最近、日々のデジタル疲れから解放されるための「デジタルデトックス」という言葉をよく耳にします。
デジタルデトックスとは「デジタルデバイスから意識的に距離を置くことで心身のリフレッシュを図る活動」のことで、この現象は広告戦略にも影響を与えており、オフライン広告の新たな価値を見出す機会を提供しています。
今回はオフライン広告に焦点を当てて、メリットや活用のポイントについて考えてみます。

オフライン広告の再評価
デジタルデトックスが広がって、ビルボードや雑誌広告、ポスターなどのオフライン広告の価値が見直されています。
最近のSNSでのなりすまし詐欺広告の影響もあり、デジタル広告のように変化が速いものよりも、オフライン広告の方が信頼性が高いと評価される側面もあるのでしょう。
オフライン広告が
消費者に与える影響
オフライン広告は消費者に新しい体験をもたらすとも言われています。例えばデジタル広告に慣れている人には、手に取れる広告や実際に体験できるポップアップイベントは新鮮に感じますから、
オフライン広告を活用することで、ブランドは消費者の記憶に長く留まり、高いエンゲージメントが期待できるでしょう。
オフライン広告の復活
近年、オンライン広告の過剰な露出が問題となっている中、多くの企業がオフライン広告やアプローチを取り入れているようです。
クリエイティブなビジュアルとメッセージング
オフライン広告の最大のメリットは、その具体的存在感でしょう。大型のビルボードや目を引くデザインのポスターは、消費者にデジタル広告では再現できないリアルなインパクトを与えますが、近年は、ノベルティや商品のサンプルを剥がして持って帰ることができるピールオフ広告なども注目されています。
テクノロジーの統合
オフライン広告にAR(拡張現実)QRコードを活用した例も増えており、これらの技術を使うことで、オフライン広告も、デジタル広告と同様に測定可能で、エンゲージメントを直接的に促すことが可能になります。
地域社会との連携
地域社会に貢献する活動を通じて広告活動を行うことで、消費者の信頼を獲得することができるため、地元のイベントやコミュニティと連携した広告キャンペーンは、地域に根ざしたブランドイメージを強化することができると考えられています。
持続可能性への注目
オフライン広告では、環境に配慮した素材を選ぶ動きが広がっていて、リサイクル可能な素材や、環境への影響が少ない印刷技術を使うことで、エコに関心の高い消費者にアピールする事例が増えています。
ハイブリッド広告のメリット
ハイブリッド広告戦略とは、オフラインとデジタルを組み合わせたマーケティング戦略で、近年この組み合わせが効果的な広告戦略だと言われています。
- 広範囲の視聴者にアプローチできる
デジタル広告が特定のターゲットに効果的にアプローチできる一方で、ビルボードやポスターといったオフライン広告は、地域全体など広い範囲の人々に視覚的な影響を与えることができるので、
両方を組み合わせることで、オンラインとオフラインの両方でより効果的なマーケティングが可能になります。 - 顧客エンゲージメントの増加
オフラインイベントや宣伝にQRコードや特定のハッシュタグを組み込むことで、消費者はオンラインでさらに詳しい情報を得たり、イベントに関与したりすることが可能になり、顧客のエンゲージメントが向上します。 - ブランド認知度の向上
デジタル広告で興味を引いた後、オフライン広告でメッセージを強化することで、ブランドの認知度を高め、記憶に残しやすくできます。
効果的なハイブリッド広告の要素
一貫性のあるメッセージング
オンラインとオフラインの広告で一貫したブランドメッセージを保つことで、消費者に混乱を与えず、ブランドのストーリーを効果的に伝えることが重要です。
データの活用
デジタル広告から得られるデータを分析し、オフライン広告の戦略を調整することが、両方のメディアの効果を最大化すると言われています。
クリエイティブな組み合わせの活用
デジタルメディアの柔軟性とオフラインメディアの実体性を組み合わせることで、革新的で記憶に残るキャンペーンを創出することができます。
消費者との直接的なエンゲージメントを
高めるオフライン体験
デジタル中心のマーケティングが主流の中、オフラインによる直接的なやり取りは、ブランドへの感情的なつながりを深め、強い印象を残します。
体験型マーケティングの効果
体験型マーケティングは、商品やサービスを直接体験する機会を提供し、ブランドへの愛着を育てることが可能です。イベントやポップアップストアは、参加者の感情に訴え、ブランドへの関心を高める効果的な手段と言えます。
顧客からの直接的なフィードバックの重要性
リアルタイムで見る顧客の反応は、デジタルでは得られない貴重なデータであり、企業は製品改善やサービスの質向上に直接つながる意見を得ることができます。
このように、オフライン体験はデジタルでは表現できない多次元的な価値を提供し、企業と消費者の双方にとって有益な結果を生み出すことができます。
ポップアップストアの活用事例
SNSでの事前のデジタルキャンペーンと連動し、ポップアップストアを活用する事例も多くみられます。
・IKEA
イケア・ジャパンは、広島県で初となる「IKEAポップアップストア in 広島」をイオンモール広島府中に期間限定(2024年6月20日~10月6日)でオープンし、
イケアの「デモクラティックデザイン」に基づいて厳選された約200点の定番商品を販売する予定です。
イケアは日本国内で様々な顧客接点を増やしており、13の店舗の他にカスタマーサポートセンターや商品受取センター、他のポップアップストアも展開しています。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2405/02/news080.htmlより引用
・goyemon:「unda-雲駄-」
プロダクトデザインユニット「goyemon」が「goyemon POP-UP STORE OSAKA」と題して、大阪心斎橋のファッショナブルなエリアにあるイベントスペースで、2024年5月11日(土)と12日(日)の2日間限定のポップアップストアを開設します。
雪駄とスニーカーを融合させた「unda-雲駄-」の定番モデルやコラボレーションモデル、雑貨やアパレル、コーヒー豆など、様々な商品が販売される予定です。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000053428.htmlより引用
・オアシスライフスタイルグループ:マックロ(MACQLO)
スーツに見える作業着「WWS」を展開するオアシスライフスタイルグループは、「黒と高機能性」にこだわった新ブランド「マックロ(MACQLO) 」のポップアップストアを、2024年4月19日から大阪・梅田のグランフロント大阪に開設しました。
渋谷パルコにて3月に開催された「マックロ」のポップアップストアは、開始初日に売上目標の10倍を達成し、全期間にわたって売上予想の3倍を上回る結果となり、黒で統一されたスタイリッシュなディスプレイが話題となっています。

https://www.wwdjapan.com/articles/1803651より引用
オフライン体験を通じて消費者とのエンゲージメントを高めることは、デジタルデトックスを意識した層への効果的なアプローチとなります。
デジタルデバイス上だけでは「実際の購入やサービスの利用に至るまでの判断ができない」ということも多いと思いますが、オフライン体験は、実際の商品購入への後押しをしてくれる前向きな方法だと考えます。
オフライン広告の活用にご興味がある方は、ぜひ当社にご相談いただければと思います。