Webアクセシビリティという言葉をご存知ですか?
Webアクセシビリティとは、高齢者や障害者を含め、すべての人が年齢や身体的制約、利用環境に関わらずWebサイトの情報や機能にアクセスできることを意味します。
これまでWebアクセシビリティの指針として重視されてきたのが、JIS X 8341(高齢者・障害者等配慮設計指針)です。
この指針は、主に高齢者や障害者への配慮を目的として策定され、文字の拡大や音声読み上げ機能など、従来の技術的制約の中で工夫されてきました。
しかし、時代は進化し、Webを利用するデバイスや環境が多様化しています。
今では、単に「高齢者・障害者に優しい」だけでなく、「すべての人が、あらゆるデバイスや環境で利用しやすい」ことが求められています。
そのために注目されているのが、「マシンリーダビリティ」です。
これまでのWebアクセシビリティ対策
従来のWebアクセシビリティ対策は、主に以下のような取り組みが中心でした。
- 文字の拡大ボタン: 視力が弱い方や高齢者向けの配慮
- 音声読み上げ機能: テキストを自動で読み上げる機能
しかし、現代では多くのデバイスやアプリが標準でこれらの機能を備えています。
例えば、スマートフォンやPCには「文字の拡大機能」や「音声読み上げアプリ」が搭載されており、Webサイト側で特別に実装しなくても対応できるケースが増えてきました。
これにより、従来のアクセシビリティ対策だけでは不十分であり、「どのデバイスからでも情報にアクセスできる」という新しい観点が重要視されています。
Webアクセシビリティ=
誰もが情報を受け取れるサイト
Webアクセシビリティの本質は、「誰もが情報を受け取れるWebサイト」を実現することです。
例えば、スマートフォンやタブレット、音声アシスタントなど、利用するデバイスは日々多様化しています。
その結果、Webコンテンツはさまざまな環境からアクセスされるようになりました。
現代に求められるWebアクセシビリティ対策は、「あらゆるデバイスや環境で、同じように情報が受け取れること」です。
これは、年齢や身体的制約に関係なく、すべてのユーザーが平等に情報を得られることを意味します。
マシンリーダビリティとは?
「マシンリーダビリティ」とは、「機械可読性」のことを指します。
つまり、コンピューターや機械がWebコンテンツを正確に読み取れる状態のことです。
なぜマシンリーダビリティが重要なのか?
- 情報が必要な人の元に届きやすくなる: 検索エンジンや音声認識技術がWebコンテンツを正しく理解することで、情報を必要とするユーザーに確実に届けることができます。
- SEO(検索エンジン最適化)対策にも効果的: 検索エンジンは、マシンリーダブルなWebサイトを評価しやすくなります。そのため、マシンリーダビリティを高めることはSEO対策にも直結します。
マシンリーダビリティを高めるための
具体的な対策
以下は、マシンリーダビリティを向上させるための代表的な対策です。
- 文字と背景色のコントラスト比を確保し、文字が見やすい色合いにする
- リンクテキストは「こちら」ではなく、リンク先の内容が分かる言葉にする
- 階層構造(h1, h2, h3タグ)を用い、情報を整理する
- 複数ブラウザ・デバイスでもレイアウトが崩れないよう最適化する
- CSSを使用して正確なデザイン管理を行う
- 画像には代替テキスト(alt属性)を設定し、内容を正確に説明する
- 動画コンテンツには字幕を追加し、音声なしでも内容が理解できるようにする
- SEO対策として、検索エンジンが理解しやすいHTMLタグを適切に使用する
Webアクセシビリティの未来:
マシンリーダビリティの重要性
Webサイトの最大の特徴は、「誰でも、どこからでも、いつでもアクセスできること」です。
しかし、アクセシビリティが不足していると、情報が正しく届かないリスクが生じます。
企業の場合、アクセシビリティの欠如は顧客離れや機会損失を引き起こす可能性もあると言われています。
だからこそ、「マシンリーダビリティを意識したWebサイト作り」が今後のWebアクセシビリティ向上において非常に重要だと感じます。
Webアクセシビリティの向上には、マシンリーダビリティの確保が不可欠です。細部にまで配慮し、すべてのユーザーに情報が正しく届くようにWebサイトを設計することで、企業価値やユーザー体験の向上にもつながります。
Web担当者、デザイナー、ライターが協力し、「誰もが利用しやすいWebサイト」を作ることが、今後のWeb戦略において重要となると考えています。
参考記事
・https://www.globaldyne.jp/news/1223.html