「Webアプリ」のメリットと活用方法

デジタル技術の進化に伴い、私たちの日常生活やビジネスでは、Webサイトに加えて「Webアプリ」「モバイルアプリ」という言葉をよく耳にするようになりました。
これらは似ているようで、それぞれ異なる特性を持っています。


今回は、モバイルアプリやWebサイトに比べてイメージが湧きづらい「Webアプリ」のメリットと活用方法についてまとめてみたいと思います。



 Webアプリとは?:
各プラットフォームの基本的な違いと機能

各プラットフォームはそれぞれ独自の特性と機能を持ち、ビジネスのニーズに応じて異なる方法で活用されています。

Webアプリ

Webアプリはインターネットを介して直接ブラウザからアクセスし使用するアプリケーションです。
主な特徴としては、インストール不要であること、どのデバイスからでもアクセス可能であること、そして高度なユーザーインタラクションが可能であることが挙げられます。
例えば、オンライン文書作成ツールのGoogle Docsやオンラインショッピングプラットフォームなどがこれに該当します。

モバイルアプリ

モバイルアプリは特定のモバイルオペレーティングシステムに依存するアプリケーションです。
スマートフォンやタブレットにダウンロードして使用するソフトウェアを指し、FacebookやInstagramなどのアプリが含まれます。
これらはデバイス固有の機能を活用した体験を提供することができますが、更新や配布が複雑になる場合があります。

Webサイト

Webサイトは主に情報提供を目的としており、ユーザーは特定のインタラクションを行うことなく情報を閲覧できます。
更新は管理者が行うため、ユーザーは常に最新の情報を受け取ることができます。
ニュースサイトや企業の公式ホームページがこれに該当します。
Webサイトは情報拡散には効果的ですが、顧客との深いエンゲージメントや個別のニーズに応えるためには、Webアプリやモバイルアプリが適している場合があります。


Webアプリの特性と他のデジタルツールとの比較

Webアプリとモバイルアプリや従来のWebサイトとの主な違いを紹介します。

  1. 常にアップデートされる情報へのアクセス
    Webアプリはクラウド上で更新が行われるため、最新の情報や機能が即時に反映されます。
    対照的に、モバイルアプリはデバイスにダウンロードして使用するため、新しいアップデートをユーザーが手動でダウンロードする必要があります。
    Webサイトは情報提供に特化しており、インタラクティブな機能は限られていますが、Webアプリは情報提供とインタラクションの両方が可能です。
  2. 柔軟なアクセス性
    Webアプリはインターネット接続があればどのデバイスからでもアクセス可能で、特定のオペレーティングシステムに依存しません
    これに対し、モバイルアプリは特定のOS向けに開発されることが多く、異なるプラットフォームでの使用には別途アプリが必要です。
    Webサイトも広範なアクセスは可能ですが、複雑なタスクを実行する能力には制限があります。
  3. カスタマイズのしやすさ
    Webアプリはビジネスのニーズに応じて容易にカスタマイズが可能です。モバイルアプリもカスタマイズは可能ですが、変更を反映させるためにはアプリストアでの承認が必要になることがあり、プロセスが煩雑になりがちです。
    Webサイトは通常、静的な情報の提供に特化しており、動的なカスタマイズが限られています。

Webアプリの効果的な活用事例

顧客サービスの改善

顧客の問い合わせに24時間リアルタイムで対応するWebアプリによるチャットボット、オンライン予約システム、顧客管理システムなどが挙げられます。

効率的なリソース管理

在庫管理や人材スケジューリングに特化したWebアプリを使用し、オーバーストックや人手不足を解消できます。


Webアプリ導入による成功事例

Webアプリ導入の事例をいくつか紹介します。

・JRグループ:「TRAIN TRIP」
JRグループ6社による鉄道開業150年キャンペーンとして​​2022年にリリースした​​「My Japan Railway」キャンペーンで、「TRAIN TRIP」というWebアプリが使用されました。
利用者は日本全国の駅を訪れてオリジナルのデジタルスタンプを集めることができ、リリースから1年で12万人の利用者を超えました。
このWebアプリは、フランス・カンヌで開催されたカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルでインダストリー・クラフト部門のグランプリを受賞しました。

https://railway150.jp/contents/stamp/pc/より引用
参考記事:https://qetic.jp/art-culture/myjapanrailway-230703/452469/


三井住友信託銀行:「株主総会ポータル
三井住友信託銀行株式会社が開発したWebアプリは、株主と企業のコミュニケーションを円滑にすることを目的として開発されました。
このアプリを通じて、株主は自宅や職場から株主総会にオンラインで参加し、リアルタイムで質問を投げかけたり、議決権を行使したりすることができます。また、過去の総会の記録や議案の詳細情報にもアクセスが可能です。
ユーザーフレンドリーなインターフェースとシンプルで直感的な操作性が、幅広い年齢層の株主に対しても使いやすい環境を提供しています。特に高齢の株主がテクノロジーの利用に際して直面する可能性のある障壁が低減されました。
このWebアプリは、2023年グッドデザイン賞を受賞しました。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/16548?text=Web%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AAより引用


Webアプリ導入のポイント

Webアプリを導入する際には、いくつかポイントを考慮する必要があります。

ビジネスニーズの明確化

導入前に、どのビジネスプロセスを改善したいのか、どのような問題を解決したいのかを明確にすることが重要です。
Webアプリはカスタマイズが容易なため、具体的なニーズに合わせた機能を開発することが可能です。

ユーザー体験の最適化

Webアプリのユーザビリティは導入の成功に直結します。
使いやすさ、アクセスの容易さ、インターフェースのクリアさなど、ユーザーが直感的に操作できるデザインを心がけることが大切です。

セキュリティの確保

データ保護は任意のビジネスアプリケーションにとって最も重要な要素の一つです。
顧客情報、企業データの安全を保つために、適切なセキュリティ対策を施すことが不可欠です。特にクラウドベースのアプリケーションでは、データ漏洩や不正アクセスに対する保護措置を厳格に行う必要があります。

継続的なサポートとメンテナンス

Webアプリの導入は一回限りのプロジェクトではなく、継続的なプロセスです。アプリの定期的な更新、バグの修正、機能の追加など、長期にわたるサポート体制を整えることが成功のカギとなります。
また、ユーザーの変化するニーズに応じてアプリを進化させることが可能です。


Webアプリ導入の実践ステップ

Webアプリを効率的に導入するためのステップを簡単に説明します。

  1. 目標設定と要件定義明確なビジネス目標を設定し、必要なアプリ機能を詳細に定義します。
  2. プロトタイプの開発と評価
    初期のデザインでプロトタイプを作成し、ユーザーからのフィードバックを活用して改善します。
  3. セキュリティ対策
    データ保護のためのセキュリティ対策を計画し、実装します。
  4. 徹底的なテスト
    機能とセキュリティのテストを行い、問題を解決します。
  5. デプロイメントと運用
    テストを経たアプリを運用環境に導入し、定期的にアップデートとメンテナンスを行います。
  6. 継続的な改善
    市場の変化に応じてアプリを評価し、必要に応じて機能を更新します。

今回は、「Webアプリ」のメリットと活用方法についてまとめてみました。
インターフェースを選択する際は、ユーザーがどのデバイスを主に使用しているか、オフラインでの使用は必要か、更新の頻度などを考慮して、それぞれのインターフェースの特徴を活かせる選択を行うことが必要です。