プロジェクトを成功させるには、適切な進捗管理が欠かせません。
しかし、いざプロジェクト管理を始めようとすると、「どのようにタスクを分ければよいかわからない」「全体像を把握できずに迷ってしまう」といった課題に直面する方も多いのではないのでしょうか。
そこで役立つのが「WBS(Work Breakdown Structure)」です。
WBSは、プロジェクトを細かなタスクに分解し、全体像を整理するためのツールです。
今回は、WBSの基本や作成方法、実践での活用ポイントについてまとめます。
WBSとは?基本的な概要
WBSの定義
WBSとは「Work Breakdown Structure」の略で、日本語では「作業分解構成図」と呼ばれます。
これは、プロジェクト全体を細かな作業単位に分解し、それをツリー構造で整理した図です。
WBSの用途
WBSの目的は、プロジェクト全体のタスクを可視化し、効率的な管理を可能にすることです。
プロジェクトの進行状況を把握しやすくなるだけでなく、タスクの抜け漏れ防止やリソース管理にも役立ちます。
WBSの役割の具体例
たとえば、ウェブサイトの制作プロジェクトを例にすると、以下のようにWBSを構築できます。
- 大項目: 要件定義、設計、開発、テスト
- 中項目: 機能要件の洗い出し、UI設計、プログラミング、動作確認
- 小項目: ヒアリング、ワイヤーフレーム作成、コードレビューなど
こうした分解によって、プロジェクトの進行が明確になり、関係者全員が同じ目標に向かって動きやすくなります。
WBSの使用目的とメリット
1. プロジェクトの全体像を明確化
WBSを使うことで、プロジェクトの全体像が一目でわかります。
スケジュールや必要なリソースを具体的に計画するために、全体の流れを理解することは不可欠です。
2. タスクの抜け漏れを防ぐ
WBSは、各タスクを体系的に整理するため、抜け漏れを防ぎます。
特に複雑なプロジェクトでは、WBSがリスク軽減に直結します。
3. チーム全員が作業内容を把握しやすい
WBSを共有することで、チームメンバーが自分の担当するタスクの位置づけを把握しやすくなります。
結果として、作業効率の向上とコミュニケーションの円滑化が期待できます。
WBSの種類
1. プロセス軸のWBS
プロセス軸のWBSは、プロジェクトの作業工程を階層的に整理する手法です。
中長期的なプロジェクトに適しており、具体的な成果物がまだ不明確な段階でも適用できます。
2. 成果物軸のWBS
成果物軸のWBSは、最終的な成果物を基準にしてタスクを整理します。
短期的なプロジェクトや成果物が明確な場合に有効です。
たとえば、住宅の建設プロジェクトでは、「基礎工事」「内装工事」などの成果物を基点にタスクを分解します。
WBSの作り方(具体的手順)
WBSは以下の7つのステップで作成します。
- 最終成果物を明確にする
- 必要なプロセスや手順を考える
- プロセスを具体的なタスクに分解する
- 作業の粒度・順序を整理する
- 作業を構造化する
- 期日を設定する
- 担当者を割り当てる
WBS作成時の注意点
1. マインドマップの活用
タスクを整理する際、マインドマップを使うと視覚的に把握しやすくなります。
2. プロジェクトの進行スケジュールに余裕を持たせる
計画に余裕を持たせることで、突発的なトラブルに対応しやすくなります。
3. ツールの活用
ガントチャートやテンプレート機能を使うことで、WBS作成が効率化します。
Web制作におけるチーム運用にとって、WBSはプロジェクトの全体像を把握し、スムーズな進行を支える強力なツールとなります。
案件ごとに最適化されたWBSを作成し、全員が共有することで、クライアントの満足度向上にもつながると考えます。
参考記事
・https://lychee-redmine.jp/blogs/project/tips-wbs-point/