プロジェクト成功のカギ:フィードバックを正しく受け取るテクニック

前回は「デザインフィードバックの効果的な伝え方」というテーマでお話ししました。
今回は「効果的なフィードバックの受け取り方」についても考えてみたいと思います。
フィードバックはただ伝えれば良いというものではなく、その受け入れ方一つでプロジェクトの成果が大きく変わることがあります。
特にデザインの世界では、主観が大きく関わるため、フィードバックの受け入れ方には、デザイナーもクライアントも注意を払う必要があると思います。
そこで今回は、デザイナーとクライアントが良い関係を構築し、プロジェクトを成功に導くためのフィードバックの受け入れ方に、焦点を当ててみたいと思います。


フィードバックを受ける姿勢で大切なこと

まず「効果的にフィードバックを受け入れるために必要な姿勢」を挙げてみます。

効果的にフィードバックを受け入れるために必要な姿勢

  • オープンマインドを保つ
    フィードバックを受ける際は、オープンマインドを保ち、全ての意見に耳を傾けることが重要。
    初めは防御的な反応になるかもしれないが、フィードバックを成長と学習の機会として捉えることで、新たな視点や改善の可能性を見出すことができる。
  • 建設的な批評をポジティブに捉える
    建設的な批評は、デザイン作業の質を向上させるための貴重なフィードバックであり、批判的なコメントも、プロジェクトの目標達成に向けた改善点として捉えることが大切。
    批評から学び、次に活かすことで、デザインの質を一層高めることができる。
  • 具体的な改善策を立てる
    フィードバックを受けた後は、具体的な改善策を立て、実行に移すことが大切。
    フィードバックを具体的なアクションプランに変換し、どのようにプロジェクトに取り入れるかを考えることで、効率的に成果を出すことが可能になる。
  • 反応ではなく対応を
    フィードバックに対して即座に反応するのではなく、考えた上で対応することが重要。
    フィードバックをじっくりと考え、それをどのようにプロジェクトに取り入れるか、反論する場合でも、どのように建設的に意見を伝えるかを検討する。
  • フィードバックの意図を理解する
    フィードバックを受ける際は、その背後にある意図を理解しようと努めることが大切。
    フィードバックの目的が何かを理解することで、より適切な対応をとることができる。

確かにフィードバックを受けるときは、多少なりとも防御的になりがちです。
このことをあらかじめ意識しているかどうかで、フィードバックを受ける姿勢が変わってくる気がします。


受け取ったフィードバックをプロジェクトに活かす

フィードバックはただ受け取るだけではなく、それをどのように効果的に活用するかが重要だと思います。
フィードバックを受けたあと、その意見をプロジェクトに活かすためには、どのように行動すればよいかを挙げてみます。

フィードバックをプロジェクトに活かす行動

  • フィードバックの整理と優先順位付け
    受け取ったフィードバックを
    ・「即時対応が必要」
    ・「中期的な改善に役立つ」
    ・「長期的な検討事項」
    のようにカテゴライズし、優先順位を付ける。
    これにより、どのフィードバックから手を付けるべきかが明確になる。
  • アクションプランの作成
    各フィードバック項目に対して、具体的なアクションプランを立てる。
    この際、「誰が」「いつまでに」「何をするか」を明確にすることが重要。
  • フィードバックの共有
    プロジェクトチーム内でフィードバックを共有し、必要に応じてチームメンバーと話し合う。
    これにより、チーム全体での理解を深め、より良い解決策を見つけることができる。
  • フィードバックへの迅速な対応
    アクションプランに基づき、実際に改善策を実行し、その進捗を追跡する。
    定期的なレビューを通じて、プランの効果を評価し、必要に応じて調整する。
  • ポジティブフィードバックの活用
    ポジティブなフィードバックも重要な学びの源と捉える。
    成功事例を分析し、その要因を理解することで、今後のプロジェクトに活かすことができる。
  • 継続的な改善
    フィードバックを受け改善策を実施した後、再度フィードバックを求めることで、改善のサイクルを作る。
    このプロセスを繰り返すことで、継続的な改善が可能になる。

これを見ると、フィードバックを受けた後の行動が大事だということを感じます。


防御しがちになるけれど・・・

今回は「効果的なフィードバックの受け取り方」について考えてみました。
フィードバックを受けるときは、多少なりとも防御的な反応をしがちになることを念頭に置きながら、ポジティブに成長の機会だと捉えると良いでしょう。
また、フィードバックを受けた後の行動が、その後のプロジェクトの進行に大きく影響するということが重要なポイントです。
フィードバックを伝える側も受ける側も、相手のことを尊重して、良い関係が築けるように努力するのが大切だと感じました。

参考記事
デジタル化の窓口
「フィードバックとは|意味と重要性、フィードバックの与え方と受け取り方」
 Hello, Coaching
「フィードバックを受ける力の高め方」