エシカル消費とは?新たな購買意識について解説

6月15日から2日間、Z世代と共創する日本最大級のエシカルの祭典「エシカルエキスポ OSAKA 2024」が大阪で開催されました。
1万人以上が来場し、オンラインでは約1万5000人が参加したそうです。

https://ethical-expo.com/#/より引用


このイベントは、“エシカルがカッコいい世界を創る”をビジョンに掲げ、エシカルな消費や社会課題に焦点を当てており、インフルエンサーによるクイズ大会、アーティストライブ、トークセッション、ピッチコンテストなど多彩なプログラムが実施されました。

また、50以上の企業と学生団体がブースを出展し、多くのZ世代が来場したそうです。


正直、「エシカル」という言葉にはあまり馴染みがありませんでした。
しかし、最近では環境問題や社会問題への意識の高まりにより、幅広い世代に注目されるようになっています。
今回はこの「エシカル」について学んでみたいと思います。


エシカル消費とは

エシカルとは、「倫理的な」という意味の英語「ethical」から来ています。
エシカル消費とは、人、社会、地域、環境に配慮した消費行動を指し、日々の買い物を通じて社会的課題の解決に貢献することを目的としています。

具体的には、フェアトレード商品や障がい者支援商品、地産地消の商品を選ぶことが含まれます。
また、エコ商品を選ぶ、マイバッグやマイボトルを使う、食品ロスを減らすなど、持続可能な生活を目指す行動も重要なのだそうです。

消費者は、自分の購入が社会や環境にどう影響するかを意識し、企業の取り組みを重視するようになっていると言われています。


消費者がエシカルな商品を選ぶ理由

エシカル消費の拡大は、持続可能な未来を目指す消費行動の一環として広がっており、消費者は自分の購買行動が社会や環境に与える影響を考慮し、エシカルな製品やサービスを選ぶ傾向が強まっています。

消費者の価値観は、環境問題や社会問題への意識の高まりとともに大きく変化しており、企業のエシカルな取り組みは、消費者の支持を得るためにますます重要になっていると言われています。


成功事例の紹介

エシカル消費の拡大と消費者の価値観の変化に対応するため、多くの企業が積極的な取り組みを行っています。

キリン:「晴れ風 ACTION」

キリンの「晴れ風」は、「晴れ風Action」として、花見や花火など日本の風物詩を守るために、売上の一部をこれらの文化を保護する活動に寄付しています。
この取り組みにより、消費者は単にビールを楽しむだけでなく、日本の伝統や文化を支援することができます。
その結果、発売から約1ヵ月で、キリンビールの過去15年間の新商品で最大の売り上げを達成しました。

引用記事:
https://www.kirin.co.jp/alcohol/beer/harekaze/
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2024/0514_01.html


キリン:「氷結 mottainai 浜なし」

キリンの「氷結 mottainai 浜なし」は、廃棄予定だった果実を使用して製造されており、フードロス削減に貢献しています。
規格外の横浜特産ブランド梨「浜なし」を使用することでフードロス削減と果実農家支援を目指す新シリーズで、5月7日に発売され、初週で18万ケースの目標を達成しました。
1本の売り上げにつき1円が生産者に寄付される仕組みで、浜なし2.2万個のロス削減と約400万円の寄付を目指しています。
SNSでもプロジェクトのコンセプトを理解し、共感する声が多く寄せられました。

参考記事:
https://www.kirin.co.jp/alcohol/rtd/hyoketsu/brand_action/


セブン-イレブン:「セブンカフェスムージー」環境篇

セブン-イレブンは、環境配慮の取り組みをアニメ表現で伝えるCMを制作し、若者を中心に幅広い層にアピールしています。
「セブンカフェスムージー環境篇」のCMは、複雑な環境問題をわかりやすく伝えることで、視聴者の関心を引き、エシカル消費への理解を深めています。

参考記事:
https://www.advertimes.com/20240617/article463919/


企業の社会的責任と消費者の反応

企業がエシカルな取り組みを行うことで、消費者はその企業に対する信頼感や好感を高めると言われています。
エシカル消費の拡大と消費者の価値観の変化は、企業が社会的責任を果たすために不可欠な要素だと考えられます。


「エシカル」を広告や
デザインへ活用するポイント

「エシカル消費」の事例を基に、広告制作やデザインに活かすポイントを以下に示します。

エシカルな価値を強調する

広告やデザインにおいて、製品のエシカルな側面を明確に伝えることが重要です。
例えば、売上の一部が社会貢献に使われることを強調することで、消費者の関心を引くことができます。


消費者の共感を呼ぶストーリーテリング

具体的な取り組みやその効果をストーリー形式で伝えることで、消費者の共感を呼び起こすことができます。
エシカルな取り組みの背景や影響を具体的に示すことがポイントです。


視覚的にわかりやすい表現

視覚的にわかりやすい表現を用いることで、複雑な問題を簡潔に伝えることができます。
アニメーションやインフォグラフィックを活用して、視聴者に訴求する方法も効果的です。


エシカル消費の取り組みは、中小企業にとっても手軽に取り入れやすく、社会的責任を果たしながら消費者の支持を得ることができると思います。
消費者が類似した商品を選択する際に、エシカルな側面はますます重要な選択基準となり、将来的にはスタンダードになる可能性が高いと考えています。


参考記事:
https://www.ethical.caa.go.jp/ethical-consumption.html