Z世代の心を掴む:コミュニティマーケティングのポイント

こちらの記事を読みました。
近年、広告業界において「Z世代マーケティング」が重要と言われています。

Z世代とは、1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代で、2023年現在12歳〜28歳前後の年齢層に当たります。デジタルネイティブ、SNSネイティブとも呼ばれるZ世代は、タイパ(タイムパフォーマンス)重視の効率主義、強い仲間志向、仕事よりプライベート重視、多様性を重んじるなど、従来の若者以上に特徴的な価値観を持っています。

https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/generation_zより引用


Z世代のマーケティングが不可欠と言われる理由はなんでしょうか?

  • 人口の多さ
    Z世代は今後の消費を担う重要な世代であり、国連の統計によると、2019年時点で全世界のZ世代の人口は約25億人、全人口の約3割を占めています。
    これらの若者たちは労働市場に参入し、購買力を高めていくと予想されており、特にデジタルネイティブとしての発信力において、世界的な影響力を持っています。
  • 新しい価値観
    Z世代は新しい価値観を持っており、「ジェネレーション・レフト」という概念に代表されるように、社会問題に対する意識が高いことが特徴です。彼らは格差社会や気候変動対策などへの迅速な対応を求め、社会を変革する力として世界中で注目されています。日本においても、影響力のあるコメンテーターやインフルエンサーとしてのZ世代が増えています。

今回は、Z世代向けのマーケティングにおいて特徴的な視点である、「コミュニティの価値とその構築方法」に焦点を当てて考えてみようと思います。



共感されるコミュニティの形成

Z世代にアプローチするためには、彼らが価値を感じ、自然に参加したいと思えるコミュニティを構築することが重要だと言われています。

Z世代に共感されるコミュニティを作るための具体的な方法についてまとめてみました。

デジタルプラットフォームの活用

Z世代はデジタルネイティブであり、様々なソーシャルメディアプラットフォームで活動しています。
Instagram、TikTok、Xなどのプラットフォームを活用し、彼らの興味や関心に合わせたコンテンツを提供することが効果的です。
対話的なコンテンツや、ユーザーが参加できるチャレンジやコンテストを開催することで、コミュニティ内でのエンゲージメントを高めることができます。

オフラインイベントの実施

オンラインのコミュニケーションも重要ですが、オフラインでの実体験もZ世代にとっては魅力的です。
例えば、ワークショップ、セミナー、製品体験イベントなどを通じて、リアルに体験し、学び、交流できる機会を提供することが重要です。
これにより、ブランドとZ世代の間により深い結びつきを生み出すことができます。

価値観の共有とコミュニケーション

環境保護、社会正義、多様性など、彼らが大切にするテーマに対してブランドがどのような姿勢を取っているかを明確にし、積極的にコミュニケーションを取ることが重要です。
これにより、単なる消費者とブランドの関係を超えた、より強い絆を築くことができます。


これらの方法を通じて、Z世代のコミュニティにおいてブランドが積極的に関わり、価値を提供することで、彼らとの長期的な関係の構築につながると言えます。


Z世代をターゲットとした企業の成功事例

Z世代をターゲットとした企業の成功事例をいくつか紹介します。

ファッション業界の事例

・Nike

Nikeはソーシャルメディアを活用してZ世代と積極的にコミュニケーションを取り、若者の文化や価値観に共鳴するキャンペーンを展開しています。
これらのブランドは、インフルエンサーやスポーツ選手とのコラボレーションを通じて、Z世代に響くストーリーを作り上げています。

「国際ガールズ・デー」 の10月11日、『ナイキジャパン』が日本のZ世代に向け、スポーツの力を表現したキャンペーンフィルムを公開

関連記事:https://yoi.shueisha.co.jp/body/sdgs/5903/

・Adidas

Z世代に向けた大胆なファッションアイコンとして「スタンスミス」を再構築したキャンペーンを実施しています。

「STAN SMITH STYLED WITH BLUE VERSION」

関連記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000871.000003301.html

テクノロジー業界の事例

・Apple

Appleは定期的に「セッション」という、Apple製品やサービスについて学ぶためのプログラムやワークショップを開催しています。
実際にデバイスを使って操作を試したり、自分の作品を作成したり、他の参加者や講師と意見を交換することができます。
参加者は能動的に学び、新しいスキルを実践的に身につけるだけでなく、同じ興味や目的を持つ人々とのリアルなつながりを作る場となり得ます。

https://www.apple.com/jp/today/より引用

環境志向のブランドの事例

・Patagonia

環境保護をブランドの中核としており、持続可能性への取り組みを通じてZ世代から高い支持を得ています。
同社は製品だけでなく、環境保護のメッセージを前面に出し、消費者との強い結びつきを築いています。

https://www.patagonia.jp/stories/planet/より引用

広告やデザインにコミュニティを取り入れるには

企業広告やデザインにコミュニティを取り入れるポイントについて、一般的に下記のようなことが言われています。

  • ストーリーでつながる
    広告やデザインにストーリーテリングを取り入れることで、Z世代の心に響くメッセージを届けます。
    彼らの日常や価値観を反映したストーリーで、ブランドへの興味を生み出しやすくなります。
  • ビジュアルでコミュニティを表現する
    ビジュアルデザインはZ世代に大きな影響を与えます。多様性や包容性を表現する画像を使用したり、Z世代が興味を持つスタイルやカルチャーを反映したデザインを採用することで、ブランドに親近感を感じやすくなります。
  • 双方向に作用し合う要素を取り入れる
    広告やウェブサイトにクイズや投票など、対話的な要素を取り入れることで、Z世代の参加とエンゲージメントを促すことができます。例えば、クイズ、投票、ゲーム化されたエレメントなどを通じて、彼らが積極的にコンテンツと関わる機会を提供します。
    ※エンゲージメント・・・ある活動やプロセスに対する個人の興味や熱意、積極的な参加度
  • 共感と信頼を築く
    レビューや推薦を前面に出すことで、ブランドの信頼性を高めることで強いコミュニティを作ります。これは、特にソーシャルメディアでの共有や口コミを促す際に有効です。

今回は、Z世代向けのマーケティングにおいて、コミュニティの価値とその構築方法に焦点を当てて考えてみました。
なかなか小規模ビジネスに取り入れることは難しいかもしれませんが、若い世代を理解しようとし、積極的にアプローチしていくことは、事業の継続性という視点においても大切だと感じています。