ペルソナ設定という言葉を聞いたことはあるし、何となくやってみたことはある――でも、イマイチ手応えがなかったり、「結局どう活かせばいいの?」とモヤモヤしたりしていませんか?
実は、ペルソナって“ただ作るだけ”では効果が出にくいと言われており、いざ活かそうとすると「それって本当に現実にいる人?」とか「なんだか想像上の人物で終わってる」という課題にぶつかることも多いかと思います。
そこで今回は、ペルソナ設定の“基本”を軽くおさらいしたうえで、もう一歩踏み込むためのヒントについてご紹介したいと思います。

まずはペルソナ設定の基本をおさらい
「ターゲット」と「ペルソナ」の違い
- ターゲット:商品やサービスを届けたいお客様層(例:30代女性・都心在住・子育て中 など)
- ペルソナ:ターゲット層を代表する、具体的な“架空の一人”の人物像
「30代女性」をザックリと捉えるだけだと、広告やコンテンツを作るときに「どんな悩みがあって、どんな生活をしている人に向けて書いているんだっけ?」と方向性がブレがちです。
そこで、“ターゲットを代表する一人”をより詳しく描き出すのがペルソナ設定の大きな目的になります。
ペルソナを作るメリット
- 情報発信の方向性が明確になる
「この人に響く言葉はなんだろう?」と考えることで、広告やコンテンツのメッセージが一貫しやすくなります。 - 商品の改良や施策立案がしやすくなる
「どこでつまずきやすいか」「どんなサポートがあると嬉しいか」が明確になるので、製品の改善や新企画のアイデアが生まれやすいです。 - チーム内で共通認識を持ちやすい
「うちのお客さんはこういう人」というイメージを共有できるため、議論の土台が揃い、施策の検討がスムーズになります。

基本的な作り方の流れ
- データや顧客の声を収集する
既存顧客の年齢層、SNSのコメント、問い合わせ内容などを確認し、ざっくりしたターゲット層を把握します。 - 仮のペルソナを設定してみる
名前・年齢・性別、職業、家族構成、収入、趣味、日々の悩みなど、できるだけ具体的に書き出します。 - 本当に現実に即しているか検証
実際の顧客と照らし合わせたり、チーム内でディスカッションしながら「この人って本当にうちの客層?」「ズレてない?」とチェックし、必要に応じて修正・更新します。
いわゆる“教科書的”には、このあたりをしっかり押さえておけばOKとされています。
ただ、ここまでやっても「なんとなく表面的にまとまっただけ……」となることも多いと思いますので、次のセクションでは“さらに深掘り”して、ペルソナをもっと活かすための考え方を紹介します。
属性だけで終わらせず、“背景”を描く
「30代・都心在住・子育て中・フリーランスのWebデザイナー」。
これを聞いて、「あぁ、こういう人ね」とイメージできる方もいるかもしれません。
でも、さらに「どうしてフリーランスで働いてるの?」「家族はどんな生活リズムなの?」と深掘りしてみると、“こんな一面もあるのか!”という発見がたくさんあります。
もしかしたら、その人は「満員電車で通勤するのが嫌で独立した」のかもしれませんし、「育児しながらも自分の夢を諦めたくない」と強く思っているのかもしれません。
こうした“どうして”“なぜ”に迫ってみると、同じ30代女性でもアプローチ方法がまるで変わってくると思います。
データと“生の声”を両方チェック
よく「まずデータを集めましょう」と言われますが、数字だけでは見えてこない部分って案外多いと思います。
アクセス解析でサイトの滞在時間が短いことは分かっても、「なぜ途中で離脱したのか」までは教えてくれません。
それを補うのが、顧客インタビューやSNSの口コミ、レビューサイトに書かれている本音の声です。
たとえば、
- 「画像が少なくてイメージが湧かなかったから買わなかった」
- 「他社製品と比較検討しようと思ったら、比較表がどこにも見当たらなくて面倒だった」
こういう口コミを見つけて初めて、「あ、比較表を作っていなかったな」と改善のヒントに気づけます。
なので、定量データと定性データは両方をバランスよくチェックするのがおすすめです。
観察やユーザーテストで
“言葉にならない不満”を発見
インタビューをしても、意外と「何が不便だったか分かりません」と言われるケースは多いもので、ユーザー自身が自覚していない不満や、あえて口にはしない問題点があるからです。
そこで、アプリやサービスを実際に使っているところを観察する「ユーザーテスト」や、店舗での行動をさりげなくチェックする方法が効果的だと言われています。
- 「どうしてここでクリックを迷っているの?」
- 「こっちの導線に気づかないみたいだけど、見つけにくいのかな?」
こうやって画面の動きやリアクションを見ていると、言葉にはしにくいリアルな不満が浮かび上がります。
そうした“小さなストレス”が、実は購買意欲やサービス利用を阻害しているケースも少なくありません。
カスタマージャーニーと合わせて考えると
劇的に分かりやすい
ペルソナを“人物像”として描き切ったら、次は「この人は最初に商品を知ってから買うまで、どんな流れを辿るんだろう?」と想像してみるのもおすすめです。
いわゆるカスタマージャーニーです。
たとえば、
- 認知段階:SNSの投稿で初めて知り、「あ、このサービス面白そう」と気になる。
- 比較段階:公式サイトをチェックしたり、口コミを探したりする。ここで疑問や不安が出てくる。
- 購入段階:キャンペーンや割引クーポンなどが決め手になり、購入に至る。
- リピート・ファン化:商品の品質やアフターサポートが良かったので、友人にも薦めたくなる。
こうやってストーリー仕立てで考えると、「どこでどんな情報を提供すればいいのか」「何があれば不安を解消できるのか」が自然と見えてきます。

ペルソナは“固定”ではなく
“育てていく”存在
一度作ったペルソナが、いつまでも正しいとは限りません。
社会の状況が大きく変わったり、自社の商品ラインナップが広がったりすると、ターゲット層も変化しますし、それに伴ってペルソナもアップデートしていく必要があります。
定期的に「これ、本当に今のうちのお客さんを表してる?」と問い直してみると、「実は最近、若年層の購入が増えている」「在宅ワークの影響で別のニーズが生まれてる」といった新事実が見つかるかもしれません。
ペルソナを“育てる”イメージで更新し続ければ、常に新しい発見を得られると思います。

ペルソナ設定は、単なる属性情報で終わってしまうと「なんかありきたりだな……」と感じがちだと思いますが、そこから一歩踏み込んで「どんな人生を歩んできて、今どんな悩みや願望を持っているのか?」まで想像すると、まるで目の前にユーザーがいるかのようなリアルさが生まれます。
そのリアルさこそが、次の施策へと繋がる大きなヒントです。
もし「今いちどペルソナを見直したい」というタイミングが来たら、インタビューや観察を活用したり、カスタマージャーニーを合わせて考えたりして、“実在感”のあるペルソナを作り込んでみてください。
きっと、「こんなところでつまずいてたのか」とか「ここをもう少し説明するだけで売上が変わるかも」といった新たな気づきを得られると考えます。