コロナ禍の影響でリモートワークが急速に普及しましたが、それに伴い、コミュニケーション不足やチームの生産性低下といった課題も浮き彫りになっています。
特にWeb関連の職種ではリモートワークが一般的ですが、メンバーと直接顔を合わせる機会が少ない状況で、「どうやってチームをまとめるか」に悩むケースも少なくありません。
そこで注目を集めているのが「オンラインチームビルディング」です。
この取り組みは、リモート環境でもチームの結束力を高め、業務効率の向上につながると期待されています。
今回は、この「オンラインチームビルディング」について詳しくご紹介します。
オンラインチームビルディングとは?
「チームビルディング」とは、組織やチームが効率的かつ効果的に機能するための取り組みを指します。
具体的には、メンバー同士の信頼関係を築き、それぞれの個性や能力を最大限に活かしながら、共通の目標を達成できるチームを作り上げることを目的としています。
そのオンライン版が「オンラインチームビルディング」です。
リモートワークの普及に伴い、直接顔を合わせる機会が減る中で、ZoomやMicrosoft Teamsといったツールを活用して行う新しい形のチームビルディングが注目されています。
オンラインチームビルディングが注目される背景には、リモートワーク特有の課題があります。
たとえば、対面でのコミュニケーションが減ることで生じる意思疎通の難しさや、孤独感からくるモチベーション低下が挙げられます。
こうした課題を解決し、チームの生産性を高める手段として、オンラインチームビルディングは非常に効果的な方法とされています。
リモートワークが抱える課題
リモートワークのメリットは多いですが、同時に下記の課題も生じていると言われています。
- コミュニケーション不足:
リモートワークでは、日常的な雑談やちょっとした相談が減少し、メンバー同士の信頼関係が希薄化しがちです。
「こんなことを聞いたら迷惑では?」といった遠慮が積み重なり、意思疎通が難しくなることも少なくありません。 - テキストコミュニケーションの誤解
リモート環境では、チャットやメールなどテキストによるコミュニケーションが中心になります。
これにより、意図や感情が伝わりづらく、時に誤解や対立を招くことがあります。
顔が見えないからこそ、温度感の違いが問題になるのです。 - 生産性の低下
パーソル総合研究所の調査によると、リモートワーク後に生産性が低下したと感じる人は6割以上。
コミュニケーション不足や孤独感が原因で、チーム全体のパフォーマンスにも影響が及びます。
オンラインチームビルディングの
効果とメリット
オンラインチームビルディングを取り入れることで、以下のような効果が期待できます。
- 相互理解の深まり
オンラインでのワークやゲームを通じて、メンバーそれぞれの人柄や考え方を知ることができます。
これにより、互いの特徴を活かした適材適所の配置が可能になります。 - 心理的安全性の向上
心理的安全性とは、「自分の意見を安心して発言できる環境」を指します。
オンラインチームビルディングでは、小さな成功体験を積み重ねることで、メンバー間の信頼を深め、意見を共有しやすい環境を作ります。 - チームの一体感:
共通の目標に向かって協力することで、チーム全体の一体感が高まります。
同じビジョンを共有することで、メンバー全員がモチベーションを維持しやすくなります。
オンラインチームビルディングを
成功させるポイント
- 適切なプログラムの選定:
ゲームやイベント、ワークショップなど、目的に応じたプログラムを選ぶことが大切です。
例えば、「NASAゲーム」や「リモ謎」など、楽しみながら協力できる活動が効果的です。 - カメラオンでの参加を推奨
表情や仕草が見えることで、コミュニケーションが深まりやすくなります。
可能な限りカメラをオンにして、よりリアルに近い環境を整えましょう。 - 発言しやすい環境の整備:
ファシリテーターを配置することで、発言が苦手なメンバーにも話す機会を与えられます。
これにより、全員が積極的に参加できる雰囲気を作ることができます。
※NASAゲーム・・・
チームメンバーとの合意形成を行いながら解決するゲームで、宇宙船の故障で月面に待っている母船から200km離れた場所に不時着してしまった宇宙飛行士という設定。手元に残った15のアイテムに各自生存に必要な優先順位をつけ、その後にグループで話し合いを行い、優先順位を決定する。
※リモ謎・・・
オンラインでビデオチャットを活用しながら実施する、謎解き脱出ゲームのことで、 参加者自身が物語の主人公となり、チームを組んで設定された時間内に謎を解いてクリアを目指す。
オンラインチームビルディングの進め方:
4つのステップ
心理学者タックマンが提唱した4つのステップに基づき、チーム形成の流れを整理します。
- STEP1: 形成期
メンバー間の関係がまだ浅い状態。
相互理解を深めるために、軽いゲームや交流会を行うことが効果的だと言われています。 - STEP2: 混乱期
意見の衝突が起きやすい時期です。
対話を重ね、チームの目標やルールを明確化することが重要です。 - STEP3: 規範期
チームのルールや目標が定まり、協力がスムーズになる時期です。
共有されたゴールに向かって、全員で取り組む姿勢を固めます。 - STEP4: 達成期
チームが成熟し、一体感が高まった状態。
各メンバーが主体的に役割を果たし、最大限のパフォーマンスを発揮します。
オンラインチームビルディングは、リモート環境下でのチーム力向上に不可欠な手段です。
メンバー間の信頼を築き、生産性を高めるためには、適切なプログラムや進行方法を選ぶことが重要です。
新しい環境下でのチーム作りに挑戦する際には、オンラインチームビルディングをぜひ取り入れてみていただければと思います。
参考記事
・https://help-you.me/blog/teambuilding0420/