今や、スマホを開けば縦型の短い動画が目に飛び込んでくる時代。
Instagramの「リール(Reels)」、YouTubeの「ショート(Shorts)」など、似ているようでそれぞれ独自の文化やアルゴリズムが存在します。
特にInstagramリールは、コミュニケーション機能と連動しやすく、ビジネス活用においても“ファン作りに強い”のが特長だと言われています。
今回は、YouTubeショートとの違いに触れつつ、「リールならではの台本設計術」について、まとめてみたいと思います。

YouTubeショートとInstagramリール
似て非なるポイントとは?
どちらも“スマホで気軽に見られる短尺動画”という点では共通していますが、実際に運用してみるとアルゴリズムや反応は大きく異なります。
以下の表は、主な違いをまとめたものです。
視点 | Instagram Reels | YouTube Shorts |
---|---|---|
最大尺 | 最大3分(2025年時点) | 最大60秒 |
推奨尺 | 15~30秒がエンゲージ率高め | 同じく15~30秒が主流 |
表示面 | フィード・発見・ストーリー内でも表示 | Shortsタブ・一部通常フィード |
アルゴリズムの指標 | 保存数、完視聴率、コメント数など | 完視聴率、ループ再生、チャンネル登録への貢献度 |
音源文化 | トレンド音源が拡散に直結 | コメディ調・ナレーション主流 |
新機能 | 「Blend」など友達とのシェア機能も | Shortsリプライ、ライブ連携進行中 |
こうして比較してみると、Instagramリールは“日常との接点”を生かした動画設計がしやすく、感情や共感を喚起するコンテンツと相性が良いことがわかります。
リールが小規模ビジネスと
相性が良い理由
Instagramリールは、エンタメだけでなく「商品の魅力を短く・印象的に伝えたい」ビジネスにとっても非常に優れたメディアです。
たとえば
- ストーリーやDMへの導線があるため、視聴→コミュニケーション→購入の流れを作りやすい
- ショッピング連携機能で、リール内から直接商品ページへアクセス可能
- UGC(ユーザー投稿)を巻き込みやすいハッシュタグ文化が強い
特に“目の前の視聴者との関係性を深める”ことに力を入れている企業にとっては、広告よりも“信頼形成の入口”としてリールを活用する戦略が有効だと考えます。

台本設計で差がつく!
リール動画の基本構成とコツ
Instagramリールは、スピード感とテンポが命です。
「何を伝えるか」以上に、「どんな順番で・どんなタイミングで」伝えるかが成果を分けます。
リール台本を作る際の基本構成の1例を考えてみました。
パート | 目的 | コツ |
---|---|---|
最初の1秒 | スクロールを止める | 写真・動きのあるカットを冒頭に配置 |
〜3秒 | メッセージ提示 | 強い一言を画面中央に大きく表示 |
中盤 | HOW・ビフォーアフターなど | 字幕とナレーションで情報補強 |
終盤 | アクション促し | 「保存するなら今」「詳しくはDMへ」など |
ラスト1秒 | ブランド印象を残す | ロゴやキャッチコピーを控えめに挿入 |
台本作成の5つのステップ(実践編)
- まず「目的」を決める
└ 認知?集客?購入?どのKPIを狙うかで全体構成が変わります。 - 構成は“ブロック分け”する
└ フック→課題→解決策→CTA、各ブロック7秒以内が目安。 - 音源と動画のリズムを合わせる
└ ビートや歌詞にタイミングを合わせると視聴完了率が上がります。 - 字幕をしっかり設置
└ スマホの無音再生対策。重要ワードは画面中央に固定。 - “保存したくなる要素”を入れる
└ 例:「このレシピ、あとで作る人は保存してね」など。

よくあるNGパターンと
その回避法
これまで多くのリールを制作してきた中でよく見かける「ありがちなNG例」と、その対処法をご紹介します。
ありがちなミス | 原因 | 対策 |
---|---|---|
冒頭が自己紹介 | フックが弱く離脱されやすい | 自己紹介は字幕に縮め、冒頭は結論や衝撃映像にする |
テキストが小さく読めない | PCで確認しがち | スマホで最終確認、フォントは大きめに設定 |
音源が途中で切れる | BGMの尺と合っていない | 尺を30秒以内にするか、ループOK音源を使う |
Instagramリールは、単なる動画広告ではなく、“短い時間で信頼のきっかけを作る”ことができる、貴重なタッチポイントだと考えています。
特に小規模ビジネスにとっては、「広告予算は限られているけど、届けたい思いがある」そんなときに、リールの活用が力になると考えます。