女性デザイン、男性デザイン

女性デザイン、男性デザイン

女性デザイン、男性デザイン

だいぶ以前に、印象に残っている本の内容があるのですが、女性のデザイナーは曲線的なデザイン、男性のデザイナーは直線的なデザインをしやすいというのを、うろ覚えですが、読んだ記憶があります。

当時は学生だったか、デザイン会社に勤め始めたばかりだったぐらいのまだ若かった時期で、普通に無知だったため、そんなことを思ったこともありませんでした。

読んでからはデザインを見るたびに気になり、なんとなくそんな傾向があるのかなと思いました。

そこからなぜかずっとデザインを見るたびに思い続けているので、今回は男性と女性のデザイナーに依頼する場合の参考になればと思っています。

曲線的と直線的

曲線的と直線的の比較となると、「アールヌーボー」、「アールデコ」の違いが連想されます。

ネットで違いを調べてみると、次のような事が書かれていました。

アールヌーボー
  • 曲線的な芸術デザイン
  • エレガントで装飾的
  • 昆虫、花、植物等のモチーフが特徴
  • ベルギーやパリ周辺が中心
アールデコ
  • 直線的な芸術デザイン
  • 機能的で合理的
  • 幾何学模様がモチーフが特徴
  • ヨーロッパやニューヨークが中心

女性デザインで思いつくデザイナー

著名なグラフィックデザイナーで、私がパッと思いつくのは、女性だとアートディレクターですが、宇宙カントリーを主宰していた野田凪さんです。

野田凪さんは若くして亡くなられたのですが、当時はとても勢いのある方で、デザインの雑誌には、いつも掲載されているぐらいでした。

野田凪さんの広告デザインは、広告にモデルの方がよくでていたりするのですが、髪型とか男性では到底思いつかないスタイルにして、印象を高めたり、全体の色のトーンも奇抜でありながらとても繊細で、全体的に柔らかい線やモチーフで構成された、感性が研ぎ澄まされたようなデザインだと個人的に思っています。

ただ一部では、オリンピックのロゴで問題になった佐野研二郎さんと同じようにデザインの流用があるのではと疑問的な意見もありましたが、そのあたりの判断は人それぞれのようです。


男性デザインで思いつくデザイナー

次に、男性で思いつく方は、佐藤可士和さんです。

佐藤可士和さんの広告デザインは、画像検索していただくと、一目瞭然で、見てすぐわかると思いますが、圧倒的に直線モチーフで構成されていることが多く、またシンプルに構成している中で、しっかりコンセプトが最大限生きているところが圧倒されます。

超直線的なデザインだと、TSUTAYAのロゴマークがありますが、あのデザインにした理由のひとつに、当時の画素数の粗いカーナビの画面で一番キレイに見えるアイコンにするためという理由があったりします。

他では、SUIT SELECTのロゴマークは、整然と並んでいるスーツをアイコン化していたりと、限りなくシンプルに最大限訴求ができているデザインが本当にすごいなと思います。

また、テレビ等で商談されているシーンを何度かみましたが、クライアントの力関係や、経営者や担当者の立場、気持ち良く納得してもらうためのプレゼン能力もすさまじいなと感じました。


担当デザイナーを確認

デザイン(グラフィックデザインもWebデザインも含めて)をグラフィックや、Webサイト等、クリエイティブな広告全般を制作会社へ依頼する前に、女性のデザイナーが担当なのか、男性のデザイナー担当なのかを確認しておくこともいいかと思います。

女性と男性では、上記でお伝えしたような傾向が根本にはあるので、広告にしたい商品やテイスト等が、どちらの雰囲気がいいのか、合うのかをまず検討すると、進めやすくなる場合があります。


デザインがまるで変わることも

打合せ時にもざっくり大枠で印象や方向性を決めるときにも、男性のデザイナーか、女性のデザイナーか事前にわかっていると、双方にとって伝えやすく、理解してもらいやすい進め方に変わるので、男性になるのか、女性になるのか確認してみることをおすすめします。

また企画提案の段階で、クリエイティブ要素がいきづまる時には、男性のデザイナーを女性のデザイナーに、またはその逆に切り替えてみることもおすすめです。

男性っぽさを打ち出したかったけど、発想が逆転して、女性っぽさを訴求したほうが良くなること(またその逆)もあります。

このような展開は、デザインの方向性が全く変わってくるので、答えの無いデザインのおもしろいところのひとつです。


要望を伝えてみることもひとつ

デザイナーが女性なのか男性なのかを聞くだけでは無く、もし選択肢があるようでしたら要望を伝えてみても良いかもしれません。

女性にしかわからない世界(例えばアクセサリー、コスメ系)、男性にしかわからない世界(例えば、筋トレやガジェット系)がそれぞれあるので、世界観の共有が早くでき、打合せ等で話を進めやすくなります。

制作会社任せになると、空いているデザイナーをあてる可能性もあるので、事前に確認や要望はお伝えしておいたほうが、やりやすくなると思います。

ただ、ヒアリングをしっかりして、適したデザイナーを制作会社側で選んでいただくことが、基本的には一番ベストだと思いますし、そうしてくれるはずです。

イメージバナーでも、ヒアリング後に一番ベストなデザインが仕上がるようにチームを組む形で対応していますが、お客さまからのご要望があれば、その都度柔軟に対応しています。


その逆もあり

ただ、話をひっくり返してしまうようですが、男性でも女性好みのドストライクなデザインをイメージバナーでも、ヒアリング後に一番ベストなデザインが仕上がるようにチームを組む形で対応していますが、お客さまからのご要望があれば、その都度柔軟に対応しています。仕上げる方もいますし、またその逆もあります。

このあたりの見極めがとても重要にはなるのですが、依頼する制作会社の方にデザイナー毎の実績やデザインのテイスト等を聞いておくこともできると思うので、そのあたりもお話の中で盛り込んでみると良いかもしれません。