
ABテストを行い、どのクーポンが最も効果的かを比較検証します。
例えば、「100円OFF」と「10％OFF」のどちらが効果的かをテストします。
効果検証と改善
クーポン発行後は、効果を検証し、必要に応じて改善を行います。
利益率、客単価、来店数などのデータを分析し、次回のクーポン発行に活かします。
効果的なクーポン使用の事例
ファッション業界（例：ユニクロ）
ユニクロは、新規会員登録で5,000円以上の買い物時に500円引きクーポンを提供しています。
また、平日に日時限定クーポンを発行することで、週末以外の集客も図っています。
https://faq.uniqlo.com/articles/FAQ/100005198より引用
食品業界（例：BASE FOOD）
BASE FOODは、初回限定割引クーポンを発行し、新規顧客を獲得しています。
また、LINE公式アカウント登録によるクーポン発行や、継続コース契約時の割引クーポンなど、多様なクーポン戦略を展開しています。
ホテル業界（例：アパホテル）
アパホテルは、公式アプリで不定期にクーポンを配信しています。
「アパグループ創業50周年キャンペーン」では、クーポンを使って2泊目が1,000円になるキャンペーンを実施し、大好評を得ました。
https://www.apahotel.com/coupon/より引用
サブスクリプションサービス（例：Netflix）
Netflixは、光回線やプロバイダ企業と提携し、「最大1年分無料」「特別価格」などのキャンペーンコードやクーポンを提供しています。
https://www.au.com/entertainment/netflix/より引用
クーポンは、新規顧客の獲得、リピーターの増加、購入単価のアップなど、あらゆる効果が期待できるマーケティングツールです。
電子クーポンの活用で顧客データの分析も可能となり、さらに効果的な戦略を立てることができます。
ブランドイメージを損なわないよう注意しながら、クーポンを活用して集客や売上を最大化していくことが大切だと感じました。
参考記事
https://3inc.jp/3incwp/blog/coupon/