ブログ記事や自社コンテンツを執筆しているときに、「アクセスはあるのに商品やサービスの購入につながらない……」「自社の魅力を伝えたいのに、どんな文章なら売れるのかわからない……」といった悩みを抱えたことはありませんか?
こうした課題を解決するために役立つのが「セールスライティング」です。
読者の心を動かし、実際の購入や申し込みといった行動にまでつなげる書き方を身につければ、自社コンテンツやWebサイトから生まれる成果はぐんと高まると言われています。
今回は「セールスライティング」とは何か、初心者でも使いやすい書き方のコツや文章の型についてまとめてみます。

セールスライティングとは?
セールスライティングとは、一言でいうと「商品やサービスを買ってもらうための文章を書くスキル」のことで、普通のブログ記事やコンテンツとの違いは、「読者に何らかの行動をしてもらうこと」を目的としている点にあり、具体的には、商品購入・サービス申し込み・資料請求・問い合わせなどのアクションにつなげるための文章を指します。
商品やサービスを売りたいシーンでは、セールスライティングが欠かせません。「読者(見込み客)の悩みや欲求を理解しながら、自然に購入したい気持ちにしていく」のが、セールスライティング最大のポイントと言えます。
セールスライティングが必要とされる理由:
「3つのNOT」を超える
セールスライティングを学ぶうえで、まず意識したいのが「3つのNOT(壁)」だと言われており、人が行動を起こす際の心理的なハードルを表したものとされています。
- Not Read(読まない)
- Not Believe(信じない)
- Not Act(行動しない)
「読まない・信じない・行動しない」の3つの壁を乗り越えなければ、いくら魅力的な商品でも購入につながりにくいのが現実だと言われており、セールスライティングでは、この3つの壁を意識しながら文章を構成していきます。
コピーライティングとの違い
セールスライティングとよく混同されるのが「コピーライティング」で、どちらも商品を売る目的で用いられることがありますが、役割や使いどころに違いがあります。
セールスライティング | コピーライティング | |
---|---|---|
ターゲット | 商品・サービスに興味のある見込み客 | 見込み客を含む大勢の人 |
目的 | 購入や問い合わせなど具体的な行動を促す | 企業や商品の認知度向上、イメージアップ |
情報量 | 多い(ブログ記事、LP、メルマガなど) | 少ない(キャッチコピーや1行広告など) |
主な活用シーン | ホームページ、ブログ、LP、メルマガ | CM、屋外看板、Webバナー広告など |
セールスライティングは、すでに商品に興味がある読者を「後押し」する文章技術で、コピーライティングは短いキャッチコピー等で幅広い層に「認知させる」ための技術と言えます。
セールスライティングが活用できる
5つの場面
セールスライティングは、以下のように多くの場面で力を発揮します。
- ホームページ・ランディングページ・ブログ
- メルマガ・公式LINE
- DM(ダイレクトメール)・チラシ
- 動画
- プレゼン・スピーチ
動画やプレゼンにも応用できるのは「人の心を動かす」という本質が共通しているからであり、セールスライティングを身につけておけば、どのようなメディアでも応用しやすくなると考えます。
【基本】セールスライティングのコツ6つ
ここからは、実際にセールスライティングで記事を書くときに意識したいポイントを6つご紹介します。
ターゲットを明確にする
誰に向けて書いているか(ターゲット)を、できるだけ具体的にイメージします。
年齢・職業・抱えている悩み・どんな情報を求めているかなどを考えることが大切で、もし難しい場合は、過去の自分や身近な家族・友人をモデルに設定するのもおすすめで、ターゲットが明確になるほど「その人に響く表現」が書きやすくなります。
興味を引くタイトルや見出しを付ける
読者はまず「読むかどうか」をタイトルや見出しで判断する傾向があり、「Not Read(読まない)」の壁を超えるため、魅力的なタイトルや見出しを付けることが重要です。
- 数字を入れて具体性を出す(例:「3ヶ月で-10kg!食事制限なしで痩せる新常識」)
- 疑問形を使う(例:「本当に痩せる?パーソナルジムが注目される理由とは」)
- 読者の悩みに直接語りかける(例:「忙しくても痩せたい!週1回のトレーニングで変わる?」)
根拠や裏付けを提示する
「Not Believe(信じない)」の壁を超えるには、信頼できるデータや実績を示すことが有効で、公的機関の調査結果や専門家の意見、利用者の口コミなどを引用して、読者の不安を解消することが効果的です。
商品やサービスのデメリットも伝える
メリットだけを並べると怪しさが増してしまい、説得力に欠けるため、デメリットとその理由を併せて提示することで、誠実さや納得感が高まり、逆に「本当なんだ」と思ってもらいやすくなると言われています。
ベネフィットを伝える
「読者が商品やサービスを使うことで得られる未来」を具体的に描くことが重要で、メリット(特徴)だけでなく、最終的にどんな良い変化があるのかを示すと、購買意欲が高まります。
今すぐ行動すべき理由を提示する
読者の心理として、「まだいいかな…」と後回しにする傾向があるので、限定性や緊急性を示して「今申し込まないと損かも」と思ってもらうのがポイントで、「先着〇名限定」「○月○日まで割引」などの要素を加えることで、より行動を促しやすくなります。

【実践】セールスライティングで使える
6つの型
セールスライティングでよく使われる文章構成の“型”を6つ紹介します。
型に沿って書くだけでも、自然と売れる文章になりやすいと言われています。
- PREP法
- 新PASONAの法則
- QUESTの法則
- CREMAの法則
- AIDCASの法則
- BEAFの法則
PREP法
Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(再結論)
結論を先に示し、その理由や具体例を続けるので、短めの文章でも要点が伝わりやすいのが特徴です。
新PASONAの法則
Problem(問題提起)→ Affinity(共感)→ Solution(解決策)→ Offer(具体的提案)→ Narrow down(限定)→ Action(行動を促す)
読者の抱える悩みを意識させ、共感しながら解決策を提示し、最後に行動を促します。
「悩みを明確に理解していない」読者に刺さりやすい型です。
QUESTの法則
Qualify(読者の絞り込み)→ Understand(共感)→ Educate(啓発)→ Stimulate(興奮)→ Transition(行動への変化)
冒頭で「あなたのことですよ」と絞り込み、最後に行動まで導きます。
「自分と同じ悩みだ!」と思った読者が、より真剣に読み進めてくれます。
CREMAの法則
Conclusion(結論)→ Reason(理由)→ Evidence(証拠)→ Method(手段)→ Action(行動を促す)
結論を先出しし、その理由と証拠を示して納得させるので、忙しい読者が「なるほど」と思いやすい構成だと言われています。
AIDCASの法則
Attention(注意)→ Interest(興味)→ Desire(欲求)→ Conviction(確信)→ Action(行動)→ Satisfaction(満足)
購買心理に沿って段階的に書き進めるので、自然に商品を手に取りたくなる流れを作れます。
最後の「Satisfaction」は購入後の満足度を高めるための要素です。
BEAFの法則
Benefit(利益)→ Evidence(根拠)→ Advantage(優位性)→ Feature(特徴)
競合が多い商品の場合、他社よりも優れている点を明確に示してあげるのが有効で、料金や機能を比較してみせるなど、読者が納得できる情報が鍵になります。

セールスライティングの注意点3つ
セールスライティングで良い成果を得るには、以下の点に注意します。
事実に基づいた正確な情報を伝える
嘘や誇大広告は読者の信頼を損ねるだけでなく、法的リスクも伴うため、データを提示する際には「どこが発表しているか」を明記し、口コミなども正確に書くようにすることが重要です。
過度に煽らない
「そのままだと一生太ったままですよ」などの怖がらせ方は、読者に警戒感や不信感を与える可能性が高く、悩みに寄り添って共感するほうが、結果的に行動を促しやすいと考えます。
オーバーな表現を避ける
「飲むだけで絶対痩せる」「100%成功」など、誇張しすぎた表現は事実とのギャップを生み、クレームや悪評につながりやすく、後々のリピーター獲得にも影響するため、注意します。

セールスライティングは、ブログやWebサイト運営だけでなく、プレゼンや企画提案など幅広いシーンに応用できる強力な武器で、日常的に意識しながら書き続けることで、確実に成果が上がっていくと考えます。
参考記事
・https://www.xserver.ne.jp/blog/sales-writing/