最近、ファミリーレストランチェーンのデニーズが「ソロ活」に着目した新たなキャンペーンを始めるというニュースを目にしました。
近年、1名での利用が増えていることを背景に、ひとりで楽しむ“6つのシーン”を想定し、既存メニューを新たな切り口で提案して来店促進につなげる取り組みだそうです。

引用:https://www.advertimes.com/20250228/article490968/
「おひとり様での利用が増えれば、次に友人や家族と一緒に利用してもらえるかもしれない」という仮説から、「ソロ活」が自社にとっての新しいマーケットになり得ることを見越しての戦略には大きく頷けます。
ファミレスといえばグループ利用のイメージが強かったのですが、ひとりでふらりと入って作業をする、軽く食事をするなど、“気軽なひとり利用”も増えていることを象徴しています。
このニュースをきっかけに、改めて「ソロ活」が注目されている背景や、どんなメリットやビジネスチャンスがあるのかを整理してみようと思います。
ソロ活とは?
マーケティング視点でわかりやすく解説
ソロ活とは、あえてひとり(=ソロ)で外食やレジャーを楽しもうというポジティブなライフスタイルを指します。
以前は「おひとりさま」「ボッチ飯」といった言葉からややネガティブな印象を持たれがちでしたが、「ひとりでいること=自分の時間を大切にしている」「自由度が高い」という肯定的なイメージへと変わってきました。
実際に、一人客をターゲットにした飲食店やサービスが増加し、コロナ禍による「大人数での外出控え」も相まって、ソロ活市場は拡大傾向にあります。
ソロ活の定義と背景
ソロ活は「自分のペースで外食やレジャーを楽しむ」ことが軸にあります。
誰にも気兼ねせず、行きたいときに行きたい場所へ行き、やりたいことをやれる自由さが特徴です。
近年はSNSを通じて「ひとり行動を肯定する」流れが広まり、ドラマや書籍でソロ活を取り上げる作品も増えました。
さらにコロナ禍で大人数の集まりを避ける空気が強まったことも、ソロ活のブーム加速を後押ししています。
ソロ活が注目される要因
- ライフスタイルの多様化
SNSを中心に、自分の価値観を大切にする“ソロ行動”が受け入れられやすくなっています。 - コロナ禍による行動変容
大人数での外出や密集を避けたい思いから、ひとりで出かける気軽さが見直されました。 - 顧客ターゲットとしての可能性
ファミレスやカラオケ店などが「ひとり客ウェルカム」の環境を整え、新たな市場を開拓しています。
ソロ活のメリット
ソロ活には、ひとり時間を最大限活かせる魅力があります。
ここでは代表的なメリットを3つ挙げてみます。
自由度の高さ
複数人での外出は、スケジュールや目的地の調整が大変ですが、ソロ活なら誰にも合わせる必要がなく、好きなときに好きなことをできる自由さがあります。
予算を自分のために使える
割り勘だと「あまり食べていないのに損をしているかも…」といったモヤモヤが残ることもあり、ソロ活なら自分が食べたいもの・楽しみたいことだけにお金を使うので納得感が高まります。
気遣い不要
大人数での外出は楽しい反面、人に合わせたり空気を読んだりするストレスもあると思いますが、ソロ活なら自分のペースで動けるため、リラックスした時間を過ごせるのが魅力です。

マーケティング視点:
ソロ活がもたらすビジネスチャンス
ソロ活は楽しむ個人だけでなく、企業にとっても大きな可能性を秘めています。具体的にどのようなメリットやチャンスがあるのか、いくつかの観点から見てみます。
- 新たな顧客層の獲得
ひとり客を歓迎する環境を整えることで、繰り返し利用するリピーターを増やすチャンスがあります。 - パーソナライズ化の促進
アプリ注文やタッチパネルなど、個人の好みに合わせやすい仕組みはソロ活ユーザーにとって魅力的です。 - 口コミ・SNS拡散
ソロ活を好む人はSNSで情報を集め、発信する傾向が強いと言われているそうで、積極的な口コミが期待できます。 - 店舗イメージアップ
1人でも居心地が良い店は、グループ利用でも選ばれやすくなります。
デニーズのように「次は友人や家族を連れてくる」動線も期待できます。 - クロスセルやアップセル
ソロの利用者はメニューをじっくり見たり追加オーダーしやすかったりと、客単価向上や他サービスへの誘導にも繋がりやすいと言われています。

ソロ活は今や特別な人だけの趣味ではなく、多くの方にとって身近なライフスタイルになりつつあり、慌ただしい日常の中でも「ひとりの時間を自由に楽しむ」というスタンスが、多くの人に受け入れられています。
同時に、ソロ活をターゲットに捉えたサービス開発やPRは、新規顧客の開拓やブランドイメージの向上に大きく寄与し、店舗・サービス企画の際は「1人でも利用しやすい」「誰でも気軽に立ち寄れる」という視点を取り入れることも、重要な鍵となると考えます。
参考記事
・https://www.advertimes.com/20250228/article490968/
・https://www.hataraku-recipe.jp/_ct/17603435