見やすく伝わる資料作成の方法とは?広告提案のための必須テクニック

制作会社としてお客様に提案を行ったり、制作チーム内で同じ目標に向かって作業をする際には、見やすくて伝わる資料が欠かせません。
資料は単に情報を伝えるだけでなく、プロジェクトの進行をスムーズにし、関係者の理解や納得を得るための重要なツールだと考えています。
しかし、多くの方が「資料作成に時間がかかる」「伝わりにくいと言われる」といった悩みを抱えているのではないのでしょうか。

資料作成には、情報を整理し、わかりやすく視覚化するスキルが必要です。
今回はすぐに実践できる資料作成のコツについてまとめたいと思います。


資料作成の基本ルール

目的とターゲットを明確にする

まずは、資料の目的とターゲットを明確にします。
たとえば、経営層向けの資料と現場の担当者向けの資料では、伝える内容や方法が異なります。

  • 経営層向け: コスト削減効果やROI(投資対効果)に焦点を当てる。
  • 現場担当者向け: 実務的なメリットや作業効率の改善に注目する。

読み手が誰かによって、資料の内容やアプローチを変えることで、相手に響く提案ができます。


シンプルさを重視する

広告や提案の資料では、シンプルで分かりやすいことが重要です。
専門用語を多用せず、具体的な数字や図を使って説明すると、相手がすぐに理解しやすくなります。

  • 情報の取捨選択: 必要な情報のみを厳選し、冗長な説明を避ける。
  • 視覚的な要素を活用: 図やグラフで情報をビジュアル化し、伝わりやすくする。

ロジカルに伝える(PREP法の活用)

広告提案の場では、ロジカルな説明が求められます。
PREP法を活用すると、主張が分かりやすくなり、説得力が増します。

  • Point(主張): 提案する施策の結論を最初に述べる。
  • Reason(理由): その施策が必要な理由を説明する。
  • Example(具体例): 具体的な成功事例やデータを挙げる。
  • Point(主張): 最後に再度結論を繰り返し、強調する。

デザイン面でのポイント

広告やプロモーションの資料は、ビジュアル的な要素が重要です。
デザイン面でのポイントを押さえて、見やすくインパクトのある資料を作りましょう。

配色のルール:3色のみ使う

広告資料にはインパクトが必要ですが、カラフルにしすぎると逆効果です。
「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の3色に限定し、統一感を持たせましょう。

  • ベースカラー: 背景や本文の色(目立ちすぎないものがベター)。
  • メインカラー: 強調したいポイントや見出し。
  • アクセントカラー: 特に注目してほしい部分(例: キーとなるデータや重要な指示)。

3色を超えると、情報が散漫になりやすいので注意が必要です。


余白の取り方とその効果

広告資料では、余白の使い方も重要です。
情報を詰め込みすぎると、かえって伝わりにくくなります。
適度な余白を設けることで、情報の優先度が明確になり、視線の誘導がしやすくなります。


図やグラフの使い方

特に数字を扱う広告資料では、図やグラフを活用して視覚的に伝えることが大切です。
たとえば、キャンペーン効果の説明や市場データの提示には、以下の方法が効果的です。

  • 棒グラフ: キャンペーンの効果を他の施策と比較する際に有効。
  • 円グラフ: 広告予算の配分など、全体に対する割合を示す。
  • 折れ線グラフ: 期間ごとの広告効果の変動を示す場合に適している。

グラフの選択を誤ると、データがかえって伝わりにくくなるため、使い分けを意識することが大切です。


時間を短縮するためのコツ

資料作成にかける時間を最小限に抑えつつ、効果的な提案を行うためのコツについて紹介します。

プロットを作成してから資料を作成する

資料作成の前に、プロット(構成案)を作成しておくと、全体の流れを把握しやすく、作成の途中で方向性がズレるのを防げます。
特に複数の施策を提案する場合は、各施策ごとに順序立ててプロットを作成すると良いでしょう。


テンプレートの活用

社内で使用する資料テンプレートを事前に用意しておくと、ゼロから作り直す手間が省けます。
プレゼン用のテンプレートや、広告計画用のテンプレートなど、用途に応じたテンプレートを用意することで、作業の効率が上がります。


フィードバックを受けるタイミング

資料を完成させる前に、プロットやドラフトの段階でフィードバックをもらうことも大切かと思います。
広告戦略の方向性が決まってから修正するよりも、早い段階でチェックを受けることで大幅な修正を避けられます。


各ツール(パワーポイント、ワード、エクセル)の使い分け

広告資料の作成には、ツールの使い分けも大切です。

パワーポイント:プレゼン資料向けのコツ

パワーポイントは、プレゼン資料に適したツールです。
以下の点を心がけましょう。

  • 1スライド1メッセージ: 各スライドに1つの主張を明確に伝える。
  • スライドマスター機能の活用: テンプレートを活用してデザインを一括編集し、時間短縮を図る。
  • Zの法則やFの法則に従ったレイアウト: 視線の動きを意識してデザインすることで、メッセージが効果的に伝わる。

ワード:レポートや報告書向けのコツ

ワードは、詳細な説明が必要なレポートや提案書の作成に向いています。

  • アウトライン機能の活用: 文書全体の構成を整理しやすくする。
  • 余白や行間を適度に調整: 読みやすさを確保するために、文字の密集を避ける。
  • スタイルセットで一貫性を持たせる: デザインを統一して資料全体の見やすさを向上させる。

エクセル:データ資料向けのコツ

エクセルは数値データを扱う資料に向いています。

  • 条件付きセルの設定で視覚的に強調: 売上達成率やKPIの達成状況を色分けして見やすくする。
  • グラフの適切な利用: 複雑な数値データも視覚的にわかりやすく整理。
  • セルのサイズに合わせたトリミング: 表やグラフのレイアウトを整えることで、資料の見栄えを向上。

提案資料は、プロジェクトの成否を左右する非常に重要なツールです。
効果的な資料があれば、クライアントへの提案内容がより明確に伝わり、納得感を得やすくなります。
また、チームメンバーと共有する際も、資料を通じてプロジェクトの方向性や目的がしっかりと理解され、スムーズな意思疎通が可能になります。
これにより、チーム全体が同じ目標に向かって進むことができ、質の高い広告制作を実現することができます。

ディレクターとして、資料作成を単なる業務の一環と捉えるのではなく、コミュニケーションの手段として重視することが求められます。
しっかりとした資料を準備することで、クライアントやチームメンバーとの信頼関係を築き、プロジェクトの進行をより円滑にすることができると考えます。


参考記事
https://liskul.com/making-materials-tips-70224