ウェブデザインにおいて、ユーザー体験(UX)とユーザーインターフェース(UI)のデザインは非常に重要です。
これらが優れていると、ユーザーはアプリやウェブサイトを使う際にストレスを感じず、自然に操作できます。
特に注目されているのが「マイクロインタラクション」という要素です。
マイクロインタラクションは、単一のシナリオに基づいて一つの作業だけをこなす最小単位のインタラクションのことを指します。
今回は、マイクロインタラクションについて解説します。
マイクロインタラクションの基本要素
マイクロインタラクションは、以下の4つの要素で構成されます。
トリガー
トリガーは、ユーザーが特定のアクションを開始するきっかけです。
例えば、スマホのアプリで「いいね」ボタンを押す行為がトリガーに該当します。
ルール
ルールは、トリガーが引き金となったときに何が起こるかを決定します。
例えば、ユーザーが「いいね」を押したときに、その情報がサーバーに送信され、投稿者に通知が届くといった流れがルールです。
フィードバック
フィードバックは、ユーザーがアクションを起こした結果を視覚的、聴覚的に伝えるものです。
例えば、「いいね」ボタンを押すと、そのボタンの色が変わったり、アニメーションが表示されたりすることがフィードバックに該当します。
ループとモード
ループとモードは、マイクロインタラクションがどのように繰り返されるか、または条件によって動作が変わるかを決定します。
例えば、一定の時間が経過すると通知が消えるといった設定がこれに該当します。
マイクロインタラクションの具体例
マイクロインタラクションの具体例を紹介します。
いいねボタンの変化 (Instagram)
Instagramで「いいね」ボタンを押すと、ハートのアイコンが赤くなり、一瞬アニメーションが表示されます。
これにより、ユーザーは自分のアクションが成功したことを視覚的に確認できると言われています。
メール送信の確認 (Gmail)
Gmailでメールを送信すると、画面下部に「送信しました」というメッセージが表示されます。
これにより、ユーザーはメールが正常に送信されたことをすぐに確認できると考えられています。
カートに追加する際のアニメーション (Amazon)
Amazonで商品をカートに追加すると、カートアイコンに商品が飛び込むアニメーションが表示されます。
これにより、ユーザーは商品が正常にカートに追加されたことを視覚的に確認でき、また安心感を得ることができます。
マイクロインタラクションの効果
マイクロインタラクションは、さまざまな効果をもたらします。
- ユーザー体験の向上
マイクロインタラクションにより、ユーザーは自分のアクションが成功したことをすぐに確認できますし、操作の確実性が増します。これにより、ユーザー体験が向上すると言われています。
- サービス利用時のストレス軽減
操作の結果が明確に示されることで、ユーザーは自分が正しい操作を行ったと確信でき、ストレスが軽減されると言われています。
- 楽しいユーザー体験の提供
マイクロインタラクションは、ユーザーに楽しい体験を提供することもあります。
例えば、面白いアニメーションや視覚的効果は、ユーザーを楽しませる要素となります。
デザイン上の注意点
マイクロインタラクションをデザインする際には、以下の点に注意する必要があります。
予想外の動きを避ける
ユーザーが期待している動きとは異なる動きをすると、かえってストレスを感じさせてしまいます。
例えば、ローディングバーが100%になった後に新しいバーが現れると、ユーザーは苛立ちを感じるかもしれません。
目立ちすぎないこと
マイクロインタラクションは、ユーザーの操作を補助するものであり、過度に目立つ必要はありません。
例えば、いいねボタンを押すたびに派手なアニメーションが表示されると、かえって煩わしさを感じるのだそうです。
マイクロインタラクションの活用法
マイクロインタラクションは、スマートフォンアプリやWebサービスで広く活用されています。
- スマートフォンアプリの具体例
スマートフォンのアイコンの配置変更や削除機能は、長押しによってアイコンが揺れ動き、操作可能になるなどのマイクロインタラクションが使われています。
- Webサービスでの応用
Webサービスでも、ユーザーがマウスオーバーすることで詳細情報が表示されたり、ボタンをクリックすることでアニメーションが発生するなどのマイクロインタラクションが取り入れられています。
マイクロインタラクションは、ユーザー体験を向上させるための重要な要素です。
小さな動きやフィードバックが、ユーザーにとって大きな安心感や楽しさを提供します。
マイクロインタラクションを上手に活用することで、ユーザーはより快適で楽しい体験を得ることができると考えています。
参考記事
https://mtame.jp/design/Microinteractions/