Webサイトの改善を考える際に、何から始めれば良いのか迷う方も多いと思います。
「デザインを刷新する」「目立つボタンを配置する」といった施策が最初に浮かびがちですが、それだけでは成果に結びつかないことがあります。
その理由は、Webサイトの現状を正確に把握せずに施策を進めてしまう点にあると考えています。
効果的な改善を実現するためには、「現状把握」が欠かせません。
現状を正しく理解することで、課題や改善の方向性が明確になり、成果を上げるための適切な施策が見えてきます。
今回は、初心者でも取り組みやすい「現状把握」の方法と、それを活用した改善策についてまとめます。
「現状把握」とは？
現状把握とは、Webサイトが現在どのような状態にあるのかをデータをもとに分析するプロセスです。
これにより、ユーザの行動やサイトの課題を明確にすることができます。
例えば、訪問者がどれだけいるのか、どのようなユーザがサイトを訪れているのか、どのページで離脱が発生しているのかを把握することが、現状把握の基本です。
このプロセスを通じて、「何が問題なのか」を特定し、その解決に向けた施策を打ち出すことが可能になります。
現状把握は、単なるデータ収集ではありません。
分析を通じてサイトの課題を可視化し、改善施策につなげることが目的です。
これを正しく行うことで、効果的なサイト改善の土台が築かれると考えます。
現状把握の具体的な方法
現状把握を実施する際には、いくつかの基本的な項目に注目する必要があります。
これらはGoogleアナリティクスなどのツールを使用することで確認できます。
- 閲覧数（PV、UU）: サイトがどれだけの人に見られているかを示す基本的な指標です。
PV（ページビュー数）はページの閲覧回数を、UU（ユニークユーザ数）は訪問者の数を示します。
これらを確認することで、アクセスの傾向や変化の原因を分析できます。 - ユーザ属性: 訪問者の性別、年齢層、地域などを分析します。
これにより、ターゲット層と実際の訪問者が一致しているかを確認できます。
もし一致していない場合は、コンテンツやマーケティングの見直しが必要になります。 - 使用デバイス: 訪問者が主にどのデバイスを使用してサイトを閲覧しているかを把握します。
特にスマートフォンからのアクセスが多い場合は、モバイル対応の品質が成果を左右します。 - 時間・曜日: 訪問者がいつサイトを訪れるのかを分析します。
特定の時間帯や曜日にアクセスが集中している場合、訪問者のライフスタイルやニーズを推測する手がかりになります。 - 流入経路: 訪問者がどの経路からサイトにたどり着いたのかを把握します。
検索エンジン、SNS、他サイトのリンクなどを分析します。 - 流入キーワード: 訪問者が検索エンジンでどのようなキーワードを使用してサイトにアクセスしているかを調べます。
これにより、訪問者が何を求めているかが明確になります。 - サイト内行動: 訪問者がサイト内でどのように行動しているかを分析します。
特に、どのページで離脱しているか、どのようなルートでページを回遊しているかを把握することが重要です。
ヒートマップツールを利用すると、さらに詳細なクリック状況やスクロールの深さを確認できます。
現状把握で見えてくる
「コミュニケーションバグ」とは？
現状把握を進めると、サイト内に「コミュニケーションバグ」と呼ばれる問題が存在している場合があります。
これは、サイトが伝えたい情報が正しくユーザに伝わっていない状態を指します。
コミュニケーションバグには、以下のような例があります。
- 商品やサービスの魅力が十分に伝わっていない
- 必要な情報が見つけにくい
- 情報が多すぎて重要な内容が埋もれてしまっている
- 専門用語が多すぎて内容が理解されない
- 次に何をすれば良いかが分かりにくい
これらの問題を解消することで、サイトの効果を大幅に向上させることが可能だと言われています。
現状把握を活かした改善策
現状把握で得られたデータをもとに、具体的な改善策を実施します。
例えば、以下のような取り組みが効果的です。
- ターゲット層を明確にし、その層に向けたコンテンツを用意する
- ユーザが必要とする情報に簡単にアクセスできるよう、サイトの構造を見直す
- 平易な言葉を使用し、専門用語を避ける
- 「購入はこちら」「資料を請求する」など、行動を促すボタンを明確に設置する
Webサイト改善において、現状把握は欠かせないプロセスです。
データに基づいた分析を行い、課題を明確にすることで、無駄のない改善施策を実行できます。
まずは、Googleアナリティクスやヒートマップツールを活用し、自分のサイトがどのような状態にあるかを正確に把握することから始めることが大切です。
次に、課題に対して優先順位をつけ、改善を一つひとつ進めることが成功への鍵だと考えます。
参考記事
・https://popinsight.jp/blog/?p=3305