飲食店や企業等、ロゴマークは至るところに数多く存在しており、イメージバナーでもご依頼をよくいただきますが、とりあえず用意してほしいと簡単な形でのご依頼があったり、しっかりコンセプトを立てて展開していきたいと強い要望をいただいたり様々です。
どのような形でもご要望があれば、お受けさせていただいていますが、今回はロゴデザインのトレンドをお話したいと思います。
識別記号?
今回は、2020年5月5日(火)の日経新聞朝刊に広告枠として掲載されていた「ロゴのチカラ」という紙面を見て、ロゴデザインについてお伝えしたいと思い、記事にしています。
記事の中でロゴマークは、
消費者がブランドの存在に気づき、他と異なる存在だと記憶するための「識別記号」としての意味合いがある。
と書かれていて、その後も深い内容が書かれていたので、何度も読んでみたのですが、とてもレベルが高く、私には把握することが難しい内容でした。
ロゴデザインの時代性
ただ、わかりやすく書かれていたところがありました。
それは、ロゴマークの見ると、いつ頃作られたデザインかがわかるというもの。
内容は、最近の傾向として書かれていたのですが、2000年頃、IT技術を訴求するような立体感のあるロゴデザインが多くありました。
ただ、最近ではスマートフォンの普及で小さな画面での立体表現は見にくくなるため、視認性や再現性を重視する傾向にあり、フラットデザイン化しているとのことです。
時代に合わせたトレンドを見極める
これからのトレンドは、毎日のように新聞やニュース、雑誌等で取り上げられている、SDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)がきっかけで、ロゴマークもサステナビリティのエコ感を出すケースが増えてきているとのこと。
そのため、今後は社会に対して、協調性や親しみやすさを強調したロゴマークが増えてくると伝えています。
いろいろご意見がある記事かもしれませんが、時代に合わせたトレンドがあるという点が重要だと思います。
※なんとなく80年代っぽいロゴマークだなとか、新しい斬新なロゴマークだなといった感覚は、消費者目線から見ても感じられそうです。
個人的に思う最近のトレンド
個人的に感じるロゴデザインのトレンドとして、フラットデザインにほんの少しマテリアルデザイン(スキューモーフィズム)を加えた「フラットデザイン2.0」という表現なのかなと思っています。
ちょっとした装飾(ドロップシャドウや、グラデーション等)を柔軟に取り入れて、デザインとユーザビリティをうまく両立させるという考え方になります。
具体的には、ペタっとしているけどほんの少し立体感のある表現です。
わかりやすい例で言うと、iPhoneのアプリアイコンで、デフォルトで入っているアプリだと、
- 電話
- Safari
- メール
- メッセージ
- カメラ
- 天気
- ビデオ
- メモ
- App Store
- Books
- 設定
等です。
また、日本時間の2020年6月23日午前2時から始まった、WWDC2020で発表されたばかりのmacOS(Big Sur)では、再設計されたアイコンになり、よりフラットデザイン2.0のようなデザインに刷新されています。
フラットデザイン2.0
当初のiPhoneはかなり立体感のあるマテリアルアイコンばかりでしたが、Microsoftが2010年代半ばに提唱したフラットデザインがでてきました。
AppleもGoogleも同様の表現に近いデザインが展開されましたが、どこにボタンがあるのかよくわからないUI(ユーザーインターフェーズ)になってしまったため、否定的な意見も多くありました。
そこから、脱フラットデザインという傾向がでてきて、上記の「フラットデザイン2.0」という表現に至ります。
これからのロゴデザインの方向性
時代に合わせて、トレンドの移り変わりはありますが、いまは、いつも目にするスマホから、ロゴマークのデザイントレンドが波及されるという形が、自然な流れになるような気がします。
この「フラットデザイン2.0」にSDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)の要素を取り入れて、ロゴマークをつくることが、ひとつの方向性としてあると考えています。
ロゴを理解して認識しておく
ロゴマークは長期に渡って使われるため、時代を感じさせやすいデザインになりやすくなります。
そのため、制作会社とできる限り、明確に認識をすり合わせて、取り組んでいくことが必要です。
トレンドが移り変わっていくことを理解し合いながら、しっかり軸を持って、事前に想定しておけば、スムーズに進めることができます。
そうすれば、制作会社にロゴデザインを依頼するときには、共通認識が生まれ、方向性やコンセプトが打ち出しやすくなると思います。
※今回は、トレンドとしての切り口でお伝えしているので、ロゴデザインをつくるうえでのプロセスの中では、偏りがあります。