私は、お仕事の相談をお聞きするときに、できるだけお会いして打合せを進めたい気持ちを持っていたのですが、このコロナ禍で考えが変わりつつあります。
映画監督の河瀬直美さんは、人と直接会って話をすることで、目を見て、その人を感じ取って、関係を深く保ってゆくことを良しとする感覚があるとお話していたのですが、私もこの感覚が無いと、なんだか不安で、落ち着かなかいのかもしれません。
楽天の三木谷浩史会長も、コロナ禍以前は、フェイス・トゥ・フェイス信者のようで、みんな集まって物事を進める古い考えを持っていたとお話していました。
この2020年のコロナ禍を機に、なかなか進まなかったテレワークが一気に注目されたのを機に、日々普及していることを実感しています。
今回は、この流れが変わってきたテレワークについてお話したいと思います。
働き方の不満
コロナ以降、場所や時間にとらわれないテレワークが一気に普及してきましたが、新しい働き方が加わり多様化することで、メリットデメリットがでてくると思います。
コロナ前になりますが、2019年12月に発表された首都圏の調査によると、働き方そのものに不満があると答えた割合は、71.7%と過半数を超えていました。
具体的な内容としては、いろいろとあるのですが、上位の意見としては下記の通りです。
勤務先の環境が良くない | 31.3% |
副業、兼業が認められていない | 29.1% |
フレキシブルな働き方が雰囲気的に使いづらい | 27.5% |
勤務時間の柔軟性が乏しい | 26.6% |
有給休暇が取得しづらい | 24.1% |
テレワークに関する調査
また同調査で、テレワークに関する項目が下記のとおりあげられていました。
テレワークの制度がない | 25.7% |
テレワークに適した仕事がない | 12.2% |
自宅の環境ではテレワークしづらい | 11.2% |
この数値は、2019年の内容ですので、2020年になるとコロナ後ということもあり、さらに心境が変わってきていると思います。
現に、アドビ(旧アドビシステムズ)が2020年3月に調査を行った結果を見ると、テレワーク経験者が今後も実施したいかどうかの答えで52.6%が「積極的に実施したい」という結果がでているので、かなり数値が高まることは間違いなさそうです。
アニメ制作、マンガ制作、映画制作の現状
このサイトでは、基本、クリエイティブ業界の制作会社についてお話していますが、他のコンテンツ業界に目を向けると、アニメやマンガ、映画といった制作現場もあります。
アニメではアフレコの際に録音する防音室、マンガでは、スタッフを抱えている漫画家の制作部屋、映画ではロケ先や編集等で、それぞれ3密が伴いますが、少人数のアフレコや、制作を電子化にする等、工夫をしながら制作を進行、または検討されているようです。
「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督は、その後の作品で完全リモートで映画(カメラを止めるな!リモート大作戦!)を制作しましたが、制作で不便を感じることはあまり無かったようで、いろいろと工夫しながら進めると、意外とできると2020年5月1日の日経MJの記事で答えていました。
※その作品を実際にYouTubeで観てみましたが、内容はもちろんおもしろかったのですが、コロナ禍のまっただ中、人の気持ちを少しでも明るくするために考えられたストーリーで、押しつけすぎない、ほどよい感じのバランスがすごく良かったです。
また、クラウドファンディングへの流れもあって、これもとても素敵だなと思いました。
広告制作の現場では
制作会社の組織形態では、データを自宅に持ち帰って、オンラインでのやりとりを駆使しながら、対応をしているようです。
※これは自宅に制作機材がある場合ですが、無い社員には会社から支給したり、持ち帰ったりしています。
そのため、デザインデータ等を作り込んだり、コーディング作業やライティング等、クリエイティブな作業についてはほぼ問題無いかと思います。
ただ、懸念事項としては、セキュリティ面の問題があると考えます。
ウェブでは、サーバへのアクセス情報や、パスワード系、グラフィックですと制作に必要な依頼会社からの資料等、データを慎重に取り扱わなければならない点がいくつかでてきます。
広告制作会社のテレワーク対応
広告制作をおこなっているクリエイティブの業界は、だいぶ前から割とテレワークを実施、実践しているところがありますし、仕事の内容自体が、パソコンひとつあればなんとでもなるので、特に問題無く、対応できているようです。
フリーランスの制作現場になると、もう最初からテレワークで機材や環境が整っているので、制作については、全くといっていいほど影響は無いはずですが、お仕事の案件自体が減少しているので、受注のほうが心配になる場合が出てくると思います。
今後、制作会社とテレワーク対応でのお仕事を希望される場合、おそらくどこの制作会社でも問題無く対応してくれるはずです。
フリーランスの強みのひとつ
先ほどもお伝えしましたが、特にフリーランスは、そもそもがテレワークですので何も問題無いと思います。
広告代理店や、制作会社になると一定の規約や、制限がでてくると思いますが、上記でお伝えしたセキュリティの面をしっかり確認しておけば、これも特に問題無いはずです。
この業界では、リモートワークをいかにスムーズにシンプルに無駄なくできるかを、日々試行錯誤しているので、いろんなツールを教えてもらう機会になり、貴重な情報もあると思うので、お付き合いのある制作会社やフリーランスのクリエーターがいらっしゃれば、いろいろ聞いてみると良いかもしれません。
制作会社の打合せはテレワークでメリット大
また、デザイン等はニュアンスで伝えることも多いと思うので、テレワークでうまく伝えたることができるか不安になることもありますが、画面共有機能等で、リアルタイムで修正や確認ができるため、打合せをするよりも効率よく進められることもあります。
Webサイトの打合せは、参考サイトを閲覧するときや画面の確認も便利ですし、グラフィックの場合でも、この文字を少し大きくしてみてとか、色を少し赤系に変更してみてとか、位置をずらして等々、やってみると何も問題無かったりしますので、デザインの打合せをテレワークで行うこともおすすめです。
通常のデザインの打合せを行う場合、画面を見せながらの確認や修正対応は、想像する通り手間が掛かり煩わしくなりますし、その他余計な情報等もあるので、なかなか難しいと思います。
また、画面をプロジェクタ等に映像を出力して確認することはできますが、商談ルームでそのような設備が伴っているところも多くは無いと思います。
お客さまとの打合せ
サイト内でも制作体制をお伝えしていますが、イメージバナーでは、個人のスキルを最大限に活かして、チームを組み、体制をしっかり長期に渡って整えながら、日々業務をおこなっています。
今回のコロナ禍では、Web会議がお客さまとも増えて、移動時間のロスが無くなり、より効率良く、作業を進めることができるようになりました。
またWeb会議については、 Zoom、Teams、Meet等、会社毎、個人毎に異なるようですが、私たちは、どのタイプでも対応できるように勤めています。
以前からの課題ではあったのですが、なかなかお客さまにお願いすることは難しいと感じていたなので、いまが変わるタイミングだと思います。
「3即」の制作体制
また、イメージバナーの制作体制も、チーム同士でのWeb会議がより増えて、効率的にスピード感を持って対応できるようになりました。
チームでの打合せは外でおこなっていたのですが、一度外出してとなると、かなりの時間のロスになります。
そのため、やはり制作する時間はまとまって取れるほうが、集中できて助かるので、Web会議での進め方は、3即が以前にも増してきたので、本当にメリットが大きいと感じています。
デザインの制作現場でも、報告、連絡、相談のホウレンソウがもちろん重要ですが、案件内容については、目でデザイン等の内容を見る判断が大きいこともあり、確認、検討、提出はスムーズに仕事を進めるうえで、とても重要で、欠かせない要素となっています。