トレードマーケティングの基本

トレードマーケティングに関するこちらの記事を読みました。
この記事では、トレードマーケティングとは、に小売(主にバイヤー)やショッパー(購買者)」を対象にしたマーケティングであり、小売やショッパーのインサイトを深く理解し、それに基づいて小売やショッパーに売れる仕組みをつくること」と説明しています。


デザインに関わるマーケティングとしては、「ブランドマーケティング」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
ブランドマーケティングは、主に消費者をターゲットにしており、消費者の心を掴むブランドの価値を作り出し、統一感のあるブランドイメージを構築することを目的としています。


一方、トレードマーケティングは、主に小売業者をターゲットにしています。市場競争が激しくなり、商品が店に並ぶことの大切さが着目されるようになったことで、小売業者を顧客と捉え、単なる商品の流通ルートと考えることはせず、マーケティングを展開するようになりました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000520.000002888.htmlより引用


今回は、トレードマーケティングの基本とその効果、中小企業が取り入れる際のポイントについて、整理して学んでみたいと思います。


日本のトレードマーケティングの変遷

日本のトレードマーケティングは、下記のように変化してきたと言われています。

初期段階

日本のトレードマーケティングの起源は、高度経済成長期(1950年代後半~1970年代初頭)にさかのぼります。
この時期、多くの日本企業が生産性を高め、国内外の市場で競争力を確立しようと努力していたため、トレードマーケティングは、主に製品の流通を効率化し、小売業者との強力な関係を構築することに焦点を当てていました。

流通革命

1980年代に入ると、日本では「流通革命」と呼ばれる一連の流通改革が行われ、
従来の複雑で非効率的な流通構造が簡素化され、メーカーと小売業者の直接取引が促進されるようになった結果、トレードマーケティングはより戦略的な位置づけになり、販売促進、棚割り戦略、物流改善などが重視されるようになります。

消費者行動の変化との連動

1990年代から2000年代にかけて、日本経済はバブル崩壊後の長期停滞期に入り、消費者行動はより多様化し、価値志向へとシフトしました。
この変化に対応するため、トレードマーケティングでは市場調査や消費者データの分析がより重要になり、小売業者との協業による販売促進キャンペーンや店舗内マーケティングが注目されるようになります。

デジタル時代の到来

一方で、1990年代から2000年頃にかけては、インターネットの普及を筆頭に、デジタルテクノロジーが大きく発展し、トレードマーケティングにも新たな次元をもたらしました。
Eコマースの台頭により、オンラインとオフラインの融合(O2O)戦略や、データ分析を活用したパーソナライズされたプロモーションが重要な戦略となっていきます。
また、SNSやモバイルマーケティングの利用も、トレードマーケティング戦略の一環として取り入れられます。

現代

現在、日本のトレードマーケティングは、持続可能な成長と競争優位性を実現するために、サプライチェーンの最適化、デジタル変革を活用した新たな顧客体験の提供、そしてサステナビリティへの取り組みといった、より複雑かつ高度な戦略が求められています。


トレードマーケティングのメリット

トレードマーケティングがもたらす主なメリットには、下記のようなことがあると言われています。

  • 関係の強化
    トレードマーケティングを通じて、販売パートナーとの間に強い絆を築き、製品の優先的な取り扱いを実現します。
  • 購買決定への影響
    店頭でのプロモーションやデモンストレーションにより、消費者の購入プロセスに直接影響を与えることができます。
  • 認知度の向上
    販売チャンネルを通じて、一貫したブランドメッセージを展開することで、消費者の心にブランドを印象付けます
  • 情報の獲得
    販売パートナーとの関係から得られる市場や消費者に関する現場の情報は、戦略の見直しや製品開発に活かすことができます。

中小企業がトレードマーケティングを
最大限に活用する方法

中小企業にとってのトレードマーケティングは、大手企業とは一味違う魅力を訴求し、市場内でのポジションを確立するための有効なツールだと言われています。

中小企業がトレードマーケティングを最大限に活用するための、よく言われているポイントを挙げてみます。

パートナーシップの強化

効果的なトレードマーケティングは、販売パートナーと良い関係を構築することから始まります。
信頼と相互利益に基づくパートナーシップを築くことで、製品の市場露出を増やすことができるのです。

ターゲット市場の特定

中小企業はリソースが限られているため、最も反応が良いと期待されるターゲット市場に焦点を当てることが重要になりますから、トレードマーケティングを通じて、これらの市場に合わせた戦略を展開します。

差別化

市場での独自の位置を確立するには、製品やサービスの差別化が必須です。トレードマーケティングは、それらの特徴を前面に出して消費者にアピールするのに役立ちます。

評価と改善

どんなトレードマーケティングが効果的かを、定期的な分析と評価で判断し、戦略を最適化することで、投資対効果を最大化できます。


ブランドマーケティングと
トレードマーケティングの融合

トレードマーケティングは単独で考えるのではなく、ブランドマーケティングと融合させることが重要だと言われています。

そこで、ブランドマーケティングとトレードマーケティングの融合の利点についてまとめてみました。

  • 一貫性のあるメッセージ
    ブランドマーケティングとトレードマーケティングの活動が一致していると、消費者に一貫性のあるメッセージが伝わり、信頼性が高まります。
  • 効果的なリーチ
    トレードマーケティングの戦略とブランドマーケティングの目標を統合することで、効果的にターゲット市場にリーチして、製品の露出を大きくできます。
  • 相乗効果
    両戦略を統合することで、販売促進活動がブランドの価値を高め、ブランド活動が販売促進をサポートする相乗効果が生まれます。

ブランドマーケティングとトレードマーケティングの融合については、
こちらの記事に紹介されています。



トレードマーケティング導入のためのステップ

トレードマーケティングを成功させるには、戦略的に計画し、段階的に実行することが重要ですから、トレードマーケティングを導入するためのステップを紹介したいと思います。

  1. 市場とターゲット層のリサーチ
    市場調査を行い、ターゲットオーディエンスとそのニーズ、競合他社との比較、市場のトレンドをリサーチします。
  2. 目標の設定
    目標は明確に設定します。例えば、「次の3か月で製品の販売を10%増やす」といった販売目標の他、ブランド認知度の向上、顧客エンゲージメントの強化などが含まれます。
  3. 戦略の策定
    目標達成のために、どの小売業者や販売パートナーと協力するか、どのようなプロモーション活動を行うかといった戦略を策定します。
  4.  実行計画の作成
    誰が何をいつまでにするかをリストアップし、予算や責任者も明確にした、具体的な行動計画を作ります。
  5. 実施とモニタリング
    計画に基づいてアクションを起こし、定期的に進捗をチェックし、顧客やパートナー企業からのフィードバックやデータを収集して結果を分析し、改善が必要かどうか確認します。
  6. 評価と改善
    キャンペーンの終了後、成果を評価し、成功した点と改善が必要な点を特定し、次のキャンペーンに向けて修正していきます。

今回はトレードマーケティングの概要とその効果、中小企業が取り入れる際のポイントついて紹介しました。
トレードマーケティングは大企業が取り組むものと考えがちですが、幅広く知識を取り入れて、自社ビジネスに活かしていく姿勢は大切だと思いました。