くすみカラーが若い人の間で流行っているそうです。
最近はファッションやヘアカラーだけではなく、車や家電、文房具や100円ショップの商品にも「くすみカラー」が取り入れられているそうです。
広告デザインにおいても、くすみカラーを使ったデザインが多く見られるようになりました。

今回は、なぜくすみカラーが流行したのかを探り、導入の効果と注意点について考えてみたいと思います。
くすみカラーとは?
くすみカラーとは、グレイッシュな要素を含んで彩度を抑えた落ち着きのある色合いを指します。
ニュアンスカラーやスモーキーカラー、ダスティカラーなどとも言われます。
くすみカラーの流行の背景
流行時期
2018年頃から、ファッション雑誌やECサイトで「くすみカラー」というキーワードが頻繁に使われ始め、くすみカラーを使ったコーディネート特集が組まれるようになったと言われています。
その後、コスメブランドでは「くすみピンク」がトレンドとなり、インテリア雑誌でもくすみカラーを取り入れたコーディネートが特集されるようになりました。
現在、くすみカラーは定番カラーとしてすっかり定着しており、2024年現在もさまざまなアイテムでくすみカラーを見ることができます。
流行の理由
抜け感やこなれ感のトレンド
2010年代後半から続く「抜け感」や「こなれ感」のトレンドが、くすみカラーの人気を支えています。
くすみカラーは派手すぎず、自然体でおしゃれな印象を与えるため、多くの人に受け入れられました。
ジェンダーレスファッションの流行
ジェンダーレスファッションの台頭により、男女問わず着用しやすいくすみカラーが注目されました。
柔らかく中性的な色合いは、どんなスタイルにもマッチしやすいところが人気となっています。
レトロブーム
レトロな雰囲気を醸し出すくすみカラーは、ヴィンテージアイテムとの相性も良く、レトロブームの影響を受けて人気が高まりました。
環境意識の高まり
自然に溶け込むような落ち着いた色合いは、エコフレンドリーな印象を与えるため、環境意識が高まる中で多くの消費者に受け入れられました。
実用性
肌馴染みが良く、着回しやすいくすみカラーは、ファッションアイテムとしての実用性も高く、多くの人々にとって取り入れやすい色合いです。
くすみカラーの心理学的視点
落ち着きと安心感
くすみカラーは、目に優しく、心を落ち着ける効果があります。
特に、忙しい現代社会において、消費者はリラックスできる空間やアイテムを求めています。
親しみやすさと信頼感
刺激が少なく、柔らかく穏やかな印象を与えるため、親しみやすさと信頼感を感じさせます。
くすみカラーの導入事例
さまざまな商品でくすみカラーの展開がされています。いくつか事例を紹介します。
・コーセー:「コスメデコルテ」
2022年2月に発売された、コーセーのブランド「コスメデコルテ」の新ライン「イドラクラリティ」は。パッケージデザインに「くすみピンク」を採用し、新しいイメージを確立しました。
コスメデコルテはこれまで40代を主要顧客としていましたが、20〜30代へのアプローチを見直し、若年層の新規ユーザーを42%も獲得しました。

参考記事:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00755/00003/
・イオン:「KUSUMIゆかた」
イオンが展開するオリジナル浴衣ブランドの「KUSUMIゆかた」は、2023年に発売されて以来、そのおしゃれなデザインと幅広いデザイン、手頃な価格で人気を集めています。
・株式会社リップス:「リップスヘアー ワックス」シリーズ
株式会社リップスの「リップスヘアー ワックス」シリーズのパッケージデザインでは、Z世代の多様な価値観を反映し、くすみカラーを採用しています。
識別しやすいタイポグラフィーや開閉しやすいキャップを採用。
また、環境に配慮しプラスチック使用量を削減する工夫が施されており、デザイン性と環境負荷への配慮が評価され、2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。

参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000023845.html
・L.L.Bean × SALON:Grocery Tote(グローサリー・トート)
毎年、シーズンテーマにインスピレーションを受けたニュアンスカラーで人気のL.L.Bean × SALON adam et ropeの「Grocery Tote(グローサリー・トート)」。
2025年の別注カラーは、秋冬のシーズンテーマ“NEW STRATA”にインスパイアされ、地層や鉱石の色をイメージしたくすみカラーの5色展開です。
くすみカラーは、自然界の美しさや落ち着きを反映し、心を癒し安らぎをもたらす色だと言えそうです。

くすみカラーの導入例と効果
くすみカラーは派手すぎず、落ち着いた雰囲気を演出できることから、様々なシーンで活用できます。
くすみカラーの導入の効果
ブランドイメージを統一
ロゴやウェブサイト、パッケージなど、ブランド全体のトーンを統一することで、より洗練された印象を与えることができます。
ナチュラルで上品な印象
製品パッケージや広告ビジュアルなどに、くすみカラーを取り入れることで、自然素材や高級感のあるイメージを演出できます。
視覚的に落ち着く空間
店舗のインテリアやディスプレイにくすみカラーを取り入れることで、お客様にリラックスした雰囲気を提供することができます。
くすみカラーの具体的な使い方
ブランドロゴやビジュアルデザイン
ロゴをくすみカラーにすることで、ブランド全体の印象を柔らかく、落ち着いたものにすることができます。
ウェブサイトのデザインにくすみカラーを取り入れることで、高級感のあるイメージを演出できます。
製品パッケージ
パッケージデザインにくすみカラーを採用することで、ナチュラルで上品な印象を強調できます。
コスメや食品など、自然素材を使った製品に特に効果的です。
広告やプロモーション
広告ビジュアルや店内ディスプレイにくすみカラーを取り入れることで、視覚的に落ち着いた印象を与えることができます。
ターゲット層に合わせた色を選ぶことが重要です。
店舗のインテリアデザイン
店舗の内装や家具にくすみカラーを取り入れることで、リラックスした雰囲気の空間にすることができます。
特に、待合室や商品陳列スペースにおいて効果的です。
くすみカラー導入時の注意点
効果的に導入するためにはいくつかの注意点があります。
過度な使用は避ける
くすみカラーを全体に使用すると、ぼやけた印象になり、かえって洗練度が失われてしまいます。
アクセントカラーや明るい色をバランスよく取り入れて、メリハリのある配色を心がけることが大切です。
ターゲット層を意識する
くすみカラーは、ターゲット層によっては敬遠される場合もあります。
ターゲット層の年齢層、性別、ライフスタイルなどを考慮し、好みに合った色合いを選ぶことが重要です。
ブランドイメージとの整合性
くすみカラーは落ち着いた印象を与える一方で、活発さや親しみやすさといったブランドイメージとの整合性に注意が必要です。
ブランドイメージと合致しない場合は、他のかっこいい色合いの方が効果的な場合があります。
カラーバランスを意識する
くすみカラーは落ち着いた色合いですが、他の色とのバランスが悪いと、単調で重たい印象になります。
白やパステルカラーなど、相性の良い色を組み合わせることを考慮しましょう。
季節感を意識する
秋冬には深みのあるくすみカラーが人気ですが、春夏には軽やかなトーンのくすみカラーが適しています。
季節ごとのトレンドや消費者の好みに合わせて、色合いを選ぶことをおすすめします。
素材との相性
ファッションやインテリアでは、素材との相性も重要です。
マットな素材はくすみカラーの落ち着いた印象を強調しますが、光沢のある素材を使うと高級感が増します。
ロゴは慎重に検討する
ロゴは長期的に使用されるため、一時的なトレンドだけで変更するのではなく、ブランドの長期的な戦略に合致しているかどうかを慎重に検討する必要があります。
専門知識を活かす
くすみカラーの適切な使い方には、デザインや色彩に関する専門知識が必要です。
必要に応じて、デザイナーや色彩専門家に相談することをおすすめします。
くすみカラーは落ち着いた色合いと心理的効果により、多くの消費者に支持されているようです。
特に日本人にとっては、日本の伝統色との親和性や、四季折々の風景にも重なる部分があり、幅広い年齢層に受け入れやすい色なのかもしれません。
うまく活用することで、新規の顧客の獲得やブランドや商品のイメージ向上に繋がるのではないかと思います。