広告を作るときや、新しいプロモーションを考えるときに「もっと目を引くアイデアが欲しいな」「どうやって面白い企画を思いつけばいいんだろう…」と思うことはありませんか?
小規模ビジネスの場合、大企業のように大きな予算やたくさんの人手を使うのは難しいかもしれません。
でも、実は小規模ならではの強みを活かせば、かえって独創的なアイデアを形にしやすいと考えています。
たとえば、意思決定が早い分、思いついたアイデアをすぐに試してみることができますよね。
今回は、そんな「小回りの利く」小規模ビジネスの特性を活かした、いくつかのアイデア発想法についてご紹介します。
1. ブレーンストーミング(Brainstorming)
アイデアを出すときの定番テクニックが「ブレーンストーミング」です。
数名で集まり、下記のポイントを守りながら自由に意見を出し合います。
- 批判・否定はしない
- まずは量を重視(質よりも数を優先)
- どんなに突拍子もない意見も歓迎
- ほかの人のアイデアをどんどん発展させる
小規模ビジネスの場合、人が少ない分、意見を出しやすい雰囲気を作りやすいのがメリットだと思います。
たとえば「1週間に1度、15分だけブレストの時間をつくろう」といった形でもOKで、アイデアをたくさん集めることで、その中から「これならうちで実現できそう!」という宝石が見つかるかもしれません。

2. SCAMPER法
既存の商品やサービスを、新しい切り口で生まれ変わらせるのに便利なのが「SCAMPER(スキャンパー)法」 と言われるもので、以下の7つのキーワードをもとにアイデアを広げていくフレームワークです。
- S:Substitute(代用)
- C:Combine(結合)
- A:Adapt(応用)
- M:Modify(修正/拡大・縮小)
- P:Put to other uses(転用)
- E:Eliminate(除去)
- R:Reverse(逆転)
たとえば「うちの商品を、まったく別のターゲット向けにアレンジしたら面白いかも」「機能を一部削ったシンプル版が、むしろ需要が高いかも?」など、普段は思いつかないようなアイデアが浮かぶはずです。
小規模ビジネスは「試しに一度、プロトタイプを作ってみよう」とすぐ動けるのが強みだと思うので、ぜひ思いきっていろいろ挑戦してみるのも良いと思います。
3. マインドマッピング
(Mind Mapping)
頭の中のごちゃごちゃした考えを可視化し、発想を広げていくのにぴったりなのが「マインドマッピング」。
紙の中央にテーマ(例:新商品のアイデア)を書き、そこから思いつくキーワードやイメージをどんどん枝状につなげていきます。
紙とペンさえあればすぐできるので、少人数でもすぐに始めやすいのがポイントで、チームで一緒に描けば、「これいいね!」「あ、そこからこんな案もあるかも」というように、お互いの連想を刺激し合うことができます。
「考えがまとまらない」「頭の中が散らかってる」というときには、まず試してみると意外なアイデアが飛び出すかもしれません。

4. 強制連想法
まったく関係なさそうな言葉や要素を、強引に自分のビジネスに絡めてアイデアを出してみる「強制連想法」もおすすめです。
たとえば、ランダムに選んだ単語とサービスを掛け合わせて考えてみるなど、無理やりつなげてみるのがポイントです。
- 例:
- 「音楽」×「新規店舗のPR」 → 地元のミュージシャンとコラボして独自のテーマソングを流す
- 「果物」×「雑貨」 → 季節のフルーツ柄をあしらった限定商品を作る
こういうアイデアって一見バカバカしいかもしれませんが、実際にやってみたらお客さんの目を引けることも多いと思っています。
5. 他業界&海外事例のリサーチ
自分の業界だけでなく、まったく別の業種や海外の事例を見ると、新しいヒントが転がってることも多いので、SNSや動画サイトでバズっている広告動画を見てみる、海外のデザイン賞の受賞作品をチェックしてなど、気になるものを探してみるのも良いと思います。
大がかりな調査をしなくても、ネットで無料で公開されている情報を活用すれば十分刺激を受けられますので、誰かがやっている面白い取り組みを少しアレンジするだけで、自分たちならではのアイデアに変えられます。
見つけた事例は社内やチームでシェアして「うちならこういうやり方もアリじゃない?」と話し合ってみるのも良いと思います。
日常の中でアイデアを育てるコツ
アイデア発想法を使うだけじゃなく、ふだんの習慣も大事で、ちょっとしたコツを意識すると、アイデアが「湧きやすい頭」に近づいていきます。
- 思いつきをすぐメモする
スマホのメモ帳でもOKなので、通りすがりに見た面白い広告や、自分の商品の新しい売り方を思いついたら、忘れないうちに書き留めることが大切です。 - いつもと違う環境を試す
通勤ルートを変えてみる、ちょっと違うカフェで仕事してみるなど、いつもの習慣を変えるだけで脳が刺激を受けて新しい発想が生まれます。 - 異業種や新しいコミュニティに飛び込む
ふだん交流がない業界や、ちょっと違う分野の勉強会・セミナーに行ってみるのもオススメで、思いがけない発見があるかもしれません。 - 小さく試してみる
最初から大掛かりな施策をやるのはリスクが高いですが、小規模ビジネスの場合「ちょっとやってみよう」とテストすることも可能な場合があると思いますので、SNSで軽くテストしてみるなど、気負わずに始めてみることも大切です。

アイデアを生むのは一筋縄ではいかないことです。
でも、ちょっと視点を変えたり、今回ご紹介した発想法のうち気になったものをひとつでも試してみたりするだけで、「あ、これ使えるかも」と思う瞬間が生まれるかもしれません。
少人数で意見を出しやすい、すぐに動きやすいなど、小規模ビジネスならではの良さも大いに活かして、ぜひ楽しみながら取り組んでみてください。
なかなかうまくいかない日もあるかもしれませんが、そうした試行錯誤の先でこそ、思いがけないアイデアが見つかるはずだと考えています。