エモ消費とは?感情に訴える消費行動を解説

エモ消費という言葉をご存知ですか?
エモ消費とは、商品の機能や価格だけでなく、それを購入・体験することで得られる感情的な満足感や共感を重視する消費行動のことです。
従来の「モノ消費」が商品そのものに価値を置き、「コト消費」が体験を重視してきたのに対し、エモ消費は感情や心のつながりを主な購買動機とする点が特徴的です。
SNSの普及やZ世代の台頭により、この感情に訴える消費スタイルは、近年大きな注目を集めているのだそうです。

今回は「エモ消費」について学んでみたいと思います。


エモ消費とは?

エモ消費とは、商品やサービスを購入・利用する際に、単なる機能や価格以上に、感情的な満足感や共感を重視する消費行動のことです。

エモ消費は、商品の背景にあるストーリーや価値観に共感することが、消費者にとっての重要な要素となっています。
たとえば、社会的な意義を持つ商品や、ブランドが発信する感動的な物語に触れることで、消費者はその商品に「感情的価値」を見出し、購入に至るのだと言われています。


Z世代におけるエモ消費の特徴

Z世代の消費行動に見る「感情的共鳴」

Z世代(1990年代後半から2000年代初頭に生まれた世代)は、情報技術とともに育ち、SNSなどで他者と感情的に共鳴しながら消費行動を取る傾向が強いと言われています。
彼らにとって消費は単なる物を得る手段ではなく、感情や共感を軸にした自己表現の一部でもあるのだそうです。

Z世代は、商品の購入を通じて得られる「感情的体験」に重きを置きます。
たとえば、シェアすることが目的となるような美しいパッケージや、参加することで仲間意識を感じられる音楽フェスなど、その感情的なつながりが消費行動を支える重要な要因となっているそうです。


自己表現とエモ消費の関係

Z世代は、SNSを通じて自分の価値観やアイデンティティを発信し、自己表現をする機会が多い世代です。
エモ消費は、そうした自己表現を支える手段としても機能します。
商品やサービスを購入することは、自分の価値観や感情を他者に示す一種の表現方法であり、その際には「どのような感情を共有できるか」が重要視されるのだそうです。

たとえば、「推し」の誕生日を祝うためのグッズ購入や飾り付けをSNSで公開し、その行動を通じて同じ趣味を持つ仲間たちと共感し合う行動が典型的なエモ消費の例です。


ストーリーや価値観への共感が購買に与える影響

Z世代は、商品そのものよりも、その商品やブランドが持つストーリーや価値観に強く共感することで購買意欲が喚起されます。
環境問題や社会貢献に対する意識が高いこの世代は、企業が持つ「倫理観」や「社会的意義」を重視し、それに共感することで購入を決めることが多いのだそうです。

そのため、企業やブランドは単に商品を宣伝するだけでなく、感情を揺さぶる物語やビジョンを明確にし、それをマーケティングに組み込むことが必要となります。
こうした共感を生むストーリーテリングが、Z世代を引き付ける大きな要因となると言われています。


エモ消費を狙った
商品やキャンペーンの具体例

クラウドファンディングやふるさと納税

クラウドファンディングやふるさと納税は、消費者が社会貢献や地域支援を実感しながら参加できるエモ消費の典型例です。
これらは、購入そのものよりも「誰かや何かを支援する」という行動に対して感情的な満足感を得られる仕組みが特徴です。
たとえば、特定のプロジェクトを支援し、その進捗を追うことで消費者はプロジェクトに感情的なつながりを感じます。


推しの誕生日祝い

アイドルやアニメキャラクターの誕生日を祝うために、ファンが手の込んだ飾り付けやグッズを用意し、その模様をSNSで共有する行為も、エモ消費の一例です。
例えば3COINSの「ヲタ活応援コーナー」では、こうしたファンの行動に着目し、手頃な価格で応援グッズを提供することで、若年層のエモ消費をサポートしています。


フィルムカメラ

デジタル時代にあえて手間のかかるフィルムカメラを使うという選択もエモ消費の一つです。
スマートフォンのカメラで簡単に写真が撮れる時代に、フィルムカメラを選ぶ理由は、その独特な写真の質感や手作業の体験にあります。
ノスタルジーを感じながら、時間と手間をかけて出来上がる一枚の写真に対して、消費者は深い感情的な満足感を得るのだそうです。


音楽フェス

若者が音楽フェスに参加するのは、音楽そのものだけでなく、フェスという体験が生む感情的なつながりやコミュニティ感が目的です。
そこで感じる一体感や幸福感を求めて、多くの人々が足を運びます。
こうした感情体験を提供することで、フェスは一時的な消費以上に、心に残るエモ消費の場となっているのだそうです。


顧客の体験談をフィーチャーしたキャンペーン

実際の顧客の体験談をフィーチャーしたキャンペーンも、エモ消費を促進する強力な手段です。
例えば、化粧品ブランドが顧客のリアルな肌の変化を体験談として紹介することで、他の消費者も「自分もこうなりたい」と共感し、購入意欲を高めます。
こうしたキャンペーンは、単なる商品の広告ではなく、感情的なストーリーを共有することでエモ消費を引き起こすと言われています。


エモ消費を活用した
マーケティングのポイント

  • 感情的価値にフォーカスしたコンテンツ戦略

エモ消費を促進するためには、消費者の感情に響くコンテンツ作りが重要です。
マーケティングでは、商品の機能や価格ではなく、消費者がその商品を使用した際に感じる感情を前面に押し出す戦略が効果的です。
ビジュアルやストーリーテリングを使って、商品の使用後にどのような感情体験が得られるかを描くことで、共感を生み出すことが大切です。


  • SNSを活用して感情に訴える方法

SNSは、エモ消費を拡大する強力なツールです。
ユーザーは自らの感情体験をシェアし、それが他のユーザーの共感を呼び、広がっていきます。
企業はSNSを活用して、感情を刺激するコンテンツやキャンペーンを展開することで、より多くの消費者の心をつかむことができます。
例えば、視覚的に魅力的なコンテンツやユーザーの感情を揺さぶるストーリーをシェアすることで、自然と消費行動につなげることができると言われています。


  • エモ消費を加速するストーリーテリングの技術

ストーリーテリングは、エモ消費を加速させるための強力な技術です。
商品やブランドの背景にある物語を伝えることで、消費者に感情的なつながりを提供します。
特に、若者に対しては、単なる商品説明ではなく、その商品がどのように彼らの生活や感情に影響を与えるかを具体的に伝えることが重要です。
消費者が自分自身の物語と商品を結びつけることで、購買意欲がより強く刺激されると言われています。


エモ消費は、単に商品を購入する行為ではなく、感情的な共感や満足感を追求する新しい消費スタイルです。
Z世代を中心に広がるこの消費傾向を理解し、マーケティングや商品開発に取り入れることで、企業はより強固な顧客とのつながりを築くことができると考えます。


参考文献
https://x.gd/fJ7qk
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000071963.html