Web3.0とは?次世代インターネットの基本とその展望

2025年の大阪・関西万博では、Web3.0技術を活用した「EXPO 2025 デジタルウォレット」が導入されます。
このウォレットは、Web2とWeb3の技術を融合させたデュアル方式のアプリで、独自の電子マネーやポイントサービス、NFTを活用した機能が含まれています。
このWeb3.0サービスにより、来場者はNFTやブロックチェーン技術を身近に感じ、より楽しみながら参加できると期待されています。

https://expo2025-wallet.com/より引用


今回は、Web3.0の基本と今後の展望について学びたいと思います。


Web3.0とは何か?

「Web3.0」は、ブロックチェーン技術を基盤とした分散型インターネットを指します。
特定の企業や管理者に依存せず、個人が自分のデータを管理できるのが特徴です。
これにより、ユーザーはプライバシーを守りながらインターネットを利用できると期待されています。


Web3.0の技術的な基盤

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、データを分散して管理する技術です。
データは「ブロック」と呼ばれる単位にまとめられ、それが連鎖的に結びつくことで「チェーン」を形成します。
この仕組みにより、データの改ざんがほぼ不可能になり、高い信頼性と透明性を提供します。


分散型アプリケーション(DApps)

DAppsは、分散型ネットワーク上で動作するアプリケーションです。
中央サーバーに依存せず、ブロックチェーンを利用してデータを管理します。
これにより、アプリケーションの信頼性と透明性が向上し、ユーザーにとって安全でプライバシーが保護される環境が実現します。


スマートコントラクト

スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で自動的に実行される契約プログラムです。
定められた条件が満たされると自動的に契約が履行され、仲介者を介さずに信頼できる取引が可能となります。
これにより、取引コストや時間の節約が実現されます。


Web1.0からWeb3.0への進化

Web1.0は1990年代に登場し、企業や個人がホームページを作成して情報を一方的に発信する時代でした。
2000年代に入るとWeb2.0が普及し、SNSやブログなどを通じてユーザーが情報を生成し、共有する双方向のコミュニケーションが可能になりました。
そして、現在のWeb3.0は、分散型ネットワークとブロックチェーン技術を利用し、ユーザーがデータの所有権を持ち、中央集権的な管理者に依存しないインターネットを実現します。


Web3.0の特徴とメリット

データの所有権とプライバシー

ユーザー自身がデータの所有権を持つため、第三者による不正な利用やプライバシーの侵害を防ぐことができます。


分散型ネットワークによる信頼性の向上

単一の障害点が存在しないため、サーバーダウンやハッキングによるデータ損失のリスクが軽減され、システム全体の安定性が向上します。


新しいビジネスモデルの創出

スマートコントラクトを利用した自動取引や、DAppsを活用した新しいサービスの提供など、新しいビジネスモデルが登場しています。


セキュリティの向上

データの改ざんがほぼ不可能であり、高いセキュリティを提供します。


コストの削減

中央管理者や仲介者を必要としないため、取引コストや運営コストが削減されます。


Web3.0の課題と注意点

法的な整備の遅れ

新しい概念であるため、まだルールや法律が整っておらず、法的なトラブルが発生する可能性があります。


自己責任の増加

ユーザー自身がデータを管理するため、ハッキング被害などのトラブルが発生した場合、全て自己責任となります。


利用の難しさ

仮想通貨やブロックチェーンの知識が必要であり、技術に詳しくない人には利用が難しい場合があります。


ビジネスにおけるWeb3.0の活用事例

検索ブラウザ「Brave」

Braveは、プライバシー保護を重視した次世代の高速ウェブブラウザです。
ユーザーが特定の広告を許可すると、報酬として仮想通貨が支払われる仕組みもあります。詳細はこちら

https://brave.com/ja/より引用


マーケットプレイス「OpenSea」

OpenSeaは、NFTを売買できる世界最大規模のマーケットプレイスです。
クリエイターは自分の作品を安全に販売し、収益を得ることができます。

https://opensea.io/jaより引用


NFT美術館「NFT鳴門美術館」

NFT鳴門美術館は、日本初のNFT専門美術館として徳島県鳴門市に設立されました。
旧「鳴門ガレの森美術館」を改称し、2021年に再スタートしました。

https://nftjp.orgより引用


株式会社レコチョク

音楽配信サービスを行うIT企業である株式会社レコチョクは、2022年1月にブロックチェーンビジネスに本格参入しました。
NFTの発行・販売やERC-20トークンを用いた新たな音楽体験サービスを提供しています。

https://recochoku.jp/ch/web3/より引用


大日本印刷株式会社

総合印刷会社の大日本印刷株式会社は、2022年7月に「SUSHI TOP MARKETING株式会社」と業務提携し、エンターテイメント分野でファン活動を記録できる「推し活NFT」サービスの開発に取り組んでいます。

https://www.dnp.co.jp/news/detail/10162820_1587.htmlより引用


Web3.0の今後の展望

Web3.0はまだ発展途上ですが、その可能性は非常に大きいと考えられます。

さらなる分散化の進展

現在のインターネットの多くの部分はまだ中央集権的な構造を持っていますが、Web3.0の技術が進化することで、より多くの分野で分散型ネットワークが導入されることが期待されています。


新しいビジネスモデルの普及

Web3.0の技術を活用した新しいビジネスモデルが続々と登場すると考えられ、特に、スマートコントラクトやNFT、分散型金融(DeFi)などの分野で、新しいサービスやプロダクトが開発され、従来のビジネスモデルを超えた革新的な経済活動が広がると考えられます。


規制と法整備の進展

Web3.0の普及に伴い、各国の政府や規制当局も新しい技術に対応した規制や法整備を進める必要があります。
これにより、Web3.0の技術を安心して利用できる環境が整備されると考えられます。


エンターテインメント分野の拡大

Web3.0の技術は、メタバースやNFTを利用した新しい形のエンターテインメントが普及し、ユーザーはより自由でクリエイティブな体験ができるようになるでしょう。


Web3.0の技術はまだ発展途上ですが、インターネットの次世代の形として注目されています。
今後さらに分散型ネットワークが普及し、新しいビジネスモデルが登場することが期待されます。
中小企業にとっては、実際に取り入れるのはもう少し先になるかもしれませんが、今から技術の理解を深め、小規模なプロジェクトを通じて、Web3.0の技術を活用する準備を進めてみても良いのかもしれません。


参考記事
https://www.mdsol.co.jp/column/column_123_2265.html
https://udemy.benesse.co.jp/development/blockchain/what-is-web3.html