「SNSで自社のサービスをもっと広めたい」「若年層との距離を縮めたい」――
そんなときに注目したいのが、“ミーム広告”という新しいマーケティング手法です。
特に中小・スモールビジネスにとっては、大きな広告費をかけずに自然に拡散される可能性がある、今まさに試すべき戦略の一つだと言われています。
今回は、そもそもミームとは何かから、マーケティングにどう活用できるのか、実例を交えてご紹介します。

ミームとは?
ネット文化から生まれた共感のメディア
ミーム(meme)とは、本来「模倣によって文化的情報が伝播していくもの」という概念で、SNS時代には「画像・動画・フレーズ」などがユーザーによってアレンジされ、広がっていくコンテンツのことを指します。
特にSNS上で拡散されやすいのは以下のような要素を持つミームです。
- 共感や「あるある」を呼ぶセリフ
- ユーモアや皮肉が効いた表現
- キャッチーで記憶に残るビジュアル
これらが「面白い!」と思われることで、リポストやシェアによって拡散されていきます。
なぜ今、ビジネスで“ミーム広告”が
注目されているのか?
ミームは一見、遊びのように見えますが、マーケティングに取り入れると次のような効果が見込めます。
1. 広告っぽくない=受け入れられやすい
広告がスルーされがちな現代において、「広告に見えない広告」が求められていますが、ミームはその代表格で、ユーザーが“ネタ”としてシェアしてくれるため、自然とリーチが広がる傾向があります。
2. ターゲットとの距離を縮める
Z世代・ミレニアル世代はミーム文化に親しみがあり、企業が同じ“言語”で発信することで、親近感を持たれやすくなります。
3. UGC(ユーザー生成コンテンツ)を生みやすい
ミームを起点にユーザー自身が投稿・二次創作してくれることで、企業が意図せずしてブランド露出が増えていく仕組みも魅力です。

ミーム広告の成功事例(国内)
大塚製薬『ファイブミニ』
TikTokでの投稿が若者にヒットし、「#ファイブミニチャレンジ」が自然発生。従来30〜50代向けの商品が、10〜20代にも認知が拡大しました。

引用:https://note.com/tiktok/n/n03b626585734
カネボウ『リップモンスター』
“落ちにくさ”を伝えるだけでなく、ネーミングやミーム的なキャッチコピー(例:「ラスボス」「欲望の塊」)がSNS上で大喜利的に使われ、拡散に成功したと言われています。

小規模ビジネスがミーム広告を
取り入れる3つのステップ
ステップ①:ターゲット層の“日常”を観察する
SNS上で顧客ターゲットが使っている言葉、反応しているネタを日常的にウォッチし、XやTikTokで「#バズってる投稿」を追うのがおすすめです。
ステップ②:ブランドとの接点があるネタを選ぶ
流行のミームでも、自社ブランドと無理なく絡められなければ逆効果です。
たとえば、猫系の商材を扱うなら「猫ミーム」との相性は抜群です。
ステップ③:過剰表現や法的リスクは避ける
- 著作権のある画像・セリフを無断使用しない
- セクハラ・差別など“笑えないネタ”は避ける
- 不謹慎に見えないトーン設計を心がける
「誰かを傷つけない笑い」で共感を生むことが、ミーム広告成功のポイントだと言われています。

BtoB企業にも使える?
“堅い”ビジネスでも応用できる工夫
「うちは士業だから難しい」「IT企業だしふざけた表現は避けたい」という声もよく聞きますが、以下のような活用法でミーム的アプローチは可能です。
- 採用広報で社内ネタをミーム化:「会議あるある」「新人ミス」など
- 展示会のSNS投稿で注目を集める:イベント前の“おもしろ告知”ミーム
- オウンドメディアで「ゆるめの」コラム連載を設ける
“遊び心”と“真面目さ”は両立可能なのかもしれません。
ミーム広告は、情報に疲れた消費者の“スキマ時間”に入り込み、思わず笑ってしまう・共感してしまう力を持っています。
ビジネスにとっても、その自然な拡散力・共感力は大きな資産となりますので、情報過多時代にこそ、ミーム広告の「軽さ」が、武器になるのではないかと考えています。
参考記事
・https://www.profuture.co.jp/mk/column/what-is-meme